
これでもぶどうではありません

犀星の句には及ばぬ小粒の青梅

初孫誕生の記念樹で植えて14年目

落下した梅

出番を待つ額紫陽花
青梅の尻うつくしくそろひけり(室生犀星)
犀星の句の青梅に遠く及ばないが、初孫誕生の記念樹に植えた梅の木に、今年は枝もたわわに実をつけた。小さな1本で実はまだ小粒だが、数だけはざっと100個をくだらない。
小鳥が入れ代り立ち代りやって来てはつつき、無残にも実が落下していることもあり、ぼつぼつ収穫時期かなと思いネットで調べてみた。
「梅雨というように、梅の実は梅雨時期のひと雨ごとに大きくなる。6月にはいると青梅を手もぎしてまずは梅酒用の収穫。6月中旬から7月上旬になると梅干用の完熟梅収穫」とある。
梅酒はここ数年来の作り置きが十分にあり、今年こそは梅干用にしたいと思うので、いましばらくの辛抱のようだ。
やがて梅つみが終われば紫陽花の季節となる。梅の木の傍らには、額紫陽花が満を持して出番を待っている。青梅同様に梅雨空の下でこそ生き生きと映えるのが紫陽花であろう。
冒頭の句は、女人礼賛者室生犀星ならではの感性で、“青梅の尻”にまで女性を重ねて、エロティシズムを描いている。
「鬼も十八、番茶も出花」とは言うものの、記念樹の主・孫娘はまだ14歳。道理で犀星の句の青梅にはまだ少し足らぬはずだ。