かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

支払いは全部棚上げ、会社を続ける

2012-06-13 | 事例
彼の取った行動は同業者の多いこの地方で忽ち皆に知れ渡りました。
「儂はもう払えるお金が無い。悪いけれど今の支払い、1年待ってくれないか。
 1年経ったら払えれば払う。万一払えないときは又延期してや。」
こんな重要なお願い事に、威張っている感じです。

彼はこんな調子で支払いと返済を一切止めてしまいました。
勿論、今月回収したお金は大事に隠して居ます。
今後仕入先は商品を入れないだろう。現金バッタの材料を入れるためです。
まだ安くさえすると、納入できるところは幾らも有ります。

主だった仕入先は5軒、全部でも20軒くらいです。一斉に態度を硬化させました。
素直の頭を下げれば話のわかる仕入先です。彼の態度がそうさせたのです。
どの仕入先も、日参に近い責め方です。脅しても、すかしても態度は変わりません。
それに癪に障るのは工場が動いていることです。

不動産は銀行ががっちり押さえて居ます。支払督促で債務名義を取り、工場の機械を狙ったところも有りますが、
既に譲渡担保になっており、手の出しようが有りません。

具体的な経営状況が説明あるわけでなし、皆カンカンですが、さりとてどうしようの有りません。
破産を掛けますと脅したところが有りますが、「どうぞ」と相手にもしません。
こんな場合破産を掛けても経費と労力が居るだけで得るものは何にも有りません。
債権者破産は普通は無いと思ったほうが正解です。

日参もだんだん遠くなりました。此の頃になって彼は看板を別の会社に代えて居ます。別会社にしたのでしょうか。
之は彼なりきに効果があったみたいです。
商売の枠は小さくなりましたが、之により、直ちに売掛金の差押はなくなりました。
保証金まで積んで仮差をしてくるところは有りません。
其れより、あれほど恐慌だった社会保険が、会社が変わると同時にガラッと態度が変わり請求もなくなりました。
税金も追いかけは諦めたようです。

此の間、銀行は様子を見ていました。5行ほど取引が有ります。
工場はメインの大手銀行、自宅は信金、その他は担保は有りません。信金は住宅ローンです。
唯、保証人は彼の他兄弟2名と公務員の息子が1部分づつなった居ました。

結論から言うと、担保行以外は保証協会つきですから、早く保証協会の代位弁済になりました。
唯、彼は3万ですが、一人の弟が5万です。全部で12万づつ毎月返済して居ります。
信金はローンの方が自宅の時価より大きく、ローンを返済して限り、差押は有りません。
債務者は彼のままですが、妻に名義を変え、義父が新たにお保証人になりローンを続けることになりました。

問題は工場です。
大手銀行は金利だけで暫く様子見です。
時世も相まって之で当分は大丈夫の感じです。

それでも、若干の元金まで入れて、月に20万位になるでしょうか。之さえ払って居れば当分安泰だったはずです。
あの一番うるさい社保がなくなっただけでもおお助かりでした。
そして此の彼の成功はひそかな噂にもなったのです。

周囲には彼と同じような境遇の人が一杯居ります。
弁護士も依頼せず、債権者会議も開かず借金を片付け、今までの工場で生産を続けて居ます。
其の成功の秘訣を彼に聞きたがる人が多く、彼も何度も喋っているうちに自分は何でも出来るんだという気持ちになってきました。
それにしても景気はますます下がりますし、大手銀行に支払いの40万も返済しなくても何とかなると思い込んでしまったのです。

彼は金利まで返済を一切止めました。
大手銀行はせめて金利だけでも払うように説得しましたが、図に乗った彼は云う事を聞きません。
競売? 出来るものだったらやって見なと云う態度です。

しかし競売は強かったです。国がやるのです。文句をつける足掛かりすら有りません。
立ち退きをごねると強制撤去をするとの事です。
大事な機械、雑に取り扱われたらどうしようも有りません。
ついに強制撤去の寸前、工作機械は譲渡担保の相手に移されました。
後は、もう、どうなっても放っておくつもりです。

先ず工場、今後絶対に必用なものです。之をどうするか彼には当てが有りません。

最後の詰めがちとまずったと云うものの、それまでは順調でした。
彼にやり方、中小企業の工場が多い此のあたりで、参考にしようとして居るが多そうです。


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6月12日(火)のつぶやき

2012-06-13 | ツイッター
14:50 from web 3回目の返済猶予、小さな企業には特に厳しく希望通りに行って居ない。
特に2回目の昨年は、何行もある返済比率がバラバラになっちゃった処が結構ある。
こうした処は、解かれば揉めて居る。くれぐれも返済の率は横1線を守って欲しい。
法の後ろ盾が無い来年はもっと厳しい。
15:27 from web 営業利益が赤字でなければ、返済猶予は効果がある。
しかし、之が赤字でも企業の再建に夢中の人も多い。
返済猶予はお金を生み出さないから、此の人たちは必要な支払が出来ない。
この時の乗り切り方法が、その後の企業の運命を決める。
潰すが脳ではない。うまく乗り切る人も結構多い。
by oguchi_keiei on Twitter


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