ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

FOTR CD: 1-9: At the Sign of the Prancing Pony

2006-03-01 22:48:31 | Tolkien・LOTR
この章は前の2つの章とは対照的に,HoMEで,トロッター→アラゴルンの変遷と共に,さんざん解説されてきた章です。と,いう事で,結局どう落ち着いたのかという観点で,まとめ易いですね。(笑)

初めて原作を読んだ時は,映画を先に観たので,ここでようやく映画に戻れる,と,ほっとした所です。(笑)

ここはホビットの世界から,外の世界へ移る,大きな分岐点ですね。映画ではそこまでは感じません。やはり,これは原作の利点なのでしょう。前の章の感想に書きましたっけ? トム・ボンバディルとゴールドベリって,「大きな人」ではないんですよね。ガンダルフやエルロンドの種族とは,ちょっと違う人たちなんですよね。(じゃあ一体何なのかって,ますます不思議ですが。。)

ブリーという場所の描かれ方が,人のいない荒野の中の島のよう,と聞こえました。ブリーにはホビットもいます。人間達は髪の色が濃く,小柄で逞しい人達。彼らは共にフレンドリーですが,誰に仕えるとかいう事のない自由な人達です。しかし,ここにはレンジャーと呼ばれる不思議な人達もたまに来ます。珍しい話はたくさん知っているけれど,ブリーの人間達はお友達にはしたがりませんね。彼らは"darker"と聞こえましたが,それって「色黒」って事なんでしょうか? またそれとは別に,この章では説明はされていませんが,褐色人という,色黒の,サルマンに仕える邪悪な人間が出入りしてますね。

ホビット達は門番のハリーに会います。ハリーの振る舞いもHoMEで幾度か変更されてきました。彼は黒の乗り手達と取引があり,ホビット達が来るのをチェックしていたのですね。正式版にはそのシーンはありませんが,フロドは彼が自分達に妙な好奇心を持っているのを感じます。

バーリマン・バタバーさんは,確かにトム・ボンバディルやガンダルフが信頼するだけあって,口が軽そうに見えても,実は秘密を守る事には長けていますね。今回改めてそう思いました。彼もまた,ハリーとは別の意味で,何かあったかなあ?とホビットに反応しますね。(まだ何だったか思い出していませんが) ブリーは交通の要所だし,そこに住んでいる人達は,「誰に仕えているわけでない」と言いつつ,どんな人達の味方をするのかは人それぞれで,陰謀等には利用され易いのかもしれません。また,バタバーさんは,そういう所で生きていく為の術を持っているという事なのでしょうね。

食事は部屋で食べるんですね。何か日本の旅館みたいですね。イギリスの宿って昔はそうだったんでしょうかね? 映画とは違いメリーは外を偵察,他の3人だけホールへ。そう言えば,確かにメリーだけあのイベントを見れないとはちょっとかわいそうかも(笑) 馳夫さんはHoME最初の下書きとは対照的に,すらりと長い足にブーツです。しかし最初は木靴を履いたホビットだったなんて‥(笑)いやほんと,HoME読んだ甲斐がありました。今やこのシーンに辿り着く度に,もしアラゴルンでなくてペレグリン・ボフィンだったら,一体どんな外見で,どんな俳優さんが演じたんだろう?と思います。(笑)

さて,フロドが例の大失態をやらかした時,足の長い馳夫さんだけでなく,色黒のアヤシイ人達も色めき立って動き出します。物語の本当に最後の方で明らかにされますが,彼らの主な目的は,シャイア産の高級パイプ草の取引だったと思いますが,ひょっとして,指輪に関しても,何らかの任を担っていたのでしょうか? アラゴルンも彼らの動きをチェックしてはいますが,当時はまだサルマンを怪しんではいなかったのでしょうね。

ここで唐突ですが,この所ずーっと思っていたのですが,この辺り,サムの存在感があまり感じられませんね。前の章ではトム・ボンバディルに感謝する事を言い,この章ではホビットが住んでいるなら踊る子馬亭よりそっちがいいとか言ったりしていますが,それ以外セリフも彼に関する描写もほとんど見当たりませんね。(ああ,次の章で「お口ぽっか~ん」があるはずですけど。(笑)) しかし,映画は別としても(笑),原書を読んでいても,もちろん,彼の存在感,セリフの数々は印象に残っていますよ。一体,どの辺りから,彼が発言力を増すのか,それを捜してみるのも面白そうです。

One Flew over the Cuckoo's Nest : Part 2

2006-03-01 01:38:14 | BookClub
(映画鑑賞済前提です)
ふうっ,Part2読み終わりました。Part1に比べたら,ちょっと早いです~。それもそのはず,Part1は全311ページ中の138ページまでですが,Part2はそこから190ページまで(半分以下!)

Part2で主に描かれたのは,Part1で調子よく騒いでいたMcMurphyの苦悩です。彼が次にどんな作戦を展開するかを楽しみにしていたら,ちょっと肩透かしを食らいました。彼は自分の振る舞いと,病院にいなくてはならない期間がリンクする事に気付き,さらに周りは本当は何故看護婦に逆らえないかと知ってしまうんですね。

映画のシーンは殆どと言うか,ほぼ全然出てきませんでしたね。唯一,McMurphyがBilly Bibbitに「女の子を追いかけ回していてもいいのに‥」と言うセリフだけでした。その代わり,伏線とHardingの凝ったセリフ(笑)がたっぷりでしたね。しかし,電気ショック療法に何か畏怖を感じるMcMurphyと,Billy Bibbitの血のかさぶた。。。彼らに仕掛けられた伏線は,恐ろしいですねぇ~。(汗)

そして,恐ろしいと言えば,Miss Ratchedです。コイツは,ホントに,蛙お婆と,絶好調時のスネイプ先生を合わせたようなヤツですねぇ~。こんなスゴイ悪役,滅多にいませんねぇ。最後McMurphyが,彼女の挑発にひっかからなくて,とりあえず,ホントよかったです。

一方,Chiefは,ぐんぐん病気がよくなっていきますね。早く喋れるようになるといいですね。

さて,次はおそらく,映画で有名な,バスケットのシーンと釣りのシーンですね。


One Flew over the Cuckoo's Nest (184-190)

2006-03-01 01:31:32 | BookClub
グラウンドを横切ってうつむいて戻っていくMcMurphyにChiefは,気にするなと声をかけたかった。McMurphyは小さい黒人のSamに「売店で煙草を買ってもいいか?」と聞いている。Chiefは彼に追いつこうと走っている時,昔の金曜日のフットボールの試合の日のような興奮を感じる。

ミーティングの時間,McMurphyは,最近の2週間と違い,カードをいじったり居眠りする事なく,Sefeltの問題や,Fredericksonの話を聞いていた。すると最後にMiss Ratchedが突然切り出す。「スタッフで話し合った結果,皆さんが3週間前にした事について,罰を与えなくてはなりません。この間,誰も謝りもしないのが不思議です。よく理解して下さい。私達は医療的な意味も考えずにルールを決めているのではありません。例えば子供ならば,罰を免れる事もあるでしょう。あるいは親御さん達の間違った寛大さが,病気の元かもしれません。しかし,これはあなた方の為なのです。しかし何をすればいいか,あなた方を逮捕する事はできません,何をすればいいんでしょう。‥‥」(これ,すご~く典型的な,性格悪い教師とか上司とかの,悪意に満ちた,切り出し方ですよねぇ,いや~なんか,スネイプ先生の,ハリーへの,そういう奴を思い出しますよ(笑))

「私達は特権を取り上げる事にします。カードゲームに使う部屋の使用を中止します。これはアンフェアですか?」(ほ~らきたきたきたきた,陽動作戦ですな)皆一斉にMcMurphyを見る。彼は鼻をかきながらニヤニヤ。彼女は「話がないようでしたら,終りにしましょうか‥‥」とわざと止めて,挑発。彼は歩き出す。そして彼女の前で止まる。(Chiefは先ほどからずっと興奮気味。ドキドキしてる)彼女の目は思わず黒人を探す。彼はさらに窓ガラスの前で,ゆっくりと,煙草を取り出すし,手をガラスに。ガラスは粉々に割れる。彼女は耳を塞ぐ。彼は煙草を取り出して,彼女の帽子や肩についたガラスの破片を払い,「すんまへん。窓ガラスがあんまりきれいなんで,そこにあるって忘れてたよ。」彼は席に戻って煙草に火をつける。

Chiefのドキドキは収まった。


Run!Run!Run!