千里浜海水浴場は、北陸屈指のビーチリゾートです。
ここには、防風林の松の林の囲まれたオートキャンプ場があります。
とはいっても、オートキャンプサイトには厳密な境界線はなく、自由に好きな場所を選んでテントを張ります。
松林の向こう側には、白浜のビーチが続き、水平線に沈む夕日の名所でもあります。
また、サイトから1㎞程の場所に「休暇村 能登千里浜」があります。
入浴券(1回券)を購入すれば、「絹の肌触り」と評判の、毎分400リットルの自家源泉かけ流しの温泉でリフレッシュできます。
塩の味が濃い温泉のため、入浴するとすぐに体がポカポカあたたまります。
浴槽には、露天と内湯があります。
仕切りのある露天風呂からは、夕陽を眺められないのは残念でしたが、もしかすると宿泊した方のお部屋によっては、窓から素晴らしい夕日を見ることもできるかもしれません。
さて、温泉でふぉんわか~と長湯した私は、夜のキャンプに向け、あたたまった体に色々と着込み、完全に髪を乾かしました。
施設を出ると、外は想像以上に真っ暗な夜の闇と化していました。
風呂上りにひとりとぼとぼ歩くも、なかなかキャンプ場の灯りが現れず次第に不安になってきました。
勿論ほかに歩く人もありません。
2kmほど歩いてどうやら道に迷ったと気づき、もと来た道を引き返すことにしました。
これでどうだ!とまた違う道を歩き進めるものの、休暇村でキャンプ場が併設されているとは思えないほど外灯がなく、道を歩いているうち、ふいにある一瞬、普段は感じないようなザワザワとしたものを背筋に感じました。
それは自然やその他に対峙しているという「怖れ」であって、自分自身の無謀さへの「怖れ」であるとも感じました。
同時に、それは生きている証でもあると思います。
そのうち、キャンプ場のランタンのほのかな灯りがポツポツと見えてきました時の、昂揚感は忘れてはならない感覚です。
さて、キャンプ場では、ひと風呂浴びた相方が、先に焚火を用意してくれていました。
ちょうど安定した火加減になっていました。
まずは前菜。
加賀の大椎茸、大好きなトマトを網にのせます。
能登牛はとても肉質が繊細で、甘身があって美味でした!
冷凍の焼きおにぎりは、表面パリパリで食べるのが好きですが、昔から変わり映えしない味です。
私個人的に思うことなのですが、冷凍焼きおにぎりを製造している食品メーカーさんには、味の追求を惜しみなく商品開発に繋げている昨今のカップ麺の市場のように、「焼きおにぎり」の分野において「米」を通じたさらなる日本食の奥深さや食文化を開花させて欲しいと常々感じています。
さて、一夜も明けると青い空が広がっていました。
松林を海のさざめきのほうへ歩いていきます。
次第に、子供心にかえってきて、胸がドキドキします。
目の前に「ああ~」とため息がでるほど、美しい海岸が現れました。
砂浜を踏むと、さらりとした肌理の、細やかな砂の感触です。
ここでは珍しい、薄い綺麗なピンクの貝殻も拾えます。
夢中で綺麗な貝殻を探しているうちに、片手にいっぱいになってしまいました。
久しぶりに海で遊び、この海がとても好きになりました。