おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

遊藝黒白 第4巻 #2「静寂の中に、音楽があふれる」

2019年11月14日 | 書籍紹介
音楽家それぞれに異なる考え方もあれば、共通した思いもありでピアニストばかり集めた1冊の読み物というのも面白いものだと思います。

指導者としても活躍しているピアニストでよく話に出てくるのが、生徒たちと一緒に美術館に行ったり演劇を見たりという話です。

グネーシンで学んだリフシッツは、自身は演奏活動のスケジュールで自分がグネーシンの先生方のように生徒たちのために時間を使えないことを残念に思っていると。

リフシッツが師事した先生方はピアノ演奏を教えるだけではなく一緒に様々な録音を聴き偉大なマエストロたちについて考えさせてくれたりした。様々な作品、伝統、楽派について知識を深め、自分の頭で演奏について考えられるようになったと。

若い頃に先生に教えていただいたものはずっと覚えているものです。
私は普通高校の普通科でしたので、音楽の授業は1年生の時だけだったか2年生もあったかよくは覚えていませんが、授業でグローフェ「グランドキャニオン」、デュカス「魔法使いの弟子」、ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」を聞かせてもらいました。

ガーシュインはその内聴くことになったとは思いますが、グローフェやデュカスはこの時に聞かなければ自分で見つけて聴くことはなかったと思います。

そう思って私はピアノのレッスンでもフォルマシオン・ミュジカルを使って生徒とピアノ以外の音楽も一緒に聴くのです。
興味の幅を広げて自分で探し出すことを将来してほしいので。

ロシアの名教師、アンナ・アルトボレフスカヤと同じ部屋に住んでいたのがアレクセイ・リュビモフ。出入口が違かっただけで部屋は同じだったそうです。どういう構造だったのか・・どれくらいの広さだったのか・・

よく生徒たちのコンサートが家で開かれていたそうです。様々な年齢の生徒たちが一緒に演奏していたそうです。よく4手、8手の連弾をさせアンサンブルの妙味と楽しさを学ばせていたと。

それから彼女は前衛的な音楽への理解が深く、きわめて自由で偏見のない視点から生徒たちを新たな音楽に導いたそうです。
リュビモフが前衛音楽を解釈できたのは彼女のおかげだと。
あと、スクリャービン博物館に貴重な音源があり、それを一番多く寄贈したのがアシュケナージだと。国外でよく演奏していたのでその度に現代音楽やソ連で禁じられていた音楽のレコードを持ち帰っていたそうです。

こんなところでアルトボレフスカヤのお名前にお目にかかるとは思っていませんでした。しかも、ヴェーベルン、シェーンベルク、ベルクなどの音楽もよく知っていたとは。

リュビモフは音色のそれぞれの個性を明確に意識して演奏しなければならない作曲家がふたりいると。
モーツァルトとヴェーベルンだそうです。

そう言い切れるほどの音楽を知っているということです。

とりあえず、ヴェーベルンを聴いてみようかと思います・・
コメント
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