BEETHOVEN - "Appassionata": III. Allegro ma non troppo (Presto) - François-Frédéric Guy
本日から12月8日まで、9回にわたって武蔵野市民文化会館でベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会が開催されています。
私は第1回の演奏を聴いてきました。良かったです。
演奏者は、フランソワ=フレデリック・ギイという方です。フランスの人です。
you tubeを探したら、この人の演奏の「熱情」がありました!
「熱情」が演奏されるのは12月7日です。もうチケットは全部完売です。
ベートーヴェンのピアノソナタは全部で37曲あるそうです。
今回は、そのうちの番号で呼ばれる32曲を、この人が全部演奏するんです。
その中には悲愴・月光・テンペスト・田園等の題名で有名な曲が多々ありますが、本日演奏されたものは、
第1番 へ短調Op.2-1
第2番 イ長調Op.2-2
第3番 ハ長調Op.2-3
という番号で、名前は無い曲です。初期に作られたものです。
この頃は、ハイドンを師としていたそうです。
後期の有名な曲につながる要素も多々含まれているそうです。
私は本日、日程に都合がついたので、何も考えないで一昨日遅くになってチケットを申し込んだのですが、あとでわかったことは、たまたま今日の公演(昼と夜)だけ、チケットがわずかに残っていたのでした。
以前も書いたように、「熱情」と間違えてチケットを買ってしまったわけです。
詳しく書けば、実は24日(日曜日)の「悲愴」のチケットを買おうと思って、かなり前にスケジュール帳に印を付けてあったのですが、いつのまにかそれを「熱情」だと思い込んでおり、今週末に他の予定が無いことを知って、思わず日曜日ではなく、土曜日のチケットを買ったのでした。
買った後で「ありゃりゃ?やっちまった」という感じなのですが、もし間違えなかったとしたら日曜日の分はどうせ完売で、買えなかったのです。
今日以外の日はすでに全部完売なんだから、そうしたら、きっと何も聴きに行かなかったかもしれない。
しかし、1番~3番のソナタが聴けてよかった。良い機会を得ました。
1番と3番は、姉が昔弾きまくっていた曲でした。2番も聴いたことはあります。
姉は本当はモーツアルトが好きなんだけど、ピアノ科で付いた教授がベートーヴェンの得意な先生だったらしい。
そして、姉は寮に入っていたので、普段は自宅に居なかったのだけど、春夏冬休みに家で毎日弾き続けていたのが、そのまま私の耳に入っていたのです。今回の演奏を聴いて、曲の細部に至るまでよく思い出しました。
知っていた曲だったというのは、ラッキーだったのだから、姉のおかげか。
また、こういう偶然は不思議なものだなと思います。 間違えてチケットを買ったから、ならではの体験。
そして、確かに1番は熱情に似ている部分があることに気付きました。
それから、このF・F・ギイという人のように、ベートーヴェンのピアノソナタを全曲演奏し、その作曲家を研究するっていう視点は、初めて知ったことでした。
そういえば、文学なんかでは、作家の小説などをすべて読んで、その作家の人生とともに、作品の中の精神や構成や背景などを研究していくのは普通です。絵画もそうですね。
音楽も単に曲を選んで弾くのではなく、一通り全部演奏して、研究していく意義に、今更ながら気付かされました。
この人の演奏は、本当に安定して光り輝いている。
ベートーヴェンと等身大というのか、ベートーヴェンの曲と共に生きてきた人、なんというのでしょう、信頼感みたいなものを感じるのです。
変な気合いを入れたりする必要がない。さすがだなと、思いました。
黒のスーツの下に、青い服を着ていましたが、その色が素敵でした。
表情も素敵でした。
席は、最後に残った数席の中から選んだので、ステージに向かって右のほうになってしまいました。
だから、ピアノを弾く手が全然見えないので残念です。でも、顔の表情は見えました。
今度からは、もっと早く、良い席を取りたいです。
しかし、久々の生演奏は、やはり素晴らしかったです。
ホールは武蔵野市民文化会館の小ホールですが、小といっても結構大きい(400人くらい)のでした。
ステージの正面にパイプオルガンがありました。
この演奏が2000円って、あまりに安いですよね。
ベートーヴェンはやはりすごい。聴いたあとのこの充実感はいったい何なんだろう。
会場を出たあと、そう思いながら帰ってきました。
私は、この公演に、どの程度の価値があるものなのか?世間の話題性や人気については全然わからないんだけど、この演奏会は最初に思っていた以上に、貴重なものだなと、思いました。
世界屈指のベートーヴェン弾き 「ベートーヴェンはアルファでありオメガである」
(クラシック音楽へのスイッチを入れてくれたのはフォルテ君なので、彼に感謝したいと思います。)
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