「懐話ふだ」
色とテーマから紡ぐ懐かしい思い出が社会問題解決の一翼を担う。
世界で最も高齢化が進む日本。それに伴い、認知症も大きな社会課題となっているが、そんな現代社会に役立つユニークな製品が大阪の老舗印刷会社から誕生した。その名は「懐話ふだ」。「私のおばあちゃん認知症なんだよね」という1人の学生の声から企画が始まった本製品は、過去の記憶を振り返り、思い出話をすることで脳の活性化を促す“回想法”という手法を取り入れた新感覚のカードゲームだ。神経衰弱の要領で、たくさん並んだカードの中から2枚を裏返し、同じ色のカードがそろうと自分の札になる。そして、そのカードに記されたテーマで思い出を語るというルール。最終的に一番多くのカードを手に入れた人が勝ちとなる。
製作した明成孝橋美術は、世の中の動きに合わせて柔軟にチャレンジを続ける印刷会社。「社会課題を解決する印刷商品」というテーマを掲げ、商品開発インターカレッジに参加。学生のアイデアを元に、初めての自社商品開発を開始した。試作品ができると介護施設などで現場の声を集め、約1年間試作・検証・改良を繰り返した。結果、その後に実施したクラウドファンディングでは、当初2カ月かかると想定していた目標をたった1週間で達成。最終的な達成率は150%に上った。現在は認知症予防に限らず、企業の研修時のアイスブレイクにも使用されるなど、コミュニケーションを円滑にするためのツールとしても活用されている。
カードは光沢の少ないマットな質感を意識し、どの角度からも見やすくした。また、カード裏面は座布団をイメージしたデザインを採用。「座布団をたくさん集めた人が勝ち」という、高齢者になじみのある演芸番組を彷彿とさせるユーモアも忘れない。
テーブルや床にカードを並べ、青座布団と赤座布団を一枚ずつめくる。カード表面の色がそろうと、そこに書かれたお題に沿った思い出話をする。「幼少期+住んでいた所」、「大人になってから+の旅の思い出」など、様々な年代の懐かしい話が場を盛り上げる。
株式会社明成孝橋美術 大阪市天王寺区清水谷町12-7
*https://osaka-sei.m-osaka.com/product/2112/ より
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