以下小噺。
目ざとい性格の眼科医の息子が幼心に「人間は歳をとると目が不自由になってくる」ことを気づいたので、彼は「人間には目が二つあるから、片側の目をずっと使わずにおいて、歳をとって目が悪くなったら、使わずにいた方の目を使うようにしよう」と決意した。
月日は流れ、眼科は片目だけを使って生きる息子の代となり、いつしか彼も目が不自由になる年齢となった。使い続けていた目がとうとう見えなくなったので、彼は大事にしていたもう片方の目を使うことにし眼帯を取ったら近所に住むすべての人に見覚えがなかった。
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