今後、保険証がマイナンバーカードに統一されるという国の計画を知り、実家母にもマイナカードを作らせないといけないなと思うようになった。
つい最近までは、これまでの旧式保険証でいいじゃないかと思っていたのだが、国会議員の小野田紀美さんの国会質問を聞いて、マイナンバーにすることへの納得ができた。
現在の健康保険証には写真が入っていないため、本人確認ができず、保険証を他人が使ってもわからないことになっているため、不正使用が簡単にできてしまうとのことだ。
また、今後、マイナカードと旧式カードの両方が使えることにすると、古い方を他人に貸したりする可能性も起こりやすくなるそうだ。
そういう使い方ができることは、口外してはいけないそうだが、そんなことは言わずとも誰でも思いつくことなので、今後、どっちの方法でも可能などという中途半端なことを延々と続けている国のメリットはないといえる。
国はもっと断固として進めるものは進めなくては、何もかもが中途半端になってしまうであろう。
それで、母の住む静岡県の某地域では、マイナカードの普及率が40%であり、全国的にも非常に遅れているのだそうで、これは恥ずかしいことだと、自治体はちょっと焦ってきているらしい。
静岡県の人々なんて、温暖な地域で何の苦労もなく、本当にのんびりと過ごしているので、何でもかんでもやるべきことを後延ばしにしているのは、さもありなんである。
私がちょっと調べたところ、2月中に市役所に行けば、役所の人が写真を撮ってくれてマイナカードの申し込み手続きをしてくれることがわかったので、ちょっと暖かくなったら母と一緒にタクシーで市役所に行ってマイナカードを申し込んで来ようと考えた。
そこで、今夜電話でそのことを話したのだが、母は「そんなことしなくていい」の一点張り。
紙の保険証でいいのだそうだ。
しかし、母が紙で良いと言っても、世の中はプラスチックの肖像写真入りマイナカードが今後は主流になっていくのであり、その流れというのは止まったり、紙に戻ったりなどはけっしてしないはずである。
今は、病院で読み取り端末がないところもあるなどと言っているが、それもだんだん準備されていくはずだ。
最後の最後まで、旧式の紙を使い続けようと抵抗することになんの得があるだろうか。
母の場合、クレジットカードもスマホもないので、マイナカードを作って保険証や銀行口座と紐づけても、ポイントをもらう術がないのだが、唯一セブンイレブンのナナコカードでも作ればポイントはもらえるかもしれない。しかし、2月末にマイナカードを申し込んだのでは間に合わないと思える。まあ、ポイントはどうでもいい。
母が今、マイナカードに抵抗している状況は、他のことに喩えれば
「昔、“ぼったん便所”が“ 水洗便所” に代わる時代に、自分の家だけ断固として “汲み取り式ぼったん便所 ” でいいんだ、と言い張っていた人と同じようなものだよ」
と私は言ってみた。
実は、1965年頃、私の実家は家を建て、そのとき1階と2階に水洗便所を設置したのだったが、それは母の考えであり、父は“汲み取り式” で良いと言っていて、しかも1階だけで良いと思っていたそうだ。
それを母が、水洗便所を各階に作ったのは、先見の明があったといえる。
また、父が女の子は高卒で就職すれば良い、と言っていたのを、自宅から通えない遠方の短大まで進学させてくれたのも母の考えであった。
そのように若いころは、新しいことをどんどん取り入れてくれた母であったのだが、この保険証については、なんとしても紙の保険証を使い続けようと固執している。
そして、私の提案には納得せず「ならば近所の〇〇さんに聞いてみる」などという。
〇〇さんは、御主人が90歳の人で賢い人だそうだが、なんで90歳の人の意見を聞くのか?
たぶん、近所に子どものいる人であれば、子供世代が手続きを進めるだろし、スマホなどを使ってマイナポイントをもらったりしているに違いない。
また、要介護や要支援などの老人は、包括支援センターの人などが色々な手続きをしてくれているのではないかと思う。
結局母は、何の支援も得られぬまま、ガラパゴスのような環境に置かれており、近所の老人は無料で送り迎えされて体操教室に通っているのに、自分は何もしてもらえないと言って人をうらやんでいる。
しかし、それは入院なりなんなりした人でなければ、要支援等の対象にならないし、もし支援してもらいたければ、自分で申請を願い出なければいけないのだ。
幸いにして母はなんとか自力で暮らしているのだが、なんでもかんでも先延ばしにして放っておけばどうにかなるというわけにはいかない。
いずれはしなくてはいけないのなら、アタマもボケていない元気なうちにやっておいたほうが良い。
マイナカードは、今のところ急ぐ必要はなさそうだけど、いずれ作るものであれば、早く手続きしておいた方が良いと思う。