プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

並木輝男

2016-09-18 15:36:47 | 日記
1965年

ソックスとはときどき薄よごれている。この日はアンダーシャツのそで口の毛糸がほつれたようにぼろぼろだった。「みんなぼくがチョンガーだから」という並木が、十一日神戸のオリエンタルホテルで婚約を発表する。「ぼくがなかなか結婚しないのを不思議がる人がたくさんいた。そんな年かね?まだ二十六だ。若いんやで。それでも来年は十年目やから、がらにもなく考えた。第二の人生は大げさやが、結婚をひとつの転機にしたいとは思っている」「そうね、ひとりですきほうだいやってきたから責任を強く感じるだろう。いままでえらそうなことをいっても子供だったからね」若いんだと強がったり、子供だったりと反省したり、ここでも二男坊らしい並木のおおらかさが見える。だが責任はグラウンドでもはっきり果たしたようだ。五回の決勝ホーマー。「高橋のカーブを八球もファウルして粘った。いままでだったらあっさりかわ振り。なんとか塁に出なければいかん、という気持ちが、内角の速球を呼び込んだのかもしれない」左足のふくらはぎにまだ痛みが残っている。全力疾走しないとたたかれ、足の欠陥のある選手はもうダメだといわれたこともある。「そんなことはどうでもいい。一度やりたかった二番に定着して、すごくやる気なんだ。どうです。気合いもはいっているだろう」「お嫁さんをもらうからだろ?」といわれると「責任を感じちゃうな」とテレた。十二月十一日に神戸オリエンタルホテルで、勝新太郎夫妻のなこうどで挙式するまでわかっているのに相手の女性についてはテレて一言もしゃべらない。ナインも「相手はどんな人?」とヤキモキしている。

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