私がオブラートに包んで、分り難くそっと書いた感想を、
ズバリ書いてくれた記事があったので、ここに載せておきます。
「日本の先発は、準優勝した昨夏のW杯メンバーが10人。そのうち8人が、5年前に世界一の座を勝ち取ってもいるが、ほとんど代わり映えしていないうえに、長くチームの大黒柱を担ってきた澤穂希さんが昨年末に引退。カナダの地で澤さんをベンチに追いやり、ボランチで奮闘した宇津木瑠美(モンペリエ)もコンディション不良で今大会には招集されていない。」
これは、多くの人が予想していたのでは?
サッカー関係者だけが気がついていないの?
それとも佐々木監督には物申せないの?
結局、実績のある人には言えないのだろう。
大会社病と一緒。
例えば監督を変えるチャンスはいくらでもあった。
・前々回のワールドカップ優勝後。
・オリンピックで2位になった後。
・カナダワールドカップで2位になった後。
・さらに言えば、アルガルベカップでいい結果が出なかった後。
いまさら言ってもしょうがないのだが。
ここを乗り切ればすごい自信にはなる。
実力はあるので、気持ち次第だと思う。
頑張れ日本!
<リオ五輪予選>豪州に見抜かれていたマンネリ化のなでしこ戦術
THE PAGE 3月1日(火)7時0分配信
アディショナルタイムを含めれば、試合時間はまだ15分近く残っていた。それでも、決して少なくない数のファンが席を立ち、吹きつける冷風に背中を丸めながら家路を急いでいく。
オーストラリア女子代表が、リードを再び2点差とする3点目を奪ったのが後半33分。その直後のキンチョウスタジアムの光景が、ピッチから感じさせる可能性がほぼ皆無だったことを物語っていた。
2月29日に大阪を舞台に幕を開けた、リオ五輪アジア最終予選。4大会連続の五輪出場を目指すなでしこジャパンが、いきなり崖っぷちに立たされた。参加6ヶ国が10日間の強行日程で総当たりのリーグ戦を行い、上位の2ヶ国だけが五輪切符を手にできる狭き門。昨夏のW杯カナダ大会準々決勝で辛勝したオーストラリアに、1対3の完敗を喫したなでしこは、まさかの5位発進を強いられた。
試合後の公式会見。ひな壇で「まさに歴史的勝利だ」と興奮冷めやらないオーストラリアのアレン・スタジッチ監督が、注目すべき言葉を残している。
「今日は日本チームのリズムを崩すことに集中した。それがすごく上手くいった」
1ヶ月ほど前から日本戦に照準を絞り、パスワークに対してプレッシャーをかけ続けるべく、入念な対策を積んできたという。日本がどのような布陣を組んでくるのかを、完璧に把握していなければできない準備と言っていい。日本の先発は、準優勝した昨夏のW杯メンバーが10人。そのうち8人が、5年前に世界一の座を勝ち取ってもいるが、ほとんど代わり映えしていないうえに、長くチームの大黒柱を担ってきた澤穂希さんが昨年末に引退。カナダの地で澤さんをベンチに追いやり、ボランチで奮闘した宇津木瑠美(モンペリエ)もコンディション不良で今大会には招集されていない。
3点目を失う直前のシーン。パスを受けたボランチの宮間あや(岡山湯郷Belle)が相手の執拗なプレッシャーにさらされた。前を向くことができないばかりか、挙げ句はボールを失ってカウンターを招く。
両足から放たれる正確無比なキックを武器に、プレッシャーのない状況では宮間は無類のテクニックを発揮する。その際の主戦場は、背後からは敵が襲ってこない左タッチライン際がメインだった。
だが、ボランチのポジションに入ったときは、常に相手の標的となるがゆえになかなか上手く機能しない。そのリスクを承知で佐々木則夫監督が「ボランチ・宮間」を選択することは、敵将に見抜かれていた。
1点ビハインドで迎えた前半40分には、FW大野忍(INAC神戸レオネッサ)に代えて、フィールドプレーヤーでは最年少となる、22歳のFW横山久美(AC長野パルセイロ・レディース)を投入した。
リードされているとはいえ、前半に貴重な交代カードを切る理由は、故障を含めた選手のコンディション不良か、あるいは突然の戦術変更のどちらかだ。今回は後者だった。佐々木監督が言う。
「大野は全体的に守備のバランスを取れる選手であり、現実的に相手ゴールを割る確率から言うと、横山や岩渕の決定力のほうが高いと感じている」
短期決戦を方向づけるうえでも大きなウエートを占める初戦。一発の可能性を秘めた横山や22歳のFW岩渕真奈(バイエルン・ミュンヘン)よりも、計算のできる32歳のベテラン大野を先発で使うことを選択した。
確かに一理あるし、大野も守備面で奮闘していた。しかし、試合状況に応じたプランを、果たしてチーム全体で共有していたのだろうか。閉塞状況の打開を託された横山は、試合後にこんな言葉を漏らしている。
「ピッチに入る時間がちょっと早すぎて心の準備もできていなかったし、何もできなかったという思いがある。ダメでしたね。シュートを打っていないので」
岩渕を投入したのは、さらに遅い後半39分。同時に川村優理(ベガルタ仙台レディース)をボランチに投入し、宮間を2列目の左へ移したが、状況は変わることなく試合終了を迎えた。
銀メダルを獲得した4年前のロンドン五輪以降、佐々木監督は数多くの若手や中堅を招集してきた。目的は世代交代。新戦力の台頭がチーム内に競争意識と危機感をもたらし、結果として全体の力を引きあげる。
もっとも、描かれていた青写真が現実のものとなることはなかった。佐々木監督の要求が高すぎた部分もあるし、それだけ世界一メンバーのレベルが高かったことの証でもある。
活動時間が著しく限られる代表チームでは酷な注文かもしれないが、ほぼ同じメンバーで勝ち続けられるほど勝負の世界は甘くない。ましてや、なでしこは世界だけでなく、アジアのライバルからも標的にされる。
指揮官がある程度のリスクを背負わなければ、世代交代は進まない。結果として、ほぼ同じ顔触れで固定されたチーム内にはどうしても中途半端な空気が漂う。
前半アディショナルタイムに1点を返したFW大儀見優季(フランクフルト)は、前半の途中までは前線で孤立感を覚えていたと、試合後の取材エリアで打ち明けている。
「ボール保持者に対するサポートが遅く、ボールを奪われている場面が何回かあった。自分のところにも、もうちょっと早くサポートにきてほしいというのはあった。こういう緊張感のあるゲームだからこそ、もっとリスクを冒して、ボール保持者を追い越して、前に人数をかけていかないとゴールは生まれづらい。そこはチームとして取り組んでいかないといけない」
人とボールが連動して動きながら、全員が数手先までのイメージを共有しなければ、フィジカルで劣る日本が長年にわたって積み上げてきたスタイルは機能不全に陥ってしまう。
短期決戦の初戦。相手は高さとフィジカルの強さを前面に押し出してくる難敵。ホームが舞台だからこそ逆に負けられない。ナーバスになる条件がそろっているからこそ、プレッシャーをはねのけ、仲間を背中で鼓舞する存在が必要だった。
澤さんの象徴だった背番号「10」を継承した大儀見は、最前線で体を張ることがメインの仕事になる。引き続きキャプテンを務める宮間は、ピッチ内外における精神的支柱と代表では不得手としてきたボランチを含めて、現時点ですでに背負うべき役割が多すぎる。
現役時代に「苦しいときは私の背中を見て」なる名言を残し、ベンチでスタンバイしているだけでも影響力を与えた澤さんの存在が、あまりに大きかったがゆえの弊害なのか。
「負けたことを引きずらないことが一番大事。もう4連勝するしか道がないので、自分たちがやってきたことを信じていく。やってきたことが間違っていたから負けたわけではないと、思っているので」
中1日で迎える3月2日の韓国戦へ、宮間は努めて前を向いた。下を向いている時間はないが、初戦で喫した完敗の原因が佐々木監督の安定性重視のチーム作りと、澤さんの不在に起因しているとしたら。短時間で状況を立て直すのは難しいかもしれない。
ズバリ書いてくれた記事があったので、ここに載せておきます。
「日本の先発は、準優勝した昨夏のW杯メンバーが10人。そのうち8人が、5年前に世界一の座を勝ち取ってもいるが、ほとんど代わり映えしていないうえに、長くチームの大黒柱を担ってきた澤穂希さんが昨年末に引退。カナダの地で澤さんをベンチに追いやり、ボランチで奮闘した宇津木瑠美(モンペリエ)もコンディション不良で今大会には招集されていない。」
これは、多くの人が予想していたのでは?
サッカー関係者だけが気がついていないの?
それとも佐々木監督には物申せないの?
結局、実績のある人には言えないのだろう。
大会社病と一緒。
例えば監督を変えるチャンスはいくらでもあった。
・前々回のワールドカップ優勝後。
・オリンピックで2位になった後。
・カナダワールドカップで2位になった後。
・さらに言えば、アルガルベカップでいい結果が出なかった後。
いまさら言ってもしょうがないのだが。
ここを乗り切ればすごい自信にはなる。
実力はあるので、気持ち次第だと思う。
頑張れ日本!
<リオ五輪予選>豪州に見抜かれていたマンネリ化のなでしこ戦術
THE PAGE 3月1日(火)7時0分配信
アディショナルタイムを含めれば、試合時間はまだ15分近く残っていた。それでも、決して少なくない数のファンが席を立ち、吹きつける冷風に背中を丸めながら家路を急いでいく。
オーストラリア女子代表が、リードを再び2点差とする3点目を奪ったのが後半33分。その直後のキンチョウスタジアムの光景が、ピッチから感じさせる可能性がほぼ皆無だったことを物語っていた。
2月29日に大阪を舞台に幕を開けた、リオ五輪アジア最終予選。4大会連続の五輪出場を目指すなでしこジャパンが、いきなり崖っぷちに立たされた。参加6ヶ国が10日間の強行日程で総当たりのリーグ戦を行い、上位の2ヶ国だけが五輪切符を手にできる狭き門。昨夏のW杯カナダ大会準々決勝で辛勝したオーストラリアに、1対3の完敗を喫したなでしこは、まさかの5位発進を強いられた。
試合後の公式会見。ひな壇で「まさに歴史的勝利だ」と興奮冷めやらないオーストラリアのアレン・スタジッチ監督が、注目すべき言葉を残している。
「今日は日本チームのリズムを崩すことに集中した。それがすごく上手くいった」
1ヶ月ほど前から日本戦に照準を絞り、パスワークに対してプレッシャーをかけ続けるべく、入念な対策を積んできたという。日本がどのような布陣を組んでくるのかを、完璧に把握していなければできない準備と言っていい。日本の先発は、準優勝した昨夏のW杯メンバーが10人。そのうち8人が、5年前に世界一の座を勝ち取ってもいるが、ほとんど代わり映えしていないうえに、長くチームの大黒柱を担ってきた澤穂希さんが昨年末に引退。カナダの地で澤さんをベンチに追いやり、ボランチで奮闘した宇津木瑠美(モンペリエ)もコンディション不良で今大会には招集されていない。
3点目を失う直前のシーン。パスを受けたボランチの宮間あや(岡山湯郷Belle)が相手の執拗なプレッシャーにさらされた。前を向くことができないばかりか、挙げ句はボールを失ってカウンターを招く。
両足から放たれる正確無比なキックを武器に、プレッシャーのない状況では宮間は無類のテクニックを発揮する。その際の主戦場は、背後からは敵が襲ってこない左タッチライン際がメインだった。
だが、ボランチのポジションに入ったときは、常に相手の標的となるがゆえになかなか上手く機能しない。そのリスクを承知で佐々木則夫監督が「ボランチ・宮間」を選択することは、敵将に見抜かれていた。
1点ビハインドで迎えた前半40分には、FW大野忍(INAC神戸レオネッサ)に代えて、フィールドプレーヤーでは最年少となる、22歳のFW横山久美(AC長野パルセイロ・レディース)を投入した。
リードされているとはいえ、前半に貴重な交代カードを切る理由は、故障を含めた選手のコンディション不良か、あるいは突然の戦術変更のどちらかだ。今回は後者だった。佐々木監督が言う。
「大野は全体的に守備のバランスを取れる選手であり、現実的に相手ゴールを割る確率から言うと、横山や岩渕の決定力のほうが高いと感じている」
短期決戦を方向づけるうえでも大きなウエートを占める初戦。一発の可能性を秘めた横山や22歳のFW岩渕真奈(バイエルン・ミュンヘン)よりも、計算のできる32歳のベテラン大野を先発で使うことを選択した。
確かに一理あるし、大野も守備面で奮闘していた。しかし、試合状況に応じたプランを、果たしてチーム全体で共有していたのだろうか。閉塞状況の打開を託された横山は、試合後にこんな言葉を漏らしている。
「ピッチに入る時間がちょっと早すぎて心の準備もできていなかったし、何もできなかったという思いがある。ダメでしたね。シュートを打っていないので」
岩渕を投入したのは、さらに遅い後半39分。同時に川村優理(ベガルタ仙台レディース)をボランチに投入し、宮間を2列目の左へ移したが、状況は変わることなく試合終了を迎えた。
銀メダルを獲得した4年前のロンドン五輪以降、佐々木監督は数多くの若手や中堅を招集してきた。目的は世代交代。新戦力の台頭がチーム内に競争意識と危機感をもたらし、結果として全体の力を引きあげる。
もっとも、描かれていた青写真が現実のものとなることはなかった。佐々木監督の要求が高すぎた部分もあるし、それだけ世界一メンバーのレベルが高かったことの証でもある。
活動時間が著しく限られる代表チームでは酷な注文かもしれないが、ほぼ同じメンバーで勝ち続けられるほど勝負の世界は甘くない。ましてや、なでしこは世界だけでなく、アジアのライバルからも標的にされる。
指揮官がある程度のリスクを背負わなければ、世代交代は進まない。結果として、ほぼ同じ顔触れで固定されたチーム内にはどうしても中途半端な空気が漂う。
前半アディショナルタイムに1点を返したFW大儀見優季(フランクフルト)は、前半の途中までは前線で孤立感を覚えていたと、試合後の取材エリアで打ち明けている。
「ボール保持者に対するサポートが遅く、ボールを奪われている場面が何回かあった。自分のところにも、もうちょっと早くサポートにきてほしいというのはあった。こういう緊張感のあるゲームだからこそ、もっとリスクを冒して、ボール保持者を追い越して、前に人数をかけていかないとゴールは生まれづらい。そこはチームとして取り組んでいかないといけない」
人とボールが連動して動きながら、全員が数手先までのイメージを共有しなければ、フィジカルで劣る日本が長年にわたって積み上げてきたスタイルは機能不全に陥ってしまう。
短期決戦の初戦。相手は高さとフィジカルの強さを前面に押し出してくる難敵。ホームが舞台だからこそ逆に負けられない。ナーバスになる条件がそろっているからこそ、プレッシャーをはねのけ、仲間を背中で鼓舞する存在が必要だった。
澤さんの象徴だった背番号「10」を継承した大儀見は、最前線で体を張ることがメインの仕事になる。引き続きキャプテンを務める宮間は、ピッチ内外における精神的支柱と代表では不得手としてきたボランチを含めて、現時点ですでに背負うべき役割が多すぎる。
現役時代に「苦しいときは私の背中を見て」なる名言を残し、ベンチでスタンバイしているだけでも影響力を与えた澤さんの存在が、あまりに大きかったがゆえの弊害なのか。
「負けたことを引きずらないことが一番大事。もう4連勝するしか道がないので、自分たちがやってきたことを信じていく。やってきたことが間違っていたから負けたわけではないと、思っているので」
中1日で迎える3月2日の韓国戦へ、宮間は努めて前を向いた。下を向いている時間はないが、初戦で喫した完敗の原因が佐々木監督の安定性重視のチーム作りと、澤さんの不在に起因しているとしたら。短時間で状況を立て直すのは難しいかもしれない。