1976年
昨年暮、球界を去った選手は約50人に上るが、その中で目立つのは、大学進学を目指している元選手が四人もいることだ。巨人・恒村勝美投手(20)、西村高司内野手(21)、阪神・尾藤龍哉投手(20)、阪急・今増伸一捕手(19)で、その一人、恒村クンが、「野球には未練がありますけどね、僕はまだ若いんだし、東都のいずれかの大学の経済学部に入って、たとえサラリーマンになっても、有利なような資格を取りたい。入団の時の契約金八百万円は定期預金にしてあるので、学費ぐらいは・・・」四十六年、ドラフト一位でロッテ入りした井上圭一投手(24)もガッチリ組。「契約金二千八百万円は貯金してある。今は失業中だが、車の免許も取ったし、これを生かせる職を探しますよ」むろん、こんなケースばかりではない。南海ーヤクルトーロッテと転じ、クロウト受けするプレーを見せた東条文博内野手(31)など、義姉によれば、「電話代にも困り、局からストップされてしまう始末なのよ。行き先もねェ・・」球界一のノッポ(192センチ)、太平洋の飯田敏光投手(26)も、「連絡がとだえたまま」球団関係者は、姿を現したらプロレスにでも、と声をかけているという。第二のジャンボ尾崎を目指し、ゴルフ特訓中なのは中日・氏家雅之(23)、巨人・中村裕(24)、近鉄・川口孝秀(25)、太平洋・阪口忠昭(24)の四投手。中には、南海・大塚徹外野手(30)のように、幼稚園経営を計画し、すでに茨城県土浦に用地を獲得した変り種もいる。
昨年暮、球界を去った選手は約50人に上るが、その中で目立つのは、大学進学を目指している元選手が四人もいることだ。巨人・恒村勝美投手(20)、西村高司内野手(21)、阪神・尾藤龍哉投手(20)、阪急・今増伸一捕手(19)で、その一人、恒村クンが、「野球には未練がありますけどね、僕はまだ若いんだし、東都のいずれかの大学の経済学部に入って、たとえサラリーマンになっても、有利なような資格を取りたい。入団の時の契約金八百万円は定期預金にしてあるので、学費ぐらいは・・・」四十六年、ドラフト一位でロッテ入りした井上圭一投手(24)もガッチリ組。「契約金二千八百万円は貯金してある。今は失業中だが、車の免許も取ったし、これを生かせる職を探しますよ」むろん、こんなケースばかりではない。南海ーヤクルトーロッテと転じ、クロウト受けするプレーを見せた東条文博内野手(31)など、義姉によれば、「電話代にも困り、局からストップされてしまう始末なのよ。行き先もねェ・・」球界一のノッポ(192センチ)、太平洋の飯田敏光投手(26)も、「連絡がとだえたまま」球団関係者は、姿を現したらプロレスにでも、と声をかけているという。第二のジャンボ尾崎を目指し、ゴルフ特訓中なのは中日・氏家雅之(23)、巨人・中村裕(24)、近鉄・川口孝秀(25)、太平洋・阪口忠昭(24)の四投手。中には、南海・大塚徹外野手(30)のように、幼稚園経営を計画し、すでに茨城県土浦に用地を獲得した変り種もいる。