アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

図鑑には載っていないマムシの話

2008年08月25日 | Weblog
   図鑑には載っていないマムシの話

 マムシのことなんですが…なぜ今、マムシなんだって?温暖化で動植物の北限が変化しています。北限が、北海道南部の渡島半島である毒蛇のマムシが、稚内まで分布してしまうのでは…つまりマムシが日本全国を支配ということもあるのかな、と心配になってきたものですから…言い訳しなくてもいいわけですが…

 マムシは、色と大きさに戦慄を覚えますね。図鑑では、銭形紋のものしか載せていないと思います。私がそれだけしか見たことがないだけかもしれませんが。
 実は、マムシのデザインは、銭形紋はもちろんですが、様々な模様があるのです。色も黒を基調としたのが多く、模様への着色は、パステルの原色という派手さです。
○ 真っ黒の背に黄色の虎の背の模様のようなのを付けたもの
○ 直径2~3センチメートルの灰色の水玉模様を付けたもの
○ 黒地に、パステルブルーの模様入り
 などなど・・・その色彩とデザインの毒々しさだけでも、声が出ないほど怖い。図鑑をつくる学者さん達は、知らないのではないかとちょっと心配です。体長も60センチを超えそうなものもいるし、太さも、直径5センチメートル前後と超極太のものもいます。
 蝮はこちらが近づかない限り攻撃してくることはありません。つがいでいるらしく、一匹捕獲した場所で、翌日また捕獲するケースが多いです。そのようなとき、決まって一匹は銭形紋で、もう一匹は黒が基調の様々な色・模様。どうやら、銭形紋マムシと黒基調系マムシは、雌雄の違いではないかと思われます。どうして、図鑑にないマムシを知ってるんだって?山の中の40世帯ほどの集落に住んでいたことがあるのですが、そこがマムシの宝庫だったのです。
 マムシの種類は、百四十種にも及ぶので、いろいろな色の蝮がいても不思議はないと判断しております。
 黒いのは、「カラスヘビ」ではないかと言う人もいました。還暦パパ説ですが、カラスヘビは、シマヘビの変異、黒い線が色素の関係で体全体に広がったものと考えています。なぜそう考えたか?顔も、うろこも体型もそっくりなのです。アオダイショウも仲間だと思います。
 「カラスヘビは飛ぶ」と、真顔で言う人がいるんですよ。フライイングスネークという蛇がいます。その蛇は、木から木へ飛び移るのですが、飛び移るというよりは、「落ちていく」という感じです。
 空を見上げて、「あー!スズメを、カラスヘビが追っている」なんてのがあっても楽しいですが。私はこの60年間、空を飛ぶヘビを見たことはありません。
 マムシですら、攻撃のために飛びかかる距離は、せいぜい30cmです。ハブの射程距離は、60cm。この数字から考えると、マムシより、ハブが優秀のようです。しかし、単純に射程距離の長さで優劣をつけるのは早計というもの。マムシの肩を持つ訳ではないけど、マムシは360度攻撃できるのです、ハブは視覚に入るものしか攻撃できない。マムシは、目と鼻の間の両側に、「ピット」と呼ばれるくぼみをもっています。このピットが高感度の放射熱感知器で、暗闇でも、真後ろでも、熱を関知することができるんです。ハブにはピットはないのです。

マムシは、巣穴からあまり遠出をしません。発見場所から半径5m以内に巣穴があると判断してよいです。動きも、実に緩やか。ですから、いくら温暖化でも、マムシが北上して北海道中を制圧するということはありません。

 私は、マムシを発見すると、必ず殺すことにしています。なぜなら、見逃して誰かが犠牲になっては大変だから。メスのマムシの腹を割くと十匹前後の子が入っていることがあります。と、いうことは、一匹発見すると、近くにその十倍のマムシが住んで居ると考えてよいことになります。時には、「マムシ玉」といって、マムシが20匹ほど団子状態に絡み合っていることもあります。
 「青大将は殺さない」という主義の方もおられる。理由は、ネズミを捕食するし、人を見たら逃げて行くので殺すまでもないと…。私は、青大将もなるべくやっつけるようにしています。なぜなら、間違って踏んづけたりすると、噛むから。いくら毒がないとはいえ、青大将の牙自体が不潔である。ばい菌だらけの注射器で注射されたくないもんで・・・。

 関西では、マムシというと、うなぎを指すことがあります。ニョロニョロしているから、ではなく「うな重」など、御飯に載せて蒸します。御飯は、「マンマ」そのマンマを蒸す、「マンマ蒸し」。「マンマムシ→マンムシ→マムシ」これホント!


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