おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

3の指

2019年11月21日 | 重力奏法
重みを掛け一番安定しやすい3の指から習い始めるロシアンメソッド。

どこにも力みなく弾くためにノンレガートから始めます。
肩で腕を支え、指の第1関節が反り返ったりぐらつかないように強く保ちます。
腰と足で身体を支えることも怠ってはいけません。

腕はリラックスさせることで重くなります。
その重量を使って演奏します。
手首は柔軟に。手首は呼吸、レガート、様々なタッチを作り出し、垂直、水平な動きで大切な役目を担います。音を出す瞬間はグラつかせてはいけません。音の芯がなくなります。音を鳴らした後は弾力性のある手首が必要です。

気を付けることは、美しく深い音で弾くこと。
そこを目指して一音を大切にします。

日本人は雑なことをしないので大丈夫だと思いますが、昨日知った海外の先生の動画で驚いたものがありました。

一つは、力みなく丁寧に弾いているかもしれませんが、深くも美しくも弾いていない。
おとなしく手を鍵盤に乗せているだけ。手首の呼吸はなし。ただ手を上下させているだけ。
これを先生がお手本で示しているのです。

もう一つは、本気でしているのかと目を疑いました。
ギリシャの先生ですが、腕の重さを使うと言って肩から腕を鍵盤に振り下ろしてピアノをバンバン叩かせているのです。

人間は皆、感覚が違うものですが、3の指でノンレガートで始めてもこんなに異なることが起きるとは驚きです。
動画だけ見てこうするのかと勘違いされると嫌なのでこちらにそれは載せません。

音楽のために美しい音を目指す。
音楽は何百年経っても作曲者の気持ちが伝わる芸術です。
それが表現できるのがピアニスト。そこまで巧みに表現できなくとも理解を手助けできるのが指導者。

ヴィルサラーゼはこう仰っています。

心から音楽を愛しているなら音楽を学びなさい。もし、音楽がなければ生きていけないと言うのなら音楽の道を選びなさい。これは才能があるかどうかということとは関係がありません。私は「美」に対する永遠の興味、驚き、感動する心を持っているかどうかだと思います。音楽的に秀でているかはそれほど重要ではありません。音楽を本当に愛していなければそういう才能を持つことはできません。
コメント
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