蒲生邸事件
宮部みゆき
文春文庫
若かりし頃、務めていた会社の同僚仲間で集まる機会が今月あり、敬愛している先輩方と今だ縁切れずにいられることを幸せに思う。
その席で、私が好きそうだからと薦められた本がこれ。
早速読んでみる…SF小説と推理小説のミックスで、半分は当たっていた。
推理小説は読まないが、SFは好き。
大学予備校の受験生が2.26事件当日の東京にタイムトリップ、一屋敷内で起きる事件に首を突っ込みながら一週間後、現代に戻る。エピローグは現代で再会することを約束した人、老人となったその人に会いに雷門へ…
序章が長くてイラっとしたが、近代史はサラッとしか習っていないので、同時進行で起こる歴史的事件が住民の視点から描かれていて、興味深かった。
学歴の無さにコンプレックスを懐き続けている社長の父親と真夜中にビールを飲みながら主人公が言う。
「俺ね、過去を見てきたの。それで判ったんだ。過去は直したってしょうがないものだし、未来のことを考えて心配したって駄目なんだってことがね。なるようにしかならないんだから。だからこそ俺、ちゃんと生きようと思ってさ。言い訳なんかしなくていいようにさ。そのときそのとき、精一杯やろうってさ。だから父さんは学なんかなくっても、そのときそのときで精一杯やってきたんだからもういいんだよ」
宮部みゆき
文春文庫
若かりし頃、務めていた会社の同僚仲間で集まる機会が今月あり、敬愛している先輩方と今だ縁切れずにいられることを幸せに思う。
その席で、私が好きそうだからと薦められた本がこれ。
早速読んでみる…SF小説と推理小説のミックスで、半分は当たっていた。
推理小説は読まないが、SFは好き。
大学予備校の受験生が2.26事件当日の東京にタイムトリップ、一屋敷内で起きる事件に首を突っ込みながら一週間後、現代に戻る。エピローグは現代で再会することを約束した人、老人となったその人に会いに雷門へ…
序章が長くてイラっとしたが、近代史はサラッとしか習っていないので、同時進行で起こる歴史的事件が住民の視点から描かれていて、興味深かった。
学歴の無さにコンプレックスを懐き続けている社長の父親と真夜中にビールを飲みながら主人公が言う。
「俺ね、過去を見てきたの。それで判ったんだ。過去は直したってしょうがないものだし、未来のことを考えて心配したって駄目なんだってことがね。なるようにしかならないんだから。だからこそ俺、ちゃんと生きようと思ってさ。言い訳なんかしなくていいようにさ。そのときそのとき、精一杯やろうってさ。だから父さんは学なんかなくっても、そのときそのときで精一杯やってきたんだからもういいんだよ」