おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

遊藝黒白 第1巻 「ピアニストが語る!」

2019年11月17日 | 書籍紹介
第2巻→第3巻→第4巻と読み、最後に第1巻を読んでおります。

まだ読み始めたばかりですが、ポゴレリッチのショパンコンクールの真相の衝撃!

ヴィルサラーゼの胸に突き刺さる言葉!

これは読むべきです。
このシリーズは自分のために読む価値があります。

最近、私のレッスンは次の段階に進んでおります。

イリーナ先生の教本を使い始め1年10カ月が過ぎました。
初めはピアノ本来の音が鳴らせるようになってほしい、美しい響きのある音で弾けるようになってほしい、それが目標でした。

その目標は思いの外、早く実現できました。
もちろん完璧ではありませんし完璧などないのですが、思い描いていたものに近付くのに1年かかりませんでした。

スタートさえ間違わなければ子供たちはこんな風になれるのだと知りました。

今は不思議で習い始めた子供たちは、音を作り出す基本になるテクニックを学んでいるところです。
音を作り出すためのテクニック。表情のある音を作り出すための音。

これまで私は、テクニックと言う言葉は極力使ってきませんでした。
指が回ることを指す言葉だと思っていたからです。

しかし、今は違います。
音を作り出すことをテクニックというのだと考えています。

音楽は気持ちを表現するもの。
そのためのテクニックです。

少し前まで、そんなこと趣味で弾くだけの子供たちに話すことさえためらっていました。
しかし、それでは本当のことを伝えることはできません。

不思議な音の国でレッスンを始めた子供たちは初めから音を作り出すことをしているので、何のためか伝えていくことができます。

私が重力奏法で初めに使った教本は「はじめの一歩」です。
しかし、物語の力を借りずに音楽の世界を子供たちに伝える力は私にはありませんでした。

ヴィルサラーゼの「音楽を語る言葉を持つ」話、コンクールが招いたことなど深く考えさせられます。
そして、今の若い人たちは大曲に平気で挑み聴くに堪えない無残な結果になっていること。弾きたいのなら絶対に素晴らしく弾かなくてはならない。真にその作品を理解し、それを演奏で表現しなければならない。そうでなければ、弾かない方が良い。

厳しいですが、それだけ芸術や作曲家に対して謙虚で真摯であるということです。
昨年聴いた彼女の演奏からそれは十分に伝わってきました。
その精神の美しさに泣けて仕方なかったです。

コメント
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