アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

引きこもり対策は、「刷り込み基本法」で解決

2010年03月07日 | Weblog
なんでもかんでも法律を作らなければならない。…早い話が、道徳が廃れたということ。
 法律制定は、元旦から。もっとも、国会が開かれていなければ法案は通らないけど。通った順に、「平成22年法律第1号、第2号、・・・」と番号がつけられる。1年間で、150本前後の法律が生まれる。約3日に1本。
 ですから私も、「万歳三唱所作法」やら「居眠り基準法」を作れ、などと楽しませていただいている。不謹慎だって?大臣が会議で居眠りするものですから…。遅刻もする…。原口一博総務相の参議院予算委員会の遅刻後の謝罪…「以後、反省申し上げます」…これってどういう意味じゃ?急な謝罪とはいえ、日本語になっていない。

 自殺総合対策会議…そのまんまの名前。年間3万人が自殺する国ですから、いまごろ、自殺総合対策会議は遅すぎるのではないか。何をやらせても遅い。その会議で、原口一博総務相が、「うつ基本法」「ひきこもり基本法」の制定を提案した。
 「なんじゃそれ?」と、思いましたね。「うつ」「ひきこもり」は、本人はもちろん家族も親類縁者も、腹から笑える日などない。「…基本法」の制定で何とかなるなら、今すぐ制定してくださいよ。遅いんだよなあ。

 ひきこもりが、推計360万人。国民の、3%が引きこもりということになる。い、いつの間にという感じです。引きこもり大国日本!

 サンプル数が少ないので、傾向を見るだけですが、「NPO法人全国引きこもりKHJ親の会」の調査結果が誠に興味深い…。

1 引きこもりの人の性別・・・男性が女性の4倍
2 引きこもりの平均年齢・・・男性は、30歳(13~52歳)、女性は29歳(18~40歳)
3 引きこもりの程度・・・
(1) 他者との関わりはないが、外出はしている(55.1%)
(2) 外出はできないが、家庭内では自由に行動している(17.2%)
(3) 友人とのつきあい・地域活動には参加している(16.2%)
(4) 外出もできず、家庭内でも避けている場所がある(6.1%)
(5) 自室に閉じこもっている(5.4%)
4 引きこもりの親の平均年齢・・・母親は58歳、父親は63歳

 男性が女性の4倍…確かに、知れる範囲におられる引きこもりのみなさんは、全員男性。少なくても、私の身近に女性の引きこもりはいない。「女性が元気」という傾向、このようなところにまで現れております。
 引きこもりの高齢化。これは進んでいる…普通に考えると当然のこと、「引きこもっているウチに年月は進んでいく」よって、毎年平均年齢が高くなる。国民の高齢化に比例して、引きこもりの高齢化が進む。近い将来、「高齢者は皆引きこもり」になったり…。

 引きこもり基本法と聞いて「なんじゃそれ?」と思ったのは、「法律で引きこもり増加に歯止めがかかるかなあ」と疑問だったから。(対策ではなく、歯止めの部分ですから。念のため)
 引きこもりの原因は、全般性不安障害、強迫性障害、パニック障害、社会不安障害、うつ病、統合失調症(これは陰性症状に限ります。そうじゃなければホント大変なことに)、広汎性発達障害、神経発達障害、注意欠陥・多動性障害(ADHDというやつ)、注意欠陥障害(ADD)、学習障害(LD)…さらにこれらの複合…。「…障害」と、言われてもわけが分からない。わけが分かっても、区別できない。なぜなら、それぞれの障害が、「単体で現出することがきわめて少ない」から。

 引きこもりは…昔からあるにはあった。「座敷童」の言い伝えは、「引きこもりの子のこと」という説もある。確かに、平成になっても、重度の引きこもりの子がおられる家庭では、来客があるとその子を押し入れへ隠したり…という話を聞く。江戸時代(と、いっても長期間なのでファジイな言い方になってしまうが)なら、「引きこもりの子」がいるというのは、「恥とおもわれた」でしょうから、座敷牢へ入れたでしょう。
 その昔は、引きこもりが外へ出ることはなかった。現在は、引きこもりの約70%が、「外出している」・・・これが大きな違いです。(外出できるのに引きこもりとはこれいかに?)

 「重度の精神障害を除けば、教育で引きこもりの増加に歯止めをかけることが出来る」このように考えます。
 どんな教育か…「刷り込み」です。イスラムの教えをまねたわけではありませんが、「学校は、何が何でも行かなければならないところ」ということを刷り込む。

 一桁の足し算が出来ない子が、九九は完璧に言える。このようなことは、それほど珍しくない。「4+7=?」と、問うと「47」と、答える子に、「8×8=?」と問うと、「(ハッパ)ロクジュウシ」と答えてくれます。これは、凄いことです。え?「意味も理解させずに、ハッパロクジュウシと言わせるのは人権蹂躙」だって?オイオイ、どこかの教職員団体のようなことを言わないでください。

 ただ、実を言うと、そういう言葉を待ってました。「学校へ行く意味、社会へ出る意味が分かったら、引きこもりなどやってられないでしょう!」
 「学校へは行かなければならないと思っていても行けない。そのことを分かってあげるのが、その子を取り巻く大人達の役目でしょう」…このようなセリフを何度聞いたことか。耳障りの良い、美しいセリフ。その子を生涯面倒見るのであれば、美しい。いかんせん、その子を取り巻く大人達はその子より先に死ぬ。結局、無責任過ぎます。「その子」ですが、周囲の大人が死んだ後、どうやって生きていくの?
 
 「ハッパロクジュウシ」ですよ。意味も、意義も関係なく、「学校は行くところ」。「おぎゃあ!」と生まれたその日から、刷り込み開始。これで、360万人という数は、激減する。「刷り込み基本法」も制定しなければなりませんねえ。
 刷り込まれた役者さんに、「八波むと志(はっぱむとし)さん」がおられました…知らない?