那覇旭橋バスターミナルから、定刻にバスが来て約40分で「玉泉洞」に到着しました。
ガンがラーの谷、沖縄ワールド、ハブ館と半日観光です。
ガンガラーの谷は、数十万年前までは鍾乳洞だった場所が崩れてできた、豊かな自然が残る亜熱帯の森で、約1万8000年前に生きていた「港川人」の居住区としての可能性も高く、今も発掘調査が行われ、「自然」や「命」に思いを巡らせながら体感していただくツアーが毎日開催されています。
谷の広さは約14500坪、歩行距離は約1㎞。
所要時間は約1時間20分。
ガンガラーの谷に息づく豊かな自然や、考古学的・民族学的にも価値ある場を守るために、また、訪れる皆さまに多くの体験・体感を楽しんでいただくために、谷の”旅”には専任のガイドがつきます。
(事前予約制:2200円/人)
事前にネット予約の上、予約時間前に受付を済ませ、ケイブカフェにて名前を呼ばれるのを待ちました。
このカフェは鍾乳洞でできており、自然の環境に中でもライブでは音響がこだまし、ミステリアスな音楽堂との役目も担っているそうです。
ガンガラーの谷のツアーには禁忌事項がいくつかあります。
ツアー出発前に、ガイドさんがボードを用いて数分にわたり説明しました。
*車椅子・ベビーカーでの参加はご遠慮いただいております。
*ツアー出発時にお茶をお配りしております。(ツアー終了後さんぴん茶の水筒は要返却)
*ツアーへの飲食物のお持込はお控え下さい。
*ツアー中トイレがございません。予めお済ませ下さい。
*谷内の動植物等は持ち出したり動かしたりしないようお願い致します。
*谷内は禁煙です。
*ペット同伴での入場は出来ません。
さてツアー出発です。
南国のオリエンタルムードと、ガイドさんの説明があることで、沖縄のかつての暮らしを想像をもとに感じることができます。
ツアー料金は予約の少し高い気がしますが、仮に入場料金の安価で観光できたとしても、多分私にはこの場所の価値や意味について理解を深めることは難しかったと思います。
向こうの谷ももとは鍾乳洞で、年月の流れで天井が崩れてそれが堆積して・・・と言われても、想像がすごく難しかったのですが・・・
「この木は歩くんです!」との説明に???
ガジュマルの木のこの細いちぢれたものが根っこで、この根っこが地を伝い少しずつ場所を移動しながら成長するのだとか。
そういえば、2年前のクリスマスに鑑賞用に小さいガジュマルの木をプレゼントされたものが自宅にあるのを思い出しました。
不思議と枯れなくて、枯れるかどうか実験的に何もしないことを数年続けています。
水もあげていないのに、葉っぱはいつも綺麗なグリーン。
ガジュマルの木は生命力が強く、別称「絞め殺しの木」とも言われているそうです。
大主(ウフシュ)ガジュマル。
ガンガラーの谷の撮影ポイント。
ガイドさんが手持ちのカメラやスマホでこの木の前で撮影サービスをしてくださいます。
沖縄県ではガジュマルの大木にはキジムナーと言う妖精のようなものが住んでいると伝えられているそうです。
イナグ洞。
ガンガラーの谷には、ツアーコースとなる以前、琉球王朝の時代から地元住民に信仰され続けてきた聖地があります。
そのひとつが、イキガ洞・イナグ洞。
二つの洞窟は来訪者が祈りを捧げる御願所(ウガンジュ)になっています。
洞窟の前で待たせられ、その間にガイドさんが1組に1台のランタンを準備してくれました。
イキガ洞。
種之子御嶽という拝所で、イキガとは男性を意味し、子宝や命の成長を、イナグとは女性を意味し、良縁や安産などを願う民間信仰の場所として、昔から久米島や宮古島など離島からも拝みに来る人がいるそうです。
ランタンはイキガ洞を明るい光で見ようというためのもので、見学が終わるとランタンの出番は終了です。
これは、沖縄の先祖代々のお墓で個人さんのもので、毎年数十名のご子孫がここへきて、皆で個人を偲ぶそうです。
見学の最後は「ツリーハウス」。
見渡すその向こうのフィッシャーと呼ばれる岩の割れ目で、港川人が発見されたそうです。
港川人とは、1970年に化石人骨として発見された人類で、発見された4体の内、港川人1号と言われる1体は、人骨は頭の先から足の先まで骨が揃い、保存状態が非常によく、現代の研究に役立っているとか。
彼らは、約2万年前に実際にこの地に生きていた、旧石器時代の人類で、身長はおおよそ150cm前後。
その骨格から、森の中を歩き回りながら狩猟採集の生活をしていたであろうと推測されています。
ガンガラーの谷では、石の棺と埋葬された人骨が発掘されました。
現在も港川人に関する発掘調査は、国立科学博物館、東京大学、沖縄の地元研究者によって結成された「沖縄更新世遺跡調査団」と、「沖縄県立博物館・美術館」によって続けられています
ガンガラーの谷内にある「武芸洞」は、港川人発見場所から近く、付近には川も流れ、東西に二つの入口がある明るく乾燥した洞窟です。
旧石器時代の生活場所として好条件であるとの見方から、2007年から調査対象場所となったそうです。
ツアー最後の場所にはベンチがあり、そこで借りていたさんぴん茶入りの水筒を返却して終了でした。
出口を進むと、沖縄ワールドの敷地内でした。
なんか、急に次元が変化したような、何か不思議な気持ちになりました。
谷のツアーは時間がタイムトラベルしたような気がしないでもありませんが、そういう点においては、沖縄らしさを体験できたのかな、と思いました。
ちなみにガンガラーの谷の名前の所以は、現在この敷地内には道路がありますが、その昔、この谷間の上から石をおとしてもガンガラガラーガンガラーと鳴りやまなかったことから、その時代を忘れないため、ガンガラーの谷と名前がついたとガイドさんが語っておられました。