蔓防措置が解除されてから、少しずつ外食をするようになった。
今日は、神代植物公園の駐車場に入れないままとんぼ返りしてきてしまったので、せめてどこかで外食をしたいなと思い、自宅から徒歩で街のほうに出かけて行った。
いろいろ思いつくところは、やはりどこもかしこも人が多く、テラス席のあるイタリアン料理店などは、外の席もかなりの密になっており、女の人たちが大声でおしゃべりをしているのだった。
本当に、女と言うものは、よく食べ、よくしゃべるものである。
そのようなお店は、席も空かないし、うるさいので、そこでは食べられない。
そうして、ある1件のステーキのお店に入ることにした。
初めて入るお店だった。
そのお店は狭くて、細長いお店で、1人ずつ向かい合わせの2人用テーブルに案内された。
向かい合った席のテーブル中央には、透明のビニール(スチールの支柱にとりつけられている)がぶら下がっていたのだが、夫婦でそのようなものに遮られる必要もないので、それをテーブルの上で通路側の端に移動させた。
料理が来るまでは、しっかりマスクをしていた。
ステーキは鉄板の上に載っていたのだが、テーブルが狭いので、透明のビニールの裾が鉄板の上にのっかってしまい、「わっ、熱くてビニールが溶けるよ~」と慌てた。
そうしたら、お店の人がどかしてくれた。
全く、こういうもの意味があるのかな?と思う。エアロゾルだったら上や横から漂ってどこへでも移動していくだろう。
でも、こういうことをしないと、お店も感染対策のできた店として認められないので、ルールに従っているのだろう。
夫は、マスクを片方の耳にぶら下げたまま食事をしているが、ぶら下がったマスクの紐が、ステーキソースに今にもつくんじゃないかという状態だ。
「マスク、はずしちゃったほうがいいんじゃないの?」と言った。
片耳にぶら下がっていると、なんとなくマスクをしたまま食べているかのように見えるが、ぶら下がっていようといなかろうと、マスクが外れていることには変わりはなく、鬱陶しいだけであろう。
なるべく会話もしないようにし、食べ終わったらマスクをすぐにする。
お店は狭いので換気もできてるんだかどうだかわからない感じで、狭い通路を客や店員がひっきりなしに通るので、もしこのようなところに感染者が居れば、ウイルスが漂っていて危ないのかもしれないが、おそらく感染者なんかいないし、大丈夫だろう。
それよりも、マスク会食とかビニールとかアクリル板とか、本当にせいせい食事も楽しめないこの状況。
なんとかならないものだろうか?
このような ものものしい雰囲気自体が、感染やウイルスというものを始終連想させ、精神的は苦痛を及ぼしている。
さっさと食べて出なければと思うので、サラダやドリンクなども注文する気もなくなり、そそくさと店を出るしかない。ゆっくり食事を楽しむなんてことはできない。
いつになったら、普通の生活ができるようになるのだろう。
これまで、外食さえ全然しなかったので、こんな状況を体験したこともなく、かえってこの異様な不便さに今頃になって気づいたのである。
家にいるときよりも、窮屈で不自由なこの世界。外に出れば出るほど気が滅入るのであった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます