「今回は期間を6ヶ月で御願いします。」
メインのMu銀行があっさり返済猶予の延長を認めてくれたのにはホットしました。
「自宅の売却期間は3-4ヶ月あれば十分だろう。6ヶ月延長になれば御の字さ。」
彼は返済猶予の期間中に自宅を売却する積もりのようです。
一昨年までは黒字の小さいながら優良会社だったのです。
メインのMu銀行はプロパーと保証協会付で6000万以前から借りて居ます。
リーマンショックの前後、彼は更に2行から借りました。
一行がやはり大手のMs銀行、プロパーで2000万です。之も無担保でした。
もう一行が公庫です。
此の時は、月次の累計が赤字になって居ました。公庫は担保を主張し、
無担保だった自宅を担保にして3000万借りした。
自宅は山手の1等地に有ります。捨て値にしても7000万ならば直ぐに売れそうです。
必ずしも資金に困っての借入では有りません。
不安感が有ったからです。受注が急に減り始めたのです。もっと減ればどうなる。
今のうちに、出来るだけ借りて置こう。其れを持って居るのが一番さ。
借りたお金はそのまま預金になって居ました。
事実此の頃から急速に受注が減ってきたのです。インテリア工事ですから、
彼の所など一番先に響いたかも知れません。
借りたお金が毎月減って行くという有様でした。
たまらなくなって、当時始まっていた、金融円滑化法の助けを求めました。
3行ともあっけなく認めて、お金の目減りは少し止まったのです。
しかし受注の減少は其れをもっと上回っていました。
2年目の時は延長を依頼しました。
之もすんなり決まりました。
唯、Ms銀行が担保か保証人が無いかと云ったのに一寸戸惑ったくらいです。
勿論この時は何にもせず、返済猶予が出来ました。
此の8月、何処も3回目です。
惰性で来た彼も、之を機に、完全に仕事に見切りをつけたのです。
背一杯現金を手にして、仕事を止めたいと決めたのです。
資産と云えば自宅だけです。
担保分はなくなるが、余った分は手にしたいと考えるのは当然です。
銀行に気付かれないうちに売らないとなりません。
それには其れまで返済を続けることです。
もう1回、返済猶予を通さないとなりません。
早くしないと手持ち預金はもう2000万を割って居ます。
返済を中止して、MuやMsに、自宅に目をつけらしてはなりません。先に売ってから返済中止にすればよいのです。
それが為には今回も3回目の延長を依頼です。
先ずメイン銀行からです。
思ったより簡単にOKでした。
次は公庫です。
公庫は違いました。今回は元金0では通らないと云うのです。
契約の2割は払って下さい。それが条件と高圧的です。
「そんなことすればMuも同比率増やさないといけません。とても出来ません。」
思い余ってMuに相談しました。Muも憤慨して、担当が電話を入れて呉れましたが、公庫は聞き入れません。
Muも困り果て「兎に角同率にしてください。」と云うだけです。
彼はもう一度公庫に行きました。
「何処も今回の依頼に承知してくれれば、私は自宅を直ぐに売却します。そして公庫には全額返済します。」
途端に公庫の態度が変わりました。
「自宅を売却するのでしたら今迄通りの返済で結構です。」
彼はMuに何とか話はつきましたと報告しただけです。、
もう1行、Ms銀行がが残って居ます。
先年も言われましたが、今回も首を振りません。
それどころか、自宅を第2抵当にしろと露骨に要求して来たのです。
其れだったら「借りた時の条件通り返済します」と云っても聞きません。
本来だったら返済猶予の切れた月に全額返してもらうことになって居る。
全額返すか、担保を入れるかと迫ってきます。
「ここだけは仕方無いか」彼は覚悟を決めたのです。
「掴めるお金が4000万から2000万に減ったか。」
しかし問題は予想すらしないところから起きました。
売りに出す寸前、此の商品は大きな欠陥商品と解かったのです。
区役所から電話が有って、「多摩から続いている活断層が此処で終わりになりますが、貴方の家は其の真上に
たっているらしいと判明しました。もっと調査はしますが之が本当だった場合は、建築条件なども煩くなります。」
今の家を直ぐに補強すると言うような事にはならないでしょうが、若し売却などする場合は、重要な説明事項になる事は確実です。
買う人が無いか、買っても基礎工事にべらぼうなお金が必用です。
其の分、ぐんと安くなるでしょう。
折角返済猶予をしても、家が売れないと何にためにしたのか解かりません。
又売れても自分の残らなければ又意味が有りません。
前回のようにスムーズに行けば或いは計画通りできたかも知れません。
それにしても厳しさを感じさせた今回の返済猶予の再延長でした。
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