〈リバイバル・アーカイブス〉2023.5.22~6.5
原本:2022年5月27日
ことしも富田林の竹林のヒメボタルの季節がやってきました。ことしは連日出現数が400匹を超え、昨日5月26日には過去最大の500匹を越えるホタルが出現しました。まさに光の回廊!(うまく撮れなくて、すいません。)
過去のデータをご覧ください。
「富田林の自然を守る会」の楠本さん(富田林百景メンバー)の調査によります。
*出現場所はホタルの生息環境を守るためと地元の方への影響を考えて、今のところ公表しておりません。
*以前よりご存じの地元の方が見に来られています。(すでに50年以上現認されています。)
2022年5月23日 19:39 富田林市 河岸段丘崖の竹薮 この日の出現は420匹。
黄昏が過ぎて周りの薄暗がりが無くなるころから、ぼちぼち光り始めます。
陸生のヒメボタルという種類です。三大ホタルの中では一番小さいホタル。
ホタル情報については ホタル(22)を見てください。
光には敏感。記録のためLEDを当てると、元気のいいのは飛んで行ってしまします。
他の光は嫌うので、発光していても瞬時に光らなくなります。
ホタルにとっては「ご迷惑」ですね。
アリとホタル
竹林内の遊歩道の保全用の竹の仕切りで休んでいるホタル。
止まっているホタルはここか周りの草木、竹の落葉の腐葉土の上にいます。
ヒメボタルは陸生のホタルで幼虫は竹藪の中にいます。
幼虫の時は肉食で陸生の貝(カタツムリの仲間、キセルガイなど)を捕食します。
成虫になると水以外はほとんど取りません。
口元は牙ではなく、ひげ状の突起。これで草に降りる朝露などを取るようです。
寿命は一週間から二週間。この間にペアを見つけて、メスは卵を産んで一生を終えます。何と短い、はかない命でしょうか。
でもそれは人間の目からみた思いで、ホタルにとっては子孫を残すための合理的に淘汰されてきた結果です。
その代わり、幼虫のときにもりもり捕食し、成虫の時のエネルギーを蓄えています。
この竹林に500匹のホタルを育てる環境が残っています。(メスは飛ばないと言われているので、合わせて1000匹かも。)
この時期真竹のタケノコがあちこちでニョキニョキ。ホタルの環境保全のため必要なので採らないでね。
クヌギの蜜に集まるクワガタ。甘酸っぱいにおいが漂う「昆虫酒場」。
夜に咲く花。
この特徴的な花はトキワツユクサ。南アメリカ産「外来種で要注意外来生物」に指定。
ここでも群落を形成していて、急にその範囲を拡大しています。
この環境がいつまでも続くように、また条件が整い次第公開できたらいいなと思います。
【ヒメボタルとは】
ヒメボタルは、大阪府レッドデーターブック準絶滅危惧種に指定されている貴重なホタルです。
ヒメボタルは、ゲンジボタルやヘイケホタルと 異なり、陸生で幼虫は竹薮や林の落ち葉の中で、カタツムリの仲間の陸生の巻き貝キセルガイなどを食べて生育します。
ヒメボタルのメスは後翅が退化し飛ぶことが できず、行動範囲が限られているので、生活環境が破壊されるとそこを移動して生活できず、絶滅し再生は不可能となります。
発光の色はゲンジボタルが、やや緑がかった白(関西は2秒周期)に対し、ヒメボタルは白っぽく、発光の間隔がチカチカと短いため、観測数が多いとまるでクリスマスツリーの電飾のようになります。
観測数は天候や時刻において変動しますが、20時30分から21時30分頃までが 多く光ります。
また、ヒメボタルの発生は年により変動がありますがゲンジボタルより早く、5月中旬より発生しピークは5月下旬から6月上旬(5月28日頃が最大のピーク)で、石川上流部 のケンジボタルの6月上旬から下旬(最大のピークは6月15日頃)よりかなり早いです。
〈大牟田市HPより〉三大ホタル
大きさ、光る色と周期、背中のトレードマークの赤と黒の模様で見分けます。
「ついに500匹突破!」
「すこし迷惑」
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撮影:2022年5月23日
2022年5月27日 (HN:アブラコウモリH)
*最終報告はまとめて、ご報告します。
訪問者の殆どがこのホタル出現の多さに驚き感動されておりました。又、市街地のど真ん中にこの様な自然がある事、事態驚かれておりました。是非ともいつまでも後世に残したいと願っております。