かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

保険金の仮差

2012-06-17 | 事例
「ところで奥さん。ご主人の生命保険は大分方々にお入りと思いますが、
 其の明細、大至急いただけませんか。」
葬儀が終って3日目。お礼を兼ねて挨拶に行った彼女に、支店長の視線はなぜか冷ややかさを感じさせませした。
「やっぱり銀行は生保を狙っているんだ。」

彼女の夫は地域でも屈指の建設業でした。官庁専門です。もう売上は何年も前から急激な下降です。
金融円滑化法の施行前です。
早くからリスケをし、年に1度書き換えて居ます。

健康な夫が急に多額の保険に入ったのは何か虫の知らせでもあったのでしょうか。
経営者保険、万一のときは会社に入金になります。
でも、彼女と娘二人も、自費保険で少なからず受取人になって居りました。

銀行は決算書などから之を知って居ります。当初は保険料の振込みにもこの銀行を利用したことが有ります。
「銀行にも返済せず保険ですか。」と嫌味を言われてから振込銀行は変えて居ます。
でも銀行は大体の推測はして居ります。
銀行をリスケしても、保険料の支払いは続いて居りました。

そんな主人が逝ったのはアット言う間でした。
「心痛で胃が痛い。」
膵臓癌でした。

「此の会社はもう駄目だ。」
そう結論付けた銀行が狙ったのは、「1日も早い保険の回収」」でした。

全く同じ事を彼女も感じて居りました。
「今月末、返済条件の切り替えだ。きちんと払って居るから、それまでは差押も無いだろう。
 問題は、一括返済となって居る月末、書き換えが無い時だ。」
今日は17日。月末までにどうしても保険金が入らないとなりません。

新聞にも載った地方名士の死。D生命を除いては何処も、至急処理を約束しました。
2社ほどは月末に間に合わないかも知れません。
まずJAの2億、2-3日で会社に振り込まれました。
此の金は直ちに彼女の兄弟の口座に移しました。
経営者保険はこのほか3億入って居りましたが、此の受取人は1年前、娘に変えて居ます。
経営者保険の受取人は変更は出来ないと思っていましたが、正当な手続きさえ踏めば出来るとの事で、
直ちに役員会を開き、娘2人に受取人を変更して居ます。

保証人でも役員でも無い娘ならば差押は無いだろうと一安心ですが、油断できない銀行の事、
何をやってくるか解かりません。それでも翌月の3日までには、2社の1億を除いて、個人で掛けた分も全部入金し、
安全なところに移しました。

会社に入った分は、銀行以外の支払いに回しました。
もう銀行以外に借金は有りません。

翌月4日です。
仮差の命令書が突如会社に届きました。
銀行が一斉に保険金の差押をしてきたのです。見ず転ですが、さすが銀行。掛けている会社も金額もほぼ
実際と同じです。
保険会社と周囲の金融機関が対象でした。
全部で2億5000万、保証金は現金で5000万払って居ます。
差押金額の割りに保証金が少ないのが印象に残って居ます。
「よかった間に合った。もう会社名義は何にも無いから。」

でもまだ娘の分が2社で1億、残って居ます。
保証人では有りませんから、大丈夫と思いますが、用心したことに越した事は有りません。
受取銀行も、前の仮差を見ると同時に無作為の銀行を幾つも仮差して居ります。
そこで、娘がかって仕事の関係で700Kも離れた処に住んで居て、その時に作った銀行に入金指示をしました。
2日後の入金日、新幹線で出かけて現金の受取です。

運がよかったです。
次の日に、今度は家族全員の仮差命令が届いたのです。
今度も総額が2億5000万、保証金は6000万になって居ました。

保険金は受取人指定です。
受取人は保証人では有りません。
差押えられる筈が無いと思って居ましたが、此の時点ではまだ相続放棄をして居ません。
後で調べると此の事は銀行も調べて、相続人であるとの見解で仮差を実行して居ます。

唯あのD生命が之に該当したのです。
D生命には後日相続放棄の手続きをするから、銀行には払わないように依頼しましたが、
D生命はよい返事をしませんでした。
一旦は銀行に払う。若し無効ならば銀行から返して貰うようにと云うのが本音みたいです。
此の5000万は銀行に入りました。

銀行は最初は受取人は会社だと思ったらしいです。だから会社のみを仮差したのです。
途中で変更に気付き、直ちに仮差を変えました。それでも戦果は5000万あったのです。

相続放棄をして、此の5000万の取戻しです。
さすがに之は弁護士を依頼しました。
結論から言えば、戻りませんでした。

此の5000万と今後1年間毎月100万を払えば、残債務を銀行は追跡しないということでした。
それで5000万は承知したのですが、追跡しないと言う事は請求放棄では有りませんでした。
1年後、残債はサービサーに譲渡されました。

残債が全て解決したのは、最近、今年になってからでした。

色々な件で勉強になったこの事件、今でもくっきりと覚えて居ます。


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6月16日(土)のつぶやき

2012-06-17 | ツイッター
18:52 from web 何回もアドバイスしたがついにリストラはしなかった。自然減で良いと言った。
仕事も整理をしなかった。「何時でもあらゆる仕事に備えてがモットー。」と云っていた。
今日、今月一杯持たないと連絡が有った。
整理の方法をアドバイスしたいが、又無視されると思う。好きのようにさせようと思う。
19:21 from web 2軒一緒に被告で支払いの訴訟が来た。一軒は原告の言い分通りに認める。
一軒は、準備書面を提出、全然認めないと反論する。
判決は7月24日と決まる。今日、判決書が届いたそうだ。
何もかも認めた方だけが敗訴になる。
一方の判決は、7月らしいが同一裁判で2度判決をやるのだろうか。
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