1979年
エース志賀は、184㌢の長身から投げおろす速球が武器。
平工・志賀投手の中日入り(内定)が決まったー。中日ドラゴンズの大越スカウト部長、塚越スカウトは二日午後一時、福島県いわき市内のレストラン「浜むら」で志賀正浩(18)=1㍍84、75㌔、右投げ右打ち=と両親の仁さん(45)=建築業=、益美さん(43)と会い、入団交渉を行った。この結果、条件面(契約金一千ご百万円、年棒二百四十万円=いずれも推定)でも合意に達し、一気に中日入りが内定した。正式契約は今月中旬、名古屋市の中日球団事務所で行われるが志賀は今季初中日入り第1号。平工からのプロ入りは初めてである。 志賀は中央球界でこそ知られていないが、1㍍84の長身からくり出す速球一本ヤリで、一試合平均10個の三振を奪う右の本格派。この日、地元紙に「三浦(福島商=阪急)級の本格派」と絶賛され、中日入り濃厚と派手に扱われた東北球界屈指の好投手だ。塚越スカウトは「こんな地肩の強い投手はみたことない。素質では田鎖(盛岡工)を上回る」とその将来性にすっかりほれ込んでいる。それだけに志賀の争奪戦は激しかった。ドラフト前には、中日、ヤクルト、日本ハムなど八球団から意向打診があり、その後も中日、ヤクルト、日本ハム、近鉄が積極的にアタックをかけた。その中から志賀は中日を選んだのだ。父親の仁さんはその間の事情を「そりゃ、条件面では中日さんよりもっといい球団があったけど、本人の中日でやりたい気持ちを大切にしてやった」と説明する。父はボクシング、母は陸上競技、兄は水泳、姉は体操の選手としてならしたスポーツ一家で、志賀もいわき市立四倉中時代は平泳ぎで校内№1を三年間守った筋肉質のバネに富んだ体をしている。プロ野球には小さいころからあこがれ、高校二年のときは「テスト生でもいいから‥」と言っていただけに、中日入りがかなって大喜び。「小松辰(中日)さんのようにスピードで勝負するのが目標。中日には若い人が多く、みんなに負けないようがんばる」と熱っぽい口調で抱負を語った。
生まれ:昭和三十六年九月二十五日、北海道で。 家族 父・仁さん(45)=建築業、母・益美さん(43)=国鉄労組勤務=兄姉の三人兄弟の末っ子。 1㍍84、75㌔、胸囲1㍍、手の大きさ20㌢、足の大きさ28㌢、握力右55㌔、左50㌔。 性格 明るく負けん気が強い、冗談を言ってよく笑わせる 趣味 ギターを弾きながら歌う、フォークが好きで松任谷由美のファン。 好きな選手 中日の小松辰投手 プロの目標 早く一軍に上がって1勝したい 好きなタレント 大場久美子 食べもの 焼き肉が好物