9月15日(火)、数年前から街角に学生の書作品を展示する努力を続けていますが、徳島市の中心部にある「両国本町商店街」では今、4年生のゼミ学生である神農藍里さんが卒業研究としてそれに取り組み、18店舗に作品を展示中です。あまり教員が出過ぎずに、地域の人々との交渉などを彼女だけに取り組ませているので、まだすべての作品を見たことがありません。作品に関してもほどんど彼女のアイデアに任せています。学生らしい未完成の感覚で勝負してその感想をいろいろな人に言ってもらうことが、最も本人の勉強になると思うからです。たまたま買物でそこを歩く機会があったので、その様子を少し紹介します。これは、雑貨屋さんのショーウィンドウです。「歩」の文字がお洒落に飾られて町に溶け込んでいました。思わず歩きたくなります。
次は、地元TVのニュースでも取りあげられたデイサービスセンター内の作品です。「楽」の甲骨文をアレンジしています。瓢箪型の額は、書道用品店の奥に売れ残っていたユニークな商品を大学の予算で買い取ったものです。彼女に使わせてみたら、本当に楽しい作品に変えました。施設長さんとお話したら、ここに通ってくる皆さんの評判も上々とのことです。
最後は、神農さんの作品ではなく、昨年書いてもらった3年生の後迫里保さんの作品です。ヘレンケラーの言葉で、「太陽 いつも太陽を見ていれば影は目に入らない」と書かれています。プチレスト「ウッドアイビス」の店内作品です。後迫さんは鹿児島から徳島に勉強にきている元気なお嬢さんですが、才能に溢れています。
このような作品が一点あるだけで空間が温かくなるのが、書の重要な効果です。このような店が増えると、商店街全体の雰囲気も変わっていきますし、ひいては都市全体のイメージまで変えるだろうと考えています。
なお、今日から19日まで中国に行ってきます。浙江省杭州市の浙江大学で授業をするためです。四国大学と浙江大学は大学院レベルの交流があって、教員の授業も1年交代で実施しています。今年は私が授業にいくことになりました。16日、17日に2時間ずつの講義をしてきます。外国で授業をするのは初めての経験ですが、通訳の先生がついて解説をしてくださるらしいです。上記のような活動の様子も中国の学生に紹介しようと思っています。