等々力の開幕戦は「にわかさポーター」の僕にとって2度目のアウェイ観戦でした。1度目は昨年9月の大宮戦。これは「そうだアウェイに行こう」にも少し書かせてもらいました。アウェイ独特のムード、しかも「アウェイで勝つ」という禁断の実を1回目で食べてしまった僕ら夫婦は、今回の等々力で「人生ってそんなに甘くない」ってことを思い知らされたわけです。
今回僕らは「新潟交通くれよん」のバスツアーで参加したわけですが、お昼過ぎに等々力に着いた頃にはもはや13番ゲート付近はオレンジ色に身をまとった新潟サポが長蛇の列でした。開幕戦だし「一層ではじけたい」って気持ちもあったのですが、もはや満席で仕方なく2階席へ。2階席の前から7列目あたりに陣取っての観戦となりました。ちなみに今日の画像は一層の皆さんを後ろから撮影(ハーフタイムに)
さて、話が横にそれます。
何度も書きますが、僕ら夫婦は「典型的なにわかさポーター」です。サッカーが特別好きだったわけでもなく、オフサイドのルールすらよく知らなかった「ど素人」です。強いて言うなら「サッカーが好きだったわけではない」のですが「アルビレックスが好き」になり「サッカーにも夢中になった」ってとこでしょうか。そんなレベルですので、「N席」というのは「特別な場所=(聖地)」みたいなイメージがあって、初めてゴール裏に行ったのはビッグスワンに通い始めてから1年以上たってからのことでした。「立ちっぱなし」「跳ねっぱなし」「歌いっぱなし」この覚悟を決めてN席に行ったのであります。始めてオレンジの長い布(アレ正式にはなんて言うんですか?誰か教えてください。)を手にして応援したときには、ちょっと誇らしい気分になったものです。
今シーズン、シーズンパスを買うことに決めたときも、どこの席を買うか迷いました。結局「Nシーズンパス」を買ったのですが、「一層に行けるときには一層で目一杯応援しよう」「飛び跳ねるガッツのないときは二層に行こう」と夫婦で決めていました。
サポーターもそれぞれに考え方があって当然だと思いますし、すべてのサポーターの価値観をまとめることなど不可能です。ただ、ある一定のレベルで、自分の生き方と全体の在り方に妥協点を見つけ、そこで自分が納得できれば「Nの住人」になればいいし、納得できなければ「そこから去る」ということでいいのだと思います。ゴール裏というのはそういうところだと思っていました。
話を等々力に戻します。
狭い等々力競技場のゴール裏(しかもアウェイ)2階というのは、ビッグスワンのN席一層に匹敵する場所なのだと思っていたのですが、90分間の中で違和感を感じる場面が何回かありました。そのことについて今日は書きたいと思います。(なんて長い前置きでしょう。ここから始まります。)
その1「座ってくださ~い」
試合前の練習段階から、僕の席から見える範囲(2階席の前より)では3分の1くらいのサポーターが立ち上がって応援していました。もちろん僕たち夫婦も「ノッザッワー」「シッンッゴー」と声を張り上げていました。キックオフからしばらくして(この時はいい感じだったな)信じられない声が耳に入りました。僕らから少し離れたところで観戦していた40~50代くらいのご婦人からでした。「あの~見えないので座ってくださーい」そう言われた30代くらいの2~3人の集団は、顔を見合わせたあと座席に腰を下ろしました。なんか立って居づらい雰囲気が周囲に漂い、ゲームの流れが膠着していたこともあり、僕らを含む数人の立って応援していたメンバーが座りました。後ろのお姉さんが僕の肩をぽんぽんと叩きました。「ここって立って応援しちゃ行けない席なんですかね?」「いやそんなことないと思いますよ」「立ちますか?」「そうですね」そんなことをしゃべっているうちに我那覇に2点入れられちゃいました。
あのご婦人に悪気はない。ルールを知らないだけなんだ。でも、僕を含む周辺の人間はそのルールを教える自信と勇気がなかった。「等々力は狭いから2階も一層と同じだよね」っていう論理にも100%の自信はなかった。じゃぁもし、「ビッグスワンの二層で同じことが起こったらどう対処する?」って聞かれても、やっぱり自信をもっては答えられない。「ビミョー」なのであります。緩衝地帯ですから。
【ここの小さい文字は後から書き加えました】
※皆さんのコメントから、ルールを知らなかったのは僕だったということが判明しました。今回は僕らのエリアは係員からの注意というのはなかったですね。でも「無知の知」を自覚いたしました。多謝!上の部分は訂正しないで残しておきます。ご容赦を!
その2「海本へたくそ引っ込め~!」「鈴木淳、やめちまぇ~」
僕の斜め前方の50代後半の男性。とにかく口汚いヤジの連発。上記の他にも「それが給料もらってるプレーか」「ここはJ2じゃねぇぞ~そんな戦略通用するかぁ!」「新潟に帰れ!(お前が帰れと言いたい)」とにかく容赦ない味方へのヤジ。加えて怒鳴っていないときもとなりに座っているご婦人(奥さんではないらしい)に、「新潟がいかにだめか」ということを解説しているのです。「ダメだよあれじゃぁ、ほ~らまた入れられた。俺の言うとおりだ。」って具合に。
ついにその前にいた20代の若者が切れました。「さっきから聞いてりゃ何だよ。文句ばっかり言っていないで選手を応援しろよ。」「俺だって悔しいよ。だから応援するんだろうが。」彼の目は涙目でした。そんなやりとりの直後に5点目と6点目が入りました。6点目のときには50代の男性は席を立ってもういなかったけどね。ここで言いたいこと。そんな彼だって、アルビレックスのことが大好きなサポーターの一人なんだということ。表現方法や価値観は違う(間違っている)けど、彼も彼なりにアルビのことは大好きなんだ。それを批判することが僕にできるか?(してるけど
)
その3終了ホイッスル前に席を立つ人々
4点目、5点目、6点目。確かに見たくなかった光景ですよね。そして点が入るたびに「惜敗」が「完敗」になり「惨敗」になっちゃいました。だけど、ゴール裏の人間が途中で席を立っちゃいけませんよね。最期まで見届けるべきです。そして最後までボールを追う選手の力になるべきです。そういうヤツに限って座席の下にゴミが置きっぱなしなんだよね。お前ら、何様のつもり?
その4ブーイングと罵声を浴びせる人々
僕は基本的にブーイングは好きじゃないのでしないけど、「ブーイングも認知されたサッカー文化だ」ということもわかったから、これはまぁいいか。でも罵声はいただけないよね。精一杯戦って疲労困憊している選手には大きな拍手とアルビレックスコールが必要だと思います。僕らは金を払っているから選手よりえらいのか?はるばる遠くからアウェイに来ているから何を言っても許されるのか?答えはもちろん「否」だと思います。なんか噂では選手のバスにものを投げた人がいたとか。嘆かわしく、悲しく、情けないことだと思います。
その570代のおばあちゃんサポ
女房の隣の席は、お孫さんを連れた70代のご夫婦でした。新潟から新幹線で来たというそのおばあちゃんサポと、僕も女房もずいぶん応援をしながら話をさせていただきました。
「開幕戦も3回目だけどまた負けそうだわねぇ」
「去年は天気も悪くて、しかも負けちゃったのよねぇ」
「おやまぁ、今年は去年より悪いわ、オーッホッホッ」
「まぁいろいろあるわよねぇ、でも一生懸命に応援しなきゃねぇ」
「この年で孫連れてサッカーの応援に川崎まで来れるなんて幸せよねぇ」
おばあちゃん、ありがとう。おかげで心が癒されました。
その5に関しては、「違和感を感じたこと」ではなく「まったり幸せになったこと」でした。

「サポーターが増えビッグスワンがオレンジ色に染まる」ってことは、いろんな人たちが集まるってことであり、なかなか難しいものなのですよね。でも、きっと時間が解決してくれます。鈴木アルビの「人もボールも動くサッカー」が形として結果を残せる(7位以内かタイトル奪取か)ようになるころには、僕たちアルビサポも「いい感じ」になっているんじゃないかと思うのです。一休さんじゃないけれど「あわてない・あわてない」であります。
なんたって、残りの人生をずっとアルビレックスとつきあっていくんですから。

長い文章を最後までお読みいただいてありがとうございました。

今回僕らは「新潟交通くれよん」のバスツアーで参加したわけですが、お昼過ぎに等々力に着いた頃にはもはや13番ゲート付近はオレンジ色に身をまとった新潟サポが長蛇の列でした。開幕戦だし「一層ではじけたい」って気持ちもあったのですが、もはや満席で仕方なく2階席へ。2階席の前から7列目あたりに陣取っての観戦となりました。ちなみに今日の画像は一層の皆さんを後ろから撮影(ハーフタイムに)

さて、話が横にそれます。
何度も書きますが、僕ら夫婦は「典型的なにわかさポーター」です。サッカーが特別好きだったわけでもなく、オフサイドのルールすらよく知らなかった「ど素人」です。強いて言うなら「サッカーが好きだったわけではない」のですが「アルビレックスが好き」になり「サッカーにも夢中になった」ってとこでしょうか。そんなレベルですので、「N席」というのは「特別な場所=(聖地)」みたいなイメージがあって、初めてゴール裏に行ったのはビッグスワンに通い始めてから1年以上たってからのことでした。「立ちっぱなし」「跳ねっぱなし」「歌いっぱなし」この覚悟を決めてN席に行ったのであります。始めてオレンジの長い布(アレ正式にはなんて言うんですか?誰か教えてください。)を手にして応援したときには、ちょっと誇らしい気分になったものです。
今シーズン、シーズンパスを買うことに決めたときも、どこの席を買うか迷いました。結局「Nシーズンパス」を買ったのですが、「一層に行けるときには一層で目一杯応援しよう」「飛び跳ねるガッツのないときは二層に行こう」と夫婦で決めていました。
サポーターもそれぞれに考え方があって当然だと思いますし、すべてのサポーターの価値観をまとめることなど不可能です。ただ、ある一定のレベルで、自分の生き方と全体の在り方に妥協点を見つけ、そこで自分が納得できれば「Nの住人」になればいいし、納得できなければ「そこから去る」ということでいいのだと思います。ゴール裏というのはそういうところだと思っていました。
話を等々力に戻します。
狭い等々力競技場のゴール裏(しかもアウェイ)2階というのは、ビッグスワンのN席一層に匹敵する場所なのだと思っていたのですが、90分間の中で違和感を感じる場面が何回かありました。そのことについて今日は書きたいと思います。(なんて長い前置きでしょう。ここから始まります。)

試合前の練習段階から、僕の席から見える範囲(2階席の前より)では3分の1くらいのサポーターが立ち上がって応援していました。もちろん僕たち夫婦も「ノッザッワー」「シッンッゴー」と声を張り上げていました。キックオフからしばらくして(この時はいい感じだったな)信じられない声が耳に入りました。僕らから少し離れたところで観戦していた40~50代くらいのご婦人からでした。「あの~見えないので座ってくださーい」そう言われた30代くらいの2~3人の集団は、顔を見合わせたあと座席に腰を下ろしました。なんか立って居づらい雰囲気が周囲に漂い、ゲームの流れが膠着していたこともあり、僕らを含む数人の立って応援していたメンバーが座りました。後ろのお姉さんが僕の肩をぽんぽんと叩きました。「ここって立って応援しちゃ行けない席なんですかね?」「いやそんなことないと思いますよ」「立ちますか?」「そうですね」そんなことをしゃべっているうちに我那覇に2点入れられちゃいました。
あのご婦人に悪気はない。ルールを知らないだけなんだ。でも、僕を含む周辺の人間はそのルールを教える自信と勇気がなかった。「等々力は狭いから2階も一層と同じだよね」っていう論理にも100%の自信はなかった。じゃぁもし、「ビッグスワンの二層で同じことが起こったらどう対処する?」って聞かれても、やっぱり自信をもっては答えられない。「ビミョー」なのであります。緩衝地帯ですから。
【ここの小さい文字は後から書き加えました】
※皆さんのコメントから、ルールを知らなかったのは僕だったということが判明しました。今回は僕らのエリアは係員からの注意というのはなかったですね。でも「無知の知」を自覚いたしました。多謝!上の部分は訂正しないで残しておきます。ご容赦を!

僕の斜め前方の50代後半の男性。とにかく口汚いヤジの連発。上記の他にも「それが給料もらってるプレーか」「ここはJ2じゃねぇぞ~そんな戦略通用するかぁ!」「新潟に帰れ!(お前が帰れと言いたい)」とにかく容赦ない味方へのヤジ。加えて怒鳴っていないときもとなりに座っているご婦人(奥さんではないらしい)に、「新潟がいかにだめか」ということを解説しているのです。「ダメだよあれじゃぁ、ほ~らまた入れられた。俺の言うとおりだ。」って具合に。
ついにその前にいた20代の若者が切れました。「さっきから聞いてりゃ何だよ。文句ばっかり言っていないで選手を応援しろよ。」「俺だって悔しいよ。だから応援するんだろうが。」彼の目は涙目でした。そんなやりとりの直後に5点目と6点目が入りました。6点目のときには50代の男性は席を立ってもういなかったけどね。ここで言いたいこと。そんな彼だって、アルビレックスのことが大好きなサポーターの一人なんだということ。表現方法や価値観は違う(間違っている)けど、彼も彼なりにアルビのことは大好きなんだ。それを批判することが僕にできるか?(してるけど


4点目、5点目、6点目。確かに見たくなかった光景ですよね。そして点が入るたびに「惜敗」が「完敗」になり「惨敗」になっちゃいました。だけど、ゴール裏の人間が途中で席を立っちゃいけませんよね。最期まで見届けるべきです。そして最後までボールを追う選手の力になるべきです。そういうヤツに限って座席の下にゴミが置きっぱなしなんだよね。お前ら、何様のつもり?

僕は基本的にブーイングは好きじゃないのでしないけど、「ブーイングも認知されたサッカー文化だ」ということもわかったから、これはまぁいいか。でも罵声はいただけないよね。精一杯戦って疲労困憊している選手には大きな拍手とアルビレックスコールが必要だと思います。僕らは金を払っているから選手よりえらいのか?はるばる遠くからアウェイに来ているから何を言っても許されるのか?答えはもちろん「否」だと思います。なんか噂では選手のバスにものを投げた人がいたとか。嘆かわしく、悲しく、情けないことだと思います。

女房の隣の席は、お孫さんを連れた70代のご夫婦でした。新潟から新幹線で来たというそのおばあちゃんサポと、僕も女房もずいぶん応援をしながら話をさせていただきました。
「開幕戦も3回目だけどまた負けそうだわねぇ」
「去年は天気も悪くて、しかも負けちゃったのよねぇ」
「おやまぁ、今年は去年より悪いわ、オーッホッホッ」
「まぁいろいろあるわよねぇ、でも一生懸命に応援しなきゃねぇ」
「この年で孫連れてサッカーの応援に川崎まで来れるなんて幸せよねぇ」
おばあちゃん、ありがとう。おかげで心が癒されました。
その5に関しては、「違和感を感じたこと」ではなく「まったり幸せになったこと」でした。


なんたって、残りの人生をずっとアルビレックスとつきあっていくんですから。

長い文章を最後までお読みいただいてありがとうございました。

