ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

One Flew over the Cuckoo's Nest (218-228)

2006-03-15 01:08:24 | BookClub
迎えがやってきた。ただし若い女性が1人。(もう1人は結婚したので来れないのだそう)彼女は玄関から病院に入ってくる。黒人はドアを閉め忘れる。看護婦達は冷たい視線を送る。病室は,お腹が鳴っても聞こえるのではないかと思うほど静か。彼女はTシャツにリーバイスのジーンズ。膝上でカットしてあり,(Chiefによると)お陰で彼女の足に血液が循環している。(それって太っているという意味か?)

Billyが口笛を吹いてようやく静けさが破れ,彼女は皆と握手。しかし,1台の車にどうやって10人乗るのかという問題が。McMurphyは病院の車を借りて運転すると言ったが,それは規則違反。Miss Ratchedはさらに,1人10ドルでは多過ぎる事を指摘。「あなたの計画はだめだったようね。」と勝ち誇るMiss Ratched。

ところが,彼女はMcMurphyが既に聞いてない事に気付く。彼はドクターがお迎えの若い女性にご執心なのを見抜き,誘っている。そしてドクターは,2分もしないうちに彼はオフィスに鍵をかけ,準備万端。

その日Chiefの目には落ち葉がフェンスの上に落ち,鳥が驚いて飛び去る光景が,落ち葉がフェンスに落ちて,鳥に変るように見えた。しかし緑の病院服でドクターの車を待っている間はどうも町の人の視線が気になる。ガソリンスタンドでは,ニコニコして出てきたスタッフが,車の中を見た途端に微笑みが消える。

ドクターは慌てて,「彼らは病院スタッフだよ。患者じゃない。」と言う。
The doctor's lying made us feel worse than ever - not because of the lie, so much, but because of the truth.
しかしドクターの嘘よりむしろ現実が彼らを襲う。スタンドの店員は,ドクターの弱みを握ったと思ったのか,いい気になっていろいろ勧める。そこでMcMurphyがキレる。「いいか,Hank,ドクターの言う通りにレギュラー2台分だ。それと3セント値引きな。俺達は政府の許可を得た呪われた探検隊だからな。」「ドクターは,君達は患者ではないと言ったぞ。」「それは君達を脅かさないようにそう言っただけだ。いいか,我々はSan Quentinのもっとよい病院に行く所だ。あのそばかすのガキは,3人を殺したナイフアーティストだ。その隣は野生の豚に劣らぬBull Goose Loonyだ。あのデカイ奴はマスクラットの毛皮取引で騙した白人を6人殺したインディアンだ。ちょっと立って彼らによく見せてやりな,Chief。」

Chiefが立ち上がると,誰も何も言わなかった。

「大変なお客さんだなあ,赤毛さんよ。規則には従うよ。君は何をやったんだい?」「仲間を殺した。ただの喧嘩好きだと思うなよ。」McMurphyは自分の手の傷を彼に見せる。

McMurphyのお陰で皆堂々とスタンドの店員に話ができるようになる。Hardingは自転車で通りかかった男性を「我々は精神病院から来た気違いだ。ロールシャッハテストがどう見えるか解説してやろうか?」とからかう。彼は「狂気がパワーを持てるとは。例えばヒトラーがいい例だ。」と言う。ChiefはBillyが開けてくれたビールを飲むと,この20年忘れていた感覚が蘇る。

そして海岸まで空威張りしながら楽しく進む。

Chiefは,McMurphyは,何故皆が心から笑えないのか知っているんだと思う。人は物事のおかしな面を見る事ができなければ,芯から強くはなれない。久しぶりに世間を見たChiefは,電車から出てくる同じ格好をした人々や,同じ形の家々,同じ服を着た子供達を見て,この人達も同じと感じる。


Run!Run!Run!