アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

おやき…いつの日か食べます!

2020年03月20日 | Weblog
 天敵である甘いものの話しが続いてしまいましたが…ドラッグストアでも食品を扱っております。特に冷凍食品はたっぷり面積をとっています。近所のドラッグストア、行く度に気になっている冷凍食品があります。それは、「80g10個で930円の(冷凍の)おやき」。親機じゃありません。親機は食べられません、硬いので。
 おやき、大福餅、まんじゅう、団子…大好き。ただ、血糖値を心配しなければならない身ですから、それらを表面上は天敵扱いにしています…内心は、「今にみてろ、そのうち、きっと食べてやる」と、決意しています。

 「コトノハ図鑑」なるテレビ番組(MBS)で驚きました。全国、津々浦々、「おやき」で通用すると思っていましたが、「おやき」は、共通語ではないのだそう。井の中の蛙大海を知らず…でした。
 日本全国で一番多い呼び名は「大判焼き」これは、271地点でそう呼ばれているんだと。二番目に多いのは、「今川焼き」で、209地点。三番目が、「回転焼き」で、83地点なのだと。誰が調べたかって?方言学研究家で徳島大学の教授さんが、6年がかりで3,000地点で調査したのだそう。この教授さん、少なくても3,000個以上のおやきを食べたのでしょうねえ!うらやましい!

 「おやき」は、日本全国で200以上の呼び名があるんだと!「おやき」の発祥は関西で、関西だけでも40以上の呼び名があるという。おやき、恐るべし!それにしても、「回転焼き」にはおどろきましたよ。「おやき」を焼くおじさんが、焼きながらバク転したり、前転したり…それで、回転焼き?実際は、「おやきの型自体が回っている」「下のほうが焼けたら、回転させて上下を入れ替える」…回転させるから回転焼きというのが由来のよう。

 で、「○○焼き」という、「焼き」がつくネーミングばかりとは限らない。
 兵庫県姫路市のおやきは、「御座候」。全国にチェーン展開していますので、聞いたことがある名称。どうしてこの名がつけられたかって?私の考察によりますと、
 太平記の「冥途までも御供申させ給ひたらんこそ、生々世々の忠孝にて御座候」から持ってきたんじゃないかな。勝手な想像ですがね。冥途まで持っていきたいほど旨いもので御座候…間違いないっ!
 滋賀県長浜では「暫(しばらく)」という名。おやきが、「暫」!これは、歌舞伎十八番からの命名でしょう。
 歌舞伎十八番のどんな内容かって?「罪のない善男善女が悪人に捕らえられ、まさに皆殺しにされようとする危機一髪の時に、『しばらく~』と大声をかけて現れた主人公が、超人的な力を発揮して救う…」勧善懲悪のお話ですね。その話しとおやきの関係ですか?ウ~ン、暫く待ってください…。「暫くぅ~」と言って、悪人の皆さんにおやきを配って退散していただいた…この考え、支持して下さる人が多いんじゃないかなぁ。

 広島県は「二重焼き」という名前なんだと。別々に焼いた二つの生地を重ねて作るから。作業工程からのネーミング。
「えびす焼き」という所も。「エビスヤ 小松商店(西宮えびす神社 門前町)」で売っているのでこの名が付いた。お店の名前からのネーミング。
「七越(ななこし)焼き」も、富山に七越という店があるのでこの名前。

「自慢焼き(信州上田)」、これ食べたいですね。「自慢」がいい!「甘太郎(茨城)」これは普遍的かと。土浦の「どてきん」。どんな漢字を当てるのか?「土手金」かなあ。秋田県、山形県は「あじまん」と、呼ぶらしい。無理に漢字表記を考えると、「味饅」でしょうか。「あっ、自慢」ではないよね。
 京都では、「ロンドン焼き」と呼ばれているんだそうで。カステラの中に白餡が入ってて、和洋折衷な「ハイカラ」なお菓子だから、ロンドン。パリじゃダメだったらしい。
 どこかは不明ですが、「スミス焼き」と呼ぶ所もあるそうで…。スミスさんというパイロットがいて、飛行機で空中回転をするのが得意。つまり、「スミスさんの空中回転→回転焼き→スミス焼き」って事らしい。200以上もあるおやきの呼び名、全てにそれなりの由来がある。いちいち吟味するとおもしろそうですが…切りがありません。

 私がドラッグストアへ行く度、目が合う「80g10個で930円の(冷凍の)おやき」。この3か月ほど、微動だにしない。つまり、買う人がいない。
 そのうち、きっと買ってあげるから、待ってろよぉーっ!