「みつめのぼたもち」
主な伝承地域 県内全域
主な使用食材 もち米、うるち米、あんこ
歴史・由来・関連行事
「みつめのぼたもち」とは、第1子の赤ちゃんが生まれて3日後に食べる大きなぼたもちのことをいう。かつて、食糧を満足に得ることが難しかった時代、子育てのために栄養が必要な出産直後の母親のために、栄養豊富なもち米や小豆を使った大きなぼたもちを食べさせたことがはじまりだという説がある。
滋養食代わりにしっかり食べ、出産の疲労回復や母乳がよく出ますようにという想いが込められているほか、親戚や近所に赤ちゃんが生まれたことを知らせる意味もあり、重箱に詰めたものを挨拶しながら配って回る習わしがあったといわれている。江戸時代には多くの地域でこの風習があったとされるが、現在では茨城県(鹿嶋市、神栖市、水戸市など)のほか、千葉県(銚子市、市原市など)や神奈川県、愛知県などの一部の地域に限られている。最近では家庭ではつくらなくなり、和菓子店などで購入したり、注文することが多い。
食習の機会や時季
赤ちゃんが生まれて3日目に、夫側の両親が用意をして振る舞うのが一般的だが、本人たちや母親側の両親が用意することもある。なお、「みつめのぼたもち」を食べたり、親戚などに配るのは、第1子が生まれた時だけである。第2子以降はおこなわない。
飲食方法
もち米、うるち米を炊き上げて蒸らした後、重箱につぶさず、丸めず、そのまま敷き詰め、上からあんこをのせる。食べるときは、食べやすい大きさにカットする。重箱に入れず、一般的なサイズよりも大きなぼたもちを3つ用意することもある。「みつめのぼたもち」は、とにかく“大きい”ことが重要である。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
関東随一の米どころである茨城県では、古くから現在にいたるまで、米や小豆の収穫があるため、いまも茨城県内でこの風習が絶えずに受け継がれている。また、和菓子店などでも「みつめのぼたもち 」が用意されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/mitsumenobotamochi_ibaraki.html より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます