「新大正糯-もち米」
#30 幻のもち米 新大正糯 ~富山・日本一の餅好き文化に学ぶ~ 2013年12月8日(日)(テレビ朝日 放送) 北日本放送制作 協力 文部科学省
富山は、県庁所在地別のもち米とお餅の購入量が全国で第1位。全国平均の約1.5倍、最下位那覇市の約3倍もお餅を食べています。その理由の一つに、富山で「新大正糯」という、とにかく粘りとコシが強く、風味が豊かなおいしいもち米を好んで食べられていることが挙げられます。「新大正糯」は、全国的にももち米の最高級品と呼び声が高く、県外ではなかなか手に入らないことから「幻のもち米」とも呼ばれています。
日々、富山でどのくらいお餅が使われているかというと、出産一つをとっても、妊娠五か月目には出産の無事を祈る腹帯祝いとして豆餅を嫁の実家から嫁ぎ先に贈り、臨月には「コロコロした可愛らしい赤ちゃんが産まれるように」とコロコロした紅白のお餅を近所に配り、出産三日目には、母乳の出が良くなるようにと三日の団子汁をお嫁さんに食べさせます。
また、結婚して初めての針供養の日までに、嫁の実家から嫁ぎ先に「針歳暮」なるカラフルな大福餅を贈る風習など、富山では、お餅にまつわる文化や風習が今でも数多く伝えられています。
今回は、豊かな大地と綺麗な水に育まれた、幻のもち米「新大正糯」と富山に根付く日本一の餅好き文化に学びます。
編集後記 ディレクター:中水 康之(北日本放送)
「娘三人持てば、臼の乾く暇がない」。これは、「娘三人持てば、身代潰す」に似た、お餅文化が根強く残る富山に伝わる言葉です。
仕来りや風習は地域によって様々ですが、昔は、嫁入り後三日目を「三つ目」と言い、娘の実家から嫁ぎ先にお餅や赤飯などが贈られ、それを近所や親戚に配っていたそうです。また、里帰りする際はお餅を土産に持たせ、桃や端午の節句餅、年の暮れには「針歳暮」なるカラフルな大福餅を嫁ぎ先に贈ります。富山の娘が嫁いだ実家では、正月は勿論、行事のたびに餅つきや赤飯蒸しの連続で、まさに臼の乾く暇がないのです。
今回の取材を通して、お餅にまつわる様々な文化・風習を学ぶことが出来ました。メールや電話がない頃は、お餅を通したやり取りで互いの節目を知らせ合い、お餅が、近所、親戚同士の絆をつなぐ役割を果たしていたように思います。色んな習慣をきっかけとした人と人とのつながりを大切にする心についても考えさせられました。
「餅は餅屋」。お餅は、専門店に任せるのが一番ですが、今年の年末は、杵と臼を使って家族みんなでお餅をついてみたいと思います。勿論、もち米は、新大正糯を使います。
*https://www.minkyo.or.jp/program/nippon_syokukiko/ns30/ より
*農研機構HP より
「大正糯」は知っているが、「新大正糯」は知らない。やはり「富山」ならではのもち米なんだろう。