1974年
「まだとても興奮している」来日初勝利を完投で飾ったケキッチは、突き出されたマイクに声をはずませた。投球数157。三振11、四球6つも荒れたピッチングではあったが、球威は最後まで落ちなかった。基にやや気を抜いた半速球をホームランされたものの、あとはつまった当たりの右前打と、内野安打3本。力でねじ伏せた完投だった。このケキッチ、初先発した南海戦では、日本の蒸し暑さにやられて「体中の塩がみんな出てしまった」の珍妙なせりふを残して降板したが、この夜は涼しさに助けられて、あまり汗もかかずにさっぱりした表情。「きょうは塩はいらなかった。でも最終回、足にちょっとこむら返りが起こって痛かった。イタイネ」と、覚えたての日本語で愛きょうをふりまいた。アメリカから日本にくるまで、二週間ほど実戦から遠ざかっていたため、調子はいま一つだそうだが「これから投げ込めばもっとよくなる。そうすればワンサイドで勝つことも出来るよ」と自信たっぷり。初勝利の喜びに加えて、十九日にはマリリン夫人と、二人の子供たちが日本にやってくる。ヤンキース在籍時代の一昨年、同僚のピーターソン投手とのスワッピングで話題になった夫人と子供たちだ。「昨年、ベネズエラ、コロンビアと南米に行ったときには、家族をアメリカに置いたままだった。今度は家族と一緒に日本を見れる。ベリー・ハッピーね」と優しい気遣いを見せていた。
「まだとても興奮している」来日初勝利を完投で飾ったケキッチは、突き出されたマイクに声をはずませた。投球数157。三振11、四球6つも荒れたピッチングではあったが、球威は最後まで落ちなかった。基にやや気を抜いた半速球をホームランされたものの、あとはつまった当たりの右前打と、内野安打3本。力でねじ伏せた完投だった。このケキッチ、初先発した南海戦では、日本の蒸し暑さにやられて「体中の塩がみんな出てしまった」の珍妙なせりふを残して降板したが、この夜は涼しさに助けられて、あまり汗もかかずにさっぱりした表情。「きょうは塩はいらなかった。でも最終回、足にちょっとこむら返りが起こって痛かった。イタイネ」と、覚えたての日本語で愛きょうをふりまいた。アメリカから日本にくるまで、二週間ほど実戦から遠ざかっていたため、調子はいま一つだそうだが「これから投げ込めばもっとよくなる。そうすればワンサイドで勝つことも出来るよ」と自信たっぷり。初勝利の喜びに加えて、十九日にはマリリン夫人と、二人の子供たちが日本にやってくる。ヤンキース在籍時代の一昨年、同僚のピーターソン投手とのスワッピングで話題になった夫人と子供たちだ。「昨年、ベネズエラ、コロンビアと南米に行ったときには、家族をアメリカに置いたままだった。今度は家族と一緒に日本を見れる。ベリー・ハッピーね」と優しい気遣いを見せていた。
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