ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

FOTR CD: 1-10: Strider

2006-03-13 23:44:33 | Tolkien・LOTR
馳夫さんは,まずは自分がガンダルフの友達とは一言も言わずに,フロドを説得して裂け谷までお供しようと試みますね。自信なのか,あるいは控えめな人柄とも読めますが,いきなりガンダルフの名前を出して,ホビットに軽く見られないようにとの,慎重さも見えますね。

ちょっと不思議に思ったのは,HoMEのペレグリン・ボフィン時代の拷問はなくなったはずなのに,馳夫さんが,未だに黒の乗り手に反応して身震いする所です。馳夫さんが震える理由として考えられるのは,ご先祖様を滅ぼされたから,なのでしょうか?

前の章でも感心して見てましたが,ここでもバタバーさんは,交通の要所の町で生きる術をしっかり身に付けている所を見せつけますね。ガンダルフの手紙を持ってきますが,彼一流の方法で,ちゃんとフロドを確認しています。バタバーさんが,ノブにメリーの所在を確認に出したのはこのタイミングでした。

ガンダルフの手紙は,まるでフロドに配達される事を期待していたかのようで,ちょっと不思議です。そして,シェークスピアの有名なフレーズをひっくり返した例の文。
All that is gold does not glitter.
Not all those who wander are lost.
ところで,シェークスピアって駄洒落が多い事で有名なのだそうですが(私にはそれがわかるほどの高級な英語力はありませんが(笑)),トールキンさんも駄洒落多いですよね。‥って,オヤジギャグ多いんですよ。ガンダルフによく言わせてますよ。(笑)

映画では全く無視されていますが,ここでホビット達が馳夫さんと指輪について駆け引きをする所は,TTTでフロド,サムが大将とそれをするシーンとよく似ています。比較すればするほど面白いですよ。実は随分前の記事ですがこちらにまとめてあります。最初は敵か味方かよくわからない所,フロドが年の功の話術で『彼』から逃れようとする所,指輪の話が出てくると『彼』がいきなり立ち上がる所(そしてすごく背が高い‥),"Handsome is as handsome does."という諺が使われる所(微妙に意味が違うんですが‥(笑)),ガンダルフの心配な噂をする所やガンダルフとの関係を示唆する所,等は共通項ですね。

ちょっと違うのは,フロドとサムに成長が見られる事,特にサムが大きく違いますね。また馳夫さんは最初から指輪の事は知っていますし,ホビット達を脅かす余裕もあり,全然動じていませんね。ちなみに,HoME7巻までは,馳夫さんとフロドとサムとの,この指輪についての駆け引きは報告されていませんので,ここは大将が登場してから作られたのでしょうかね?

さて,ここで皆さんが楽しく?駆け引きをしている間,1人でご苦労様なお仕事をしていたメリーがノブに連れられ帰ってきます。映画も改変されているし,BBC版でもほとんど省略気味なのですっかり忘れかけていましたが,彼はここで早くもナズグルの黒の息に襲われていたのですね。もしほったらかしだったらどうなっていたかと思う位危険な状況だったのですが(汗)。。

この章,よく観察すると,原作と映画が全然違う,と言うより,はっきり言って省略されていますね。ホビットと馳夫さんの駆け引きももちろんですが,バタバーさんの妙にしっかりした所とかも,原作に忠実な版をちょっと観てみたい気がします。

HoME8 1-II Helm's Deep (3)

2006-03-13 23:40:32 | Tolkien・HoME
クリストファーさんによれば,この時お父さんはまだ,「Heorulf」という人が現在の主(エルケンブランド)なのか,昔のヒーロー(ローハン第9代国王Helm)の事なのか,はっきりしていなかったとの事。その後,地理的な位置関係などいろいろ変遷があったようですが,まあ興味のある方はお読み下さい。(^^;) と,いう事で,次,参りましょう。

(夜なので,それぞれの小隊(=eored)は『目利き』を先頭に据えて進んでいますが)エオメルの小隊にはレゴラスが付いているからよく見えるし,地理はエオメルがよく知っているので,助けはいりません。彼らは進むうちに,後方の低い土地に(オークと思われる)松明の明り等を見ます。どうやら(そこら辺の)木を切り倒して明りにしている様子。

「大きな軍勢が追ってくる。」とアラゴルン。エオメルは「彼らは火を使って燃やし尽くしている。わら山に小屋に木々。rick and cot and tree 高くつくぞ。We shall have a great debt to pay them.

(ほぅ~,映画ではエオウィンが避難民の子供にスープを食べさせながら言って印象的な,"rick and cot and tree"は,原作ではこういう風に使われているんですね。)

ところで,エオメルの今の最後のセリフに応えるようにアラゴルンが「reckoning(請求書)はそんな遠くではないぞ。後ろの敵と戦える広い土地はもうすぐだな。」(これもお約束ダジャレの1つ?) エオメルは「そう。Helmsgateの少し手前に,土地が険しく落ち込んでいる場所がある。ここをHelm's Dikeと言う。その上には城壁がある。そこで我々は立ち向かう事ができる。」

(Helm's Dikeってそういう意味でしたか。‥実は,この辺りは,TTT映画を観る前に読んで,とても難しくてぼんやりとしか理解できませんでした。)

そして彼らはHelm's Dikeに到着。まだ敵も味方もいません。それぞれ配置に就いた所で,ギムリは大きな岩に寄りかかって立ち,レゴラスは彼の弓をいじりながら闇を睨んでいました。ギムリはこの辺りの岩を絶賛。レゴラスは君と一緒に戦えて嬉しいと言います。(ほほーっ,これが数々の画家(って,Anke EissmannJohn Howe位しか記憶にないけど(笑))が描いた「ヘルム峡谷のレゴラスとギムリ」と知られる名シーンですねっ)

Run!Run!Run!