「公庫が来るんだって。どうなって居るか様子を見に来るんだって。」
何でも無い、怖く無いと思って居る筈ですが、彼は怯えて居ます。
先ほどの1本の電話。公庫の此の地区の女性担当でした。6年前には 保証人免責の事でやりあったものです。
「男性の部下2名を連れてこの地区を訪問します。その時に御社がどうなったか拝見させてください。
出来れば決算書も是非、拝見させてください。」
笑い顔で別れた公庫ですが、内心では「之でもう2度と会わないだろう。」とほっとした相手です。
外材に押されて衰退を辿る木材業。
檜や広葉雑木などは、特徴もあり材質も優れて居りますから外材には勝負になります。
しかし、それ以外の材木はそのままでは建材にも使用できない物が一杯有ります。
赤松や唐松等です。
かっては、之が植林されて今は収穫期を迎えたのに、使い物になりません。
其れが高温圧縮されて日本古来の材木に負けない材木が出来るようになったのです。
日本全国、地元の材木を此の方法で仕立て直し販売する業者が何軒も出ました。
当事の農林省も之を応援したのです。公庫は何億も1業者に融資をしました。
彼も今までの会社の他に、協同組合をつくり、4億の融資で此の製材事業に取り組んだのでした。
しかし、生まれたばかりの技術は完全では有りません。歩留まりが悪く、檜以上の価格になります。
又販売した中から圧縮が悪く反りが出てきたものもあり、当初は外材に負け、やがて、回らなくなって
いった業者が多かったのです。
彼のところもそうでした。
当初は毎月500万の元金も返済できましたが、次第に少なくなって、ついに、親会社の援助無しでは
やっていけず、金利すら返済が出来なくなったのです。
当時、政府銀行の統一など叫ばれていました。
組織が変われば、どうなるか解かりません。
「返済できないなんて早く行った方がよい。相手から不良債権と宣告されないうちに此方から申し出よう。」
これ以上の返済は親会社まで駄目になります。
此の会社は公庫だけが債権者です。債権の無期限の棚上げを御願いしたのです。
公庫の怒りを覚悟して居ました。最悪、親会社も潰れる事も腹に持ちました。
しかし、意外にあっさりと同意して呉れたのです。
担当が本社に移り、女性担当が決まりました。
「会社の資産は全部売却して賃貸に変えてください。又保証人の理事さん方も、われわれが納得できるように私財の弁済を御願いします。
それで何とか今の業務を維持してください。其れをもって、担保はなくなりますし、保証人は全員を解除します。
後は保証人も担保も無い組合だけが残ります。私たちは此の会社にはもう請求しません。
此の会社が復活して我々に自発的に返済が出来る日が来るのを待って居ます。」
之が条件でした。
現地の一人の幹部が呟いたのを覚えて居ます。
「今の日本って時世のせいか、私たちの投資も殆ど押し流されました。
しかし私どもは、私たちが進めてきた方針が間違って居らず、事業が残ってくれればよいのです。
今の圧縮材は不可欠のものになるでしょう。
此の芽を枯れさせたくないのです。
債務の事はもう忘れて何とか事業は守ってください。」
しかし其れからの取立ては熾烈を極めました。女性担当者の辣腕にはどの保証人も泣きました。
ここまでやるかと云うような極まり無いやり方でした。
突かれなかったのは生活費と学費くらいです。
それでも、何とか、担保は親会社やグループが取得し、保証人も全員が抜けることが出来たのです。
その当事者から、会社がどうなっているか見たいという連絡です。
事業は親会社中心に、今では延びて居ます。圧縮財のブランドも以前のままで名が通ってきました。
しかし資金的には苦しく、親会社の援助無しではやっていけません。
「事業がどうなって居ますか」
と聞かれれば、債務棚上げのお礼を云い、自慢したいです。
「会社は若干でも払えるようになりましたか。」
と聞かれれば、決算書も見せて此の話題をそらしたいです。
それとも此の2通りの考え以外のことでしょうか。
来社の目的がよくわかっていません。
願うのは、もう債務の件は話題に載らないこと。
圧縮材の今後について語り合うことです。その時は当時の農林行政を評価します。
結論は今月末に出ます。
http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから
電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。
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何でも無い、怖く無いと思って居る筈ですが、彼は怯えて居ます。
先ほどの1本の電話。公庫の此の地区の女性担当でした。6年前には 保証人免責の事でやりあったものです。
「男性の部下2名を連れてこの地区を訪問します。その時に御社がどうなったか拝見させてください。
出来れば決算書も是非、拝見させてください。」
笑い顔で別れた公庫ですが、内心では「之でもう2度と会わないだろう。」とほっとした相手です。
外材に押されて衰退を辿る木材業。
檜や広葉雑木などは、特徴もあり材質も優れて居りますから外材には勝負になります。
しかし、それ以外の材木はそのままでは建材にも使用できない物が一杯有ります。
赤松や唐松等です。
かっては、之が植林されて今は収穫期を迎えたのに、使い物になりません。
其れが高温圧縮されて日本古来の材木に負けない材木が出来るようになったのです。
日本全国、地元の材木を此の方法で仕立て直し販売する業者が何軒も出ました。
当事の農林省も之を応援したのです。公庫は何億も1業者に融資をしました。
彼も今までの会社の他に、協同組合をつくり、4億の融資で此の製材事業に取り組んだのでした。
しかし、生まれたばかりの技術は完全では有りません。歩留まりが悪く、檜以上の価格になります。
又販売した中から圧縮が悪く反りが出てきたものもあり、当初は外材に負け、やがて、回らなくなって
いった業者が多かったのです。
彼のところもそうでした。
当初は毎月500万の元金も返済できましたが、次第に少なくなって、ついに、親会社の援助無しでは
やっていけず、金利すら返済が出来なくなったのです。
当時、政府銀行の統一など叫ばれていました。
組織が変われば、どうなるか解かりません。
「返済できないなんて早く行った方がよい。相手から不良債権と宣告されないうちに此方から申し出よう。」
これ以上の返済は親会社まで駄目になります。
此の会社は公庫だけが債権者です。債権の無期限の棚上げを御願いしたのです。
公庫の怒りを覚悟して居ました。最悪、親会社も潰れる事も腹に持ちました。
しかし、意外にあっさりと同意して呉れたのです。
担当が本社に移り、女性担当が決まりました。
「会社の資産は全部売却して賃貸に変えてください。又保証人の理事さん方も、われわれが納得できるように私財の弁済を御願いします。
それで何とか今の業務を維持してください。其れをもって、担保はなくなりますし、保証人は全員を解除します。
後は保証人も担保も無い組合だけが残ります。私たちは此の会社にはもう請求しません。
此の会社が復活して我々に自発的に返済が出来る日が来るのを待って居ます。」
之が条件でした。
現地の一人の幹部が呟いたのを覚えて居ます。
「今の日本って時世のせいか、私たちの投資も殆ど押し流されました。
しかし私どもは、私たちが進めてきた方針が間違って居らず、事業が残ってくれればよいのです。
今の圧縮材は不可欠のものになるでしょう。
此の芽を枯れさせたくないのです。
債務の事はもう忘れて何とか事業は守ってください。」
しかし其れからの取立ては熾烈を極めました。女性担当者の辣腕にはどの保証人も泣きました。
ここまでやるかと云うような極まり無いやり方でした。
突かれなかったのは生活費と学費くらいです。
それでも、何とか、担保は親会社やグループが取得し、保証人も全員が抜けることが出来たのです。
その当事者から、会社がどうなっているか見たいという連絡です。
事業は親会社中心に、今では延びて居ます。圧縮財のブランドも以前のままで名が通ってきました。
しかし資金的には苦しく、親会社の援助無しではやっていけません。
「事業がどうなって居ますか」
と聞かれれば、債務棚上げのお礼を云い、自慢したいです。
「会社は若干でも払えるようになりましたか。」
と聞かれれば、決算書も見せて此の話題をそらしたいです。
それとも此の2通りの考え以外のことでしょうか。
来社の目的がよくわかっていません。
願うのは、もう債務の件は話題に載らないこと。
圧縮材の今後について語り合うことです。その時は当時の農林行政を評価します。
結論は今月末に出ます。
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