アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

テロ対策がいい加減なのがロシア流?

2012年11月09日 | Weblog
 第二次チェチェン紛争は終結したとはいえ、テロの可能性は残されている。「チェチェン」を名乗るテログループが犯行を予告しているから。
 そういうこともあって、「テロ対策」は厳しく行っている。とりわけ、空港でのチェックはなかなかのもの。

 私は初めての体験でしたが…、搭乗前の身体検査では、「万歳の姿勢をとらされて、360度透視」される。巨大な茶筒のような物の中に入れられて、茶筒が一回転する仕組み。それだけでは飽きたらず、念入りにボディチェック。恥ずかしかったのは、下着の下に、首から提げたパスポート入れの袋を隠し持っていたのですが…、「これは何だ?」と問われたとき。だって、警察みたいな服装のオヤジが、人前で私のシャツをめくりあげるんだもの…。不特定多数の大衆に、四段腹を見られてしまいました。
 この袋…私自身は、「秘密のポケット」のつもりだったのですが、出入国管理官には、「怪しい、隠しポケット」だったよう。「オレ様の目は節穴じゃないぞ」と、得意満面でした。(真相は、このオヤジのお手柄ではなく、私のパスポート袋に入れておいた数枚のクレジットカードが、360度透視のときに反応していた)

 日本には、「爪で拾って箕(み)でこぼす」という故事があります。ロシアにもありました。必要以上に念入りにボディチェックをして、飛行機に乗せる…。これは、「爪で拾って」の部分です。
 と、と、ところがぁーっ!手荷物の「水」が素通りしてしまうのです。手荷物は、例の小さなトンネルの中を通して透視して、「人の目」で検査しています。この検査係が、おしゃべりに夢中で水を見逃すのです。つまり、運悪く、水を没収される旅客もおりましたがね。テロリストが、危ない液体を手荷物に入れた場合どうなりますか?まんまと通過してしまい、飛行機は空中で爆破されてしまいますよ!これが、「箕(み)でこぼす」です。
 私は、機内持ち込み手荷物に500ミリリットルの水を3本入れていたのですが全く気づかれませんでした。検査の女性がおしゃべりしてよそ見していたのを観ておりましたから、大丈夫という確信がありましたけどね。

 さらに愉快というか不愉快というか恐ろしいというか…
 出国審査の時、若い女性ペアが、自分たちがパスポートを取り違えていることに気づかず、出国審査へ。と、ところが、「全く、なんのこともなく、無事通過!」これはどうゆうこと?
 機械的な作業であって、「出国審査」などという仰々しいものではないということでしょう。これも、古き良きソ連時代の名残なのでしょう。まじめに仕事しても、給料がよくなることはないから、パスポートの写真と、目の前の人物が別人であるかもしれないなどということは気にしない。テロリストだったらどうなってしまったんだーぁっ!

運転手は肥満の女性に限る?

2012年11月08日 | Weblog
 ロシアで驚くことの一つに、「電車、トロリーバスの運転手は、女性」ということです。もちろん100%女性ではありませんが、90%は女性。しかも…40~50歳代で一様に肥満。
 採用の条件に、「女性であることが望ましい」「肥満名人に限る」…それはないでしょうけどね。

 なぜ、「電車、トロリーバスに限って女性の運転手なのか?」。これは、自説ですが、電車やトロリーバスの場合、レールがあったり、軌道から外れられない。つまり、運転が容易であり、渋滞のときの動きについても技術を要しない(早い話が流れについていけばよい)。肥満の中年女性には申し訳ないが、「運転が下手でも出来る仕事」ということでしょう。

 モスクワの冬は、積雪1メートル。気温は、-30~-35℃。道路はもちろん、圧雪・アイスバーンになるのだそう。
 そこで、私に一つの疑問が。冬季の自動車のタイヤはどうなっているか?

 日本の場合、圧雪・アイスバーンの道は、「スタッドレスタイヤ」と、相場が決まっています。と、いうか、道路交通法の規定があります。
 交通ルール後進国のロシアなら、法律を作ったところで守る奴はいない。冬期間のタイヤについてはかなり気になりました。

 回答は…
 「チェーン装着、ノーマルタイヤ、スパイクタイヤ、スタッドレスタイヤ どれでもOK」ということでした。案の定。
 バスの運転手は、「オラは、ノーマルタイヤだよ。年中ノーマルだ。取り替えるのが面倒だから。スリップしないのかって?アイスバーンだもの滑らないはずがないだろう!バカな質問するもんでねえ。事故?それは秘密。でも、こうして生きてる。この冬も今のタイヤのままだ」
 さすが、交通ルール、交通マナー後進国の面目躍如です。

 女性のバス運転手はいないのかって?ロシア中を調査したわけではありませんが、ついぞ見かけませんでしたね。バスをはじめ、自動車の運転は、電車やトロリーバスのようにはいきませんから。

「エネルギー無駄遣いして何が悪い」 …じ、字余り

2012年11月07日 | Weblog
 ロシアは、「電気は無駄遣いすべきもの」という印象でしたね。「節電」などと言うと、叱られるんじゃないか?!

 ホテルの部屋へ入ると、暖房がガンガン入っている。そこまでは、まあいい。で、暑すぎるから調整しているつもりか、窓が開けられている…!暖房を入れておきながら、窓を開けて冷気を入れる?ホテルでよくあるように、人が飛び出さないように20センチメートルほどしか開かない窓ですがね。

 日本人の性で、窓を閉めて暖房の調整器で設定温度を下げましたよ…。しかし、暑い。やむなく、窓を開ける・・・。夜の外気温は摂氏零度前後。就寝中も、窓は開けたまま。後ろめたいが、体調を崩さないためにはこうするほかない。これほど、電力というかエネルギーが過剰なほど潤沢。「ロシアやるなあ!」と、正直思いましたよ。

 ホテルのバスルーム…金属のパイプのタオル掛けがありますが…これが熱い!火傷するほど熱い。贅沢ですよ。当然タオルはいつもカラカラに乾燥しています。
 このことだけでも、「エネルギーが有り余っているんだなあ」と、呆れてしまうのに、まだ呆れることが…!
 水回りの床が、床暖房なのです。つまり、水回りは水が撥ねて床が濡れる。すべって転倒するかも知れない…対策として床暖房をガンガン入れて、床が乾燥している状態を保とう…!エネルギーが潤沢だからこのようなことが出来る。今の日本では、水回りの床暖とか、タオル掛けの暖房は…国賊ですね。

マトリヨーシカは日本からロシアへ伝えられたもの

2012年11月06日 | Weblog
 ロシアで買い物をすると、レシートをくれる。当たり前のこと。ところがその時、当たり前ではないことが行われる。店員が、レシートの下の方を3センチメートルほど裂く(破る)のです。

 どうしてそのようなことをするのか?
 初めのうちは、「突如出現した東洋人の小男が、頭髪の薄さを気にせずに慣れた感じで買い物をする」…このことに対する反感からの行為かと、思いました。しかし、なんのためらいもなく裂く。100%裂く。どこの店でも裂く。…慣習か?

 理由が分かりました。ソ連時代の「配給制度のなごり」でした。配給制度がなくなってから20年も経っているのに、当時の習慣は生き続けておりました。

 配給を受け取るとき次のようにしていたというのです。
 「お金を払ってレシートをもらう→レシートと品物を交換する→(配給係が)品物を渡したという証拠にレシートの下方3センチメートルほどを裂く」
 裂いてあるレシートでは配給の品をもらえないということ。

 土産物屋…マトリョーシカが並びます。マトリョーシカの形状…こけしのような、入れ子人形のような?
セルギエフ・ポサードという町に、マトリヨーシカの博物館がありました。
 パンパカパーン!そこには、「マトリヨーシカは日本に教わった」との書き物がありました。マトリョーシカの第一号も飾られておりました。
 そして、箱根七福神の入れ子人形も展示されておりました…。日本とロシア…文化の交流が、しかも濃い交流があったとは!

 ○ 1890年代に箱根の名産品である「箱根細工の入れ子人形(こけし・だるま・七福神」が、ロシアに渡った。
 ○ 「これはおもしろい」ということで、ロシアの富豪が「マトリヨーシカ(名前の由来はロシア女性の名前、マトリョーニャから)」を、作らせた。
○ 1900年のパリ万国博覧会で、マトリヨーシカが銅メダルを受賞。
 と、まあ、このような経緯。

 一般的なマトリヨーシカには、「女性」が描かれています。近年、変わりだねのマトリヨーシカが次々と…人気ナンバーワンは、「歴代大統領」が描かれたもの。もちろん一番外側は、プーチンです。プーチンのマトリヨーシカ…?あまり買いたくない。おみやげにしても嫌がられるのがオチか。
 本田圭佑が描かれたマトリヨーシカもありました。ロシア・プレミアリーグ の、「CSKAモスクワ」の選手だから?私には、日本人向けの粗悪品に見えましたが。おそらく、中国製じゃないかな?

 美術品のマトリヨーシカもありました。作者のサイン入りで、値段のケタが一つ違う。おいそれとは手が出ない。ディナーのウオッカにはすぐに手が出るんですけどね。 なお、マトリヨーシカは、「菩提樹」で作ります。

猫を飼っている世界トップクラスの美術館

2012年11月05日 | Weblog
1枚の絵を30秒だけ鑑賞するとしても、2年かかる。それが、サンクトペテルブルクにあるロシア国立、「エルミタージュ美術館」。総延長は、25キロメートル。
 世界の美術館めぐりで、ルーブル(パリ)も、ファインアート(ボストン)も、メトロポリタン(ニューヨーク)も、ガードナー(ボストン)も…どれだけ巡ったか数えきれない。
 有名ではないが、米国マサチューセッツ州の北西端に、「ウィリアムズタウン」という田舎町があります。ここに、クラーク美術館があります。ボッティチェリ、ターナー、ゴヤ、ピサロ、シスレー、マネ、モネ、ドガ、ゴーギャンといった巨匠達の作品が充実しています。圧巻はルノワールのコレクションで、30点以上もあります。

 美術館はどこも素晴らしいです。で、エルミタージュ美術館、世界トップクラスの美術館であることは間違いありません。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ジョルジョーネ、ティツィアーノ… イタリア・ルネサンスが目の前にある。これには、身震いがしました。胴震いではなく身震いですから。
エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ、ルーベンス、ヴァン・ダイク。そして、レンブラント。

 ルノワール、セザンヌ、モネ、ゴッホ、ゴーギャン、ルソー、アンリ・マティス…いわゆる後期印象派(19世紀最後の20年間の画家たち)。素晴らしい。ただただ素晴らしい。実は、ロシア旅行の一番の目的が、エルミタージュ美術館でした。4~5年滞在して、ゆっくり鑑賞したい…そんな気持ちにさせる美術館でした。

 写真撮影にうるさいロシアにあって、エルミタージュ美術館はフラッシュを使わなければ写真撮影可(ほんの一部、不許可の場所あり)。太っ腹です。
 おもしろいのは、地下で猫を飼っているところ。何のために?もちろん、作品をネズミから守るため。「エルミタージュ美術館 猫の世話係」という職種はなく、猫好きの職員が自発的に世話しているのだとぉ。

エルミタージュ劇場で白鳥の湖を鑑賞

2012年11月04日 | Weblog
サンクト・ペレルブルクにはマリインスキーがあるのですが、キップなど入手できるはずもなく…。バレエ鑑賞は、エルミタージュ劇場にしました。
 休憩時間を含めて、2時間半。演目は、「白鳥の湖」。入場料は、19,000円。マリインスキーだって、こんな法外な入場料は取らない。「白鳥の湖」を観るために、これだけの大枚を叩いていいものか?底辺にうごめく庶民としては悩みましたよ。

 エルミタージュ劇場は、エルミタージュ美術館の並びです。棟続きだと思います。
 エカテリーナ2世が、「個人用の宮廷劇場」として建てたもの。18世紀に20年の歳月を費やして建設された(敷地は、ピョートル大帝の冬の宮殿があった場所)。

 この劇場は客席が円形状に配置され、どの席からも舞台がよく見えるようになっている。内部装飾が豪華です。床は着色された大理石。壁や柱はマーブル模様を生かした重厚な感じの大理石。ギリシャのアポロの彫像、9体の女神像…。しっかり写真を撮ってきました。
 「19,000円なら、S席だったんだろう!」という声があるかも知れません。しかし、この、18世紀にエカテリーナ2世が個人の楽しみのために作った劇場は、座席指定など無いのです。誰もが皆、好きな座席を選べる…。こんな劇場は、他に類を見ないでしょう。

 私どもが入場したときには、300席ほどの大半を中国人の団体が占めておりました。バレエ鑑賞だというのに、ドレスダウンですから困ったモンです。私も、タキシードにしなくて正解でした。タキシードだと、浮いてしまって、むしろ好奇の目に曝されたでしょうから。どんな服装で行ったかって?襟付きのシャツに上着です。家人は3番目ぐらいにいい服を着ていました。「中国人の団体が来ていて、うるさいけど服装面では良かったね」という本音を吐いていました。行く前は、皆さんイブニングドレスだったらどうしよう…という心配をしていましたから。

 座席ですが、いいところは中国人の団体さん…。そ、その時、近視であり、老眼であり、乱視である私の目が、さ、最前列に空席があるのを発見!転がるように、最前列の中央を確保!これは快挙です。ただ、なぜそこが空いていたかといいますと。オーケストラのメタボ指揮者の尻しか見ることが出来ない場所…。おまけに、バイオリンの太った女性の脇の香り…早い話が、「ワキガ」の臭いをもろに嗅ぐことに!
 19,000円払って、オヤジの尻と、オバンのワキガの攻撃を受けなければならないのか!?ホント情けなかった。
 しかし、少しでも元を取ろうと、指揮者の尻の横から顔を出して、舞台を観ましたよ。指揮者の尻との距離は、1メートル。ワキガとの距離は2.6メートル。舞台つまりバレエダンサーとの距離は、6メートル。ダンサーの息づかいまで聞こえました。

 「白鳥の湖」が生のオーケストラで始まりました。率直なところ、「よく解らん」。エルミタージュ劇場で踊るわけですから、バレエ学校の学生アルバイトではないでしょうし。

 「パ・ド・ドゥが見せ場」ということでしたが、「うーん…」でした。猫に小判ですね。「パ・ド・ドゥって味の素で出しているやつか?」って?そ、それは、「クックドゥ」。「パ・ド・ドゥ」は、バレエの用語で、男女2人のダンサーが踊ること。ちなみに、同性2人による踊りは「デュエット」。

 黒鳥が32回転するということで、初めのうちは数えていましたが…黒鳥は、頑張っていました。息を切らしたり、汗をかいたりしないところが感心。
 それにしても、ロシア人(といっても100以上の民族がある)肌の色の白さには驚かされました。白鳥たちの中に一羽、少しだけ肌に色がある白鳥がおりました。日本人と比べると、色白なのでしょうが、他のロシア人ダンサーと比べると目立つ。
 「白系ロシア人」という言葉がありますが、これは肌の色とは全く無関係。ロシア革命後、ロシア国外に脱出あるいは亡命したロシア人のこと。どうしてその人達が白系なのかって?「共産主義=赤」に対する意味での白です。

 エルミタージュ劇場…行ったから、内部のこと、座席のこと、ダンサーの肌のこと…色々解ってよかった。肝腎の白鳥の湖は…よく解りませんでしたがね。

ロシアには子どもの物売りがいない

2012年11月03日 | Weblog
 ロシアへ行って安心したことが2点あります。
 その1:子どもの物売り、物乞いがいない。事前の調査では、ストリートチルドレンが100万人いるということでしたから、そこら中にウロウロしているのかと思っていたのですが、ついぞ見かけませんでした。校外学習で、教員を先頭に並んで歩いている子ども達は何度も見かけました。先生一人が、20数名の子ども達を引率している…これって凄いかも知れません。
 その2:街がきれい(ゴミが散乱していない)。決して、民度は高いとは思わないのですが、ゴミのポイ捨てがない。タバコのポイ捨てはありましたがね。

 観光地での大人の物売りや物乞いは、世界標準並におりました。ただ、あまりしつっこくない。「そんなにあっさり諦めたら、生活していけないだろう」と。心配してしまうほど。旅行が、10月だったからよかったらしい。人権を守る仕事をしていながら、差別的な言い方で申し訳ないのですが…「寒くなったらジプシーが南下する」ということでした。つまり、10月のモスクワにはジプシーはいない。
 「ジプシーは、日本人が大好き」という話も聞きました。無防備かつお金を持っている…。
 今年の8月にサンクト・ペテルブルクであった事件は、物売りが暑さにキレたためらしい。「血の上の教会」という、聖ワシリー大聖堂に似た教会があるのですが、観光バスから日本人の団体が降りてくるやいなや、数十人の物売り集団が突進してきたという。これは恐怖です。彼らの体格は大相撲の力士並みです。それが集団で突進!日本人達は蹴散らされながらも頭を守り耐えた。彼らが去ったあとは、バッグをひったくられたり、切り裂かれたりの被害が。「サイフがない」なんてのは当たり前。
 その話を聞いたあと、私も血の上の教会へ行きました。一人二人なら、背負い投げと急所蹴りでなんとかなりますが、数十人の集団は…。拍子抜けでした。血の上の教会には、物売りが2人だけでした。しかも、弱そうでした。

 ジプシーの場合、子ども達も怖いのだそう。「ジプシーの子供たちに追いかけられ、頭をいやというほど叩かれたり、髪をつかまれ引きずられたりした上、サイフを盗まれた。人通りはあったが、誰も助けてはくれなかった」…このような話はザラです。被害者の多くは少人数で歩いていた女性。
 子ども達が集団で大人を襲撃する。「平家の禿(遊郭に住み込む童女ではなく、平家が平安京内に放ち、平氏に対する批判や、謀議の情報などを集めさせた童子。殺しもやったようです)」を思い出しましたよ。赤い服を着ているあたりも平家の禿と共通するものがあります。

 スキンヘッドは多かったです。しかし、どうやらネオナチではなかったようで、暴行されることもありませんでした。幸運だったと言えましょうか。
 ロシア名物ともいわれている、「悪徳警官」にも遭遇しませんでした。

 と、いうわけで、「治安はどうか?」と、問われると、「何の問題もなかった」と、答えるしかありませんね。夏場なら、危ないことも起こったのでしょうけど。

モスクワでプールを求めて1時間!

2012年11月01日 | Weblog
 モスクワでは、「ベストウエスタンベガコンベンションセンター(以下ベガ)」というホテルに泊まりました。ホテル情報には、「プールあり」と、明示してありまして…。
 ベガは、モスクワ五輪(1980年夏)の時の役員村として建設されたもの。五輪後、ホテルに改装されて営業している(四つ星)。同じく役員村だった建物が三棟有り、それらもホテルに改装して営業しております。合計四つのホテルが並んでいるわけで…ホテルコンプレックス。劣等感ではなく、同一敷地に、複数のホテルがあるということ。(モスクワのイズマイロフスキー公園に隣接。地下鉄駅からすぐ)

 さて、ベガのプールへ行こうと、コンシェルジュで場所を尋ねたところ…
 「はい。ベガをご利用いただいておりますので、無料で私どものプールをご利用いただけます。カードキーとパスポートをもってお出かけください。場所は、となりのアルファというホテルです」

 出かけましたよ、アルファへ。と、ところが…
 「プール?ここにはないよ。隣のベータへ行ってごらん」
 た、たらい回しかよ?しょうがないので行きましたよ、ベータへ。
 「プール?隣のガンマにあるよ!」
 また、たらい回し!なんなんだ?いくら敷地が同じでも広いんだからすでに45分経過。もう諦めたかったのですが、同行の家人が、「ここまで来たからには、プールの顔を拝まなければ!」と、やる気を失っていない。
 
 ガンマに着きました。コンシェルジュが混んでいたので、ベルボーイにプールを尋ねた…英語が通じない。「スイミングプール」ぐらい通じてくれよっつーの!家人が英語を諦め、リュックからゴーグル(プールめがね)を引っ張り出して見せた!これがズバリ通じて、「おーおーおー!」と、分かってくれた。プールの前まで案内してくれました。

 さて、プールの受付へ行ったら。受付のお姉さんは英語が少し通じました。で、「1時間1人400ルーブルです」と。
 「ベガのコンシェルジュが、カードキーとパスポートを見せたらタダだ、と、言っていたよ」
 「ベガが何を言ったか知りません。…400ルーブルです!」
 1時間も探し回ったあげくにたどり着いたプール。400ルーブルをけちって引き上げるのも…。なにしろ、元モスクワ五輪役員村だったところのプール。50メートルプールかな?それとも100メートルプールかな?
 「プ、プールを見せていただけますか?」
 「どうぞぅ。どうぞこちらへ・・・ここです」

 「・・・・・」声も出ませんでした。

 プールは…50メートルでも、100メートルでもなく…水深80センチメートルほどの、ひょうたん池のようなものでした…。「銭湯じゃないんだから!」すごすごと引き上げましたよ…。