ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

One Flew over the Cuckoo's Nest (228-238)

2006-03-21 00:33:28 | BookClub
船着場に着く。しかし書類ミスとかで船長が船を出し渋る。えさの店の前のゴロツキ達が,Candyをからかう。CandyをBlondieと呼び,執拗に絡む,つりえさ屋にたむろす男達に,患者達はなすすべなし。しかしMcMurphyがようやく話をつけて出てくると,皆ほっ。元船乗りGeorgeは,彼らの事を「Puke-boat」だと説明(pukeはゲロの意味(笑))

ドクターは「船長を待った方がいいんじゃない?」しかしMcMurpheyは「船長の何を? 証明書の連絡先がポートランドの売春宿だって言いにくるのをかい?」そして船は仰天している本物の船長と"puker"達を残して沖へ。

Candyが転んでBillyが謝っている。その様子を見て,McMurphyは2人っきりでお話したらどう?と勧めるが,Billyはどもってしまう。それなら,と,McMurphyがCandyと2人で,船室で漏れのチェックをしてくる,と言う。

Georgeは船を沖へどんどん進める。Billyは(また)ビールを開けて皆に配る。皆はGeiorgeの指示で釣竿をセットしたり,くつろいだりして過ごす。エンジン音と鳥の声以外何も聞こえない静かな海。やがて,当たりがあり,皆興奮。魚が釣れたようだ。

BillyはMcMurphyとCandyが消えた船室をちょっと寂しそうに見る。Chiefは竿をもらって当たりを待つ。Georgeは,ウミウの群れを見つけて船を移動させる。「奴らはcandle fish(干して火を点けると蝋燭代わりになるのだそう)を追ってくるんだ。そこには銀鮭がいるんだよ。」やがて船は雑魚と鳥の群れに行く手を阻まれ,魚雷のような鮭の青銀色の背中が突っ込んでくる。Chiefは1尾の鮭が自分のエサのニシンの方へ向かうのを見た。次の瞬間,彼は誰かが釣竿をバットで殴ったような衝撃を感じる。

見れば周りも同じように竿がしなっている。他の男達も興奮して集まってくる。Chiefは必死でリールを巻き上げる。そこへMcMurphyが現れる。皆彼に助けを求めるが,どうやら彼は助けは出さないと決めた模様。HardingがChiefを助ける。まるで今まで魚釣りをしていたかのように優雅に引き上げる。とても大きな獲物だった。Chiefにとっては,滝で釣っていた魚より大きいと思えた。Chiefは親指に怪我をしていた。(けど,気にしてない模様)

Chiefは竿をCandyに渡し,エサをつけてあげた。(ここで現在形表現に戻ります)彼女に当たりが来て,Billyが必死にこれを助けようとする。そして罵倒やら,呪いやら,の大騒ぎの末,魚がドクターの眼鏡に当って,レンズが散乱,彼女のTシャツは脱げてしまい片方の胸は血だらけ,Georgeは目をそらし,エンジンを止める。

一方McMurphyはこの様子を見て大笑い。彼女と,男達と,Georgeと,Chiefと,船着場に置いてきた船長と,自転車でガソリンスタンドを通りかかった男と,店員と,5000の家と,Big Nurseと,皆を笑っていた。何故なら,不安定のまま傷つけようとするものは笑い飛ばさなくてはならないからだ。

彼はわかっている。Chiefの親指が痛い事も,彼のガールフレンドが負傷した事も,ドクターが眼鏡を失くした事もわかっている。しかし,彼は痛みがユーモアを消すのではなく,ユーモアが痛みを消す方に仕向けたのだ。ChiefはHardingがMcMurphyの横で笑い転げているのを見た。やがて皆も笑い始めた。最初ゆっくりと,やがてどんどん笑いの輪は大きくなっていった。(現在形表現終り)


Run!Run!Run!