デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



ここ最近の川辺でウクレレ持って過ごす土曜日はアフガニスタン人と出会ったり、かつてフルートを演奏していたと言う神秘的なオーラを纏(まと)った人と出会ったり、珍奇なことが立て続けに起こっている。
昨日(土曜)は晴れていたのに風が強くて寒くて、いつもの川辺でウクレレをポロ~ンと弾くには厳しい日だったが、珍奇とは呼べないにしろ久しぶりなことが私を待っていた…。
そのことは後に述べるとして、まずはベンチに腰を下ろしたときの光景について。
鳥ってカメラで撮ることは難しいと思うのだが、私にとって昨日はコンパクトカメラ(いつものデジカメ)でさえ鳥を近く感じた珍しい日だった。(以前にはカメラどころかこちらが望まぬのに、鳥をまさに鳥肌が立つくらい間近で感じたこともあったが、それは例外である。とはいえ、いつでも起こりうる「例外」なのだが…)


トンビが地面を歩いている私にとっては珍しい光景。トンビにゃ悪いがあまり凛々しくない…



エサを撒いたわけでもないのに、雀が間近に



「大きいツヅラか小さいツヅラ、どちらにしますか?」



「仲間連れてきました」



「人間にゃ、ある程度慣れてます?」

カメラを閉まって、自転車のカゴにコード表を入れてウクレレを弾き始めたときだ。折からの強風と自転車のスタンドを立てていた下の土が軟らかいせいで、自転車が倒れた。
すると近くにいた手にビラを持った二人の男(一人はネクタイは無しでスーツ来たおっさん、一人は野球帽をかぶりヒップホップでも踊りそうなスタイルの若者)が、自転車によってきて立てるのを助けてくれたのである。私は会釈してお礼を言い、それからまた弾き始めた。
ところがこの二人、私の前から立ち去らないのである。しばらくジッと私の様子を窺ってから、おっさんの方が私に話しかけてきた。
楽器のことを尋ね、弾いている私を褒め殺し、そして弾き始めてどれくらいになるか訊かれた。一問一答で応じていると、おっさんはビラを私に差し出した。
「いま新しい新聞を配ってるんだけど、よかったら後で読んでみてください」
ビラの見出しだけで何が目的か、すぐに分かった。「布教活動」だよ。ここ2年ほどは無かったが、久々のあの怪しい雰囲気、私の中で緊張が走った!
邪魔をしてほしくなかったので、ビラを適当なところに置いて、ひたすら弾いていた。すると、おっさんが言った。

「お兄さんのウクレレが上手くなるように、祈らせてください」

私はもう少しで大笑いするところだった! この場合、弾くのに邪魔なんで、と語気を強めて(実際私はイラ立った)なにか言うべきだったろうが、おっさんの一言に対して笑いを禁じえないというのも無理な話だろう。祈って演奏が上手くなるかコラ、などといった揚げ足を取るのではなく、もっと気の利いた返事をしてやりたいが言葉にならない、そんなムズムズ感がやるせなかった。
結局、その場はスパッと断り、私はあさっての方角を向いてひたすら弾きつづけたので、事は終了したわけであるが、しばらくして私は、演奏が一瞬で上手くなるように祈って奇蹟を起そうとするよりは、自転車が倒れないよう「風よ、おさまれ」と人知れず祈ってくれる方が、お祈りの対象としてふさわしく、よっぽどありがたい、それこそ私だけでなく寒さで散歩するのも辛いと思っている万人への功徳というもので、説法に適った本当に「有り難い」話ではないかと思ったのである。
そのあと、私は弾く場所を変えるため対岸に移動した。一段と風が強まった。風は煩悩丸出しの私に吹き続けたが、近くに座っていた男女のカップルとサックスを練習していた青年にも容赦なく吹き付けた。でも、川辺ではそんな寒さなど日常茶飯、各々は土曜の午後を楽しみ、それこそ寒さなどどこ吹く風なのであった…。

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