デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



士林駅に着いても雲の具合は変らず、雨は止まなかった。ガイドブックは悪くないのだが、ガイドブックに半ば八つ当たりする気分になっていたのでテンションはさらに低くなった。
雨だと分かっているのに夕暮がきれいとされる淡水(ダンシュイ)に行くのは愚かしいことだろう、でも淡水が一番の目的だったでは無いかと自分に言い聞かせて、MRTに乗った。この際、雨の淡水でもいいじゃないか、私の好きな映画「ベニスに死す」や「見出された時」に登場するような、何気ない曇り空の下の水のある風景の一端を見出せればいいじゃないか。
淡水に着くまで絵葉書になんて書こうとずっと考えていたが何も思い浮かばず時間が過ぎていくのだった。
淡水に着くと更に雨が強まったように思った。


臭豆腐

旅行中、ずっと気になっていた臭豆腐を屋台で買って食した。どう考えても日本人の口に合わないような代物、えいやっ!とやっつけ根性で残さず食べ尽くしたが、お腹の中がおかしくなるような感じだった。
有名な寺や市場も回ってみたが雨なのに人がやたら多く、だんだん精神的に萎えてきてしまった。せめて絵葉書を書こうと海岸沿いのカフェを探した。
しばらくすると雨が止み、少しは日が射し始めた。淡水河の河口を背景に写真を撮る若い人たちがちらほら現れ出した。濡れているベンチを町で配っていたポケットティッシュで適当にぬぐい絵葉書を取り出したときに、無謀だと思えたとしても淡水にやってきてよかったと思える空になってきた!


淡水金色水岸にて



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「きれい」とか「美しい」とかいう言葉以外、何も要らなかった。この風景を見れただけで、私の今回の旅の目的は達したと言って過言ではない。刻々と移り変わる夕景を目をやりつつ、ベンチに座りながら絵葉書を綴った。途中、ペンを止めて何度もカメラを西に向けた。
台湾の?観光客からカメラを押してくれと何度か頼まれ、私も彼らに夕景を背景に撮ってくれと頼んだりした。旅行先でのカメラの押し合いのたのしいやりとりで、この夕景は更に印象深くなったと思う。
夕日が雲に完全に隠れたあと、絵葉書のペンが走り出した。隣に座ろうとしていた台湾人カップルに、ポケットティッシュをすべてあげてベンチを拭くように奨めた。隣に座った二人は絵葉書を書いている私を見て何かしら言っていたが楽しそうだった。

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