さて、昔の話であり、
資料もなかなか手に入らず、
記憶だけで話をするので、
記憶違いで間違った部分があるかもしれないが、
フィクションと思って読んでください。
私の中ではノンフィクションの話ですが。
ある選手のお話。
A選手。この選手は世界ランク4位荷までなった選手。
当時、絶好調であったが、
それまで世界ランク1位のB選手にどうしても勝てなかった。
いい試合はできるのに勝てず、
永久に勝てないかと周りも思い始めていた。
そしてある試合で、A選手は手応えを感じた。
その試合は残念ながら負けてしまったが、
次の試合(来週)ではこうすれば勝てるという
きっかけのようなものを感じたそうだった。
そして試合の前日、
調整練習で実は怪我をしてしまう。
足だったと記憶しているが違うかもしれないが・・・・
あの選手に今度こそ勝てるかもしれない。
いや勝てる!
そう信じて、さあ、がんばるぞ!と意気込んでいた中の怪我。
悔しくて悲しくて眠れなっただろう。
そしてほとんど眠れずに当日を迎え、
混乱でごちゃごちゃの頭ではあった。
試合前にテーピングをして何とか試合だけは行わなければ・・・・
でもテーピングがどうしてもしっくりしない。
怪我さえしなければあの選手にも勝てるのに!
いや、勝てたのに!
後悔の渦が頭を支配して、テーピングもままならない。
自分にあたり、テープにあたり、
ぐずぐずしているうちに、
試合前の練習時間も終わってしまい、
いきなり試合の時間となってしまった。
自分が不調でも、練習していなくても、
試合時間が来れば試合が始まるのがスポーツの世界。
こんなぐちゃぐちゃの状態でいい結果が出るはずもなく、
試合開始後たちまち5ゲームを失い0-5となってしまう。
ここで法度われに返ったA選手。
起きてしまったこと(怪我)悔やんでもしょうがない。
こうなったら、今できる精一杯のプレーをしようと
気持ちが切り替わる。
もちろん対戦相手のB選手は勝っているとはいえ、
いつも接戦になるA選手が怪我をして、
しかも5-0とリードしてきっと気も緩んだのだろう。
ここからA選手の反撃が始まる。
1ゲーム返し、また1ゲーム。
結局7ゲーム連取して7-5でこのセットを取ってしまう。
もちろんB選手もこのままで終わるはずもなく、
次のセットは3-6でB選手が取る。
そして最終セット。
一進一退でお互い譲らず、
5-5、6-6、・・・・
そして最終的には12-10でA選手が勝つこととなる。
おそらくA選手の頭の中は、
最初は怪我さえしなければとか、
自分はなんてついていないのだろうとか、
テニス以外の余分なことが頭の中を占めていたことと思う。
しかし途中から、今の自分にできることを精一杯がんばろう。
単純にテニスを楽しもう!
結果は後からついてくるもの。
無心、無我の境地?
そういう状況だったのだろうと思う。
もちろん付け焼刃ではない、
日ごろの精進があるから、
怪我をしても実力を出し切れるのだろうが・・・・
このエピソードから何を感じるのか?
あえて私の感想は書かないが。
中体連では本当の実力を出してほしいものである。