プロ野球 OB投手資料ブログ

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広島衛

2025-02-15 13:22:16 | 日記
1959年
広島はのびのび投げ続けた。八回まで与えた安打はわずかに5本で五回の1点も大津の遊ゴロがイレギュラーしたためだった。ところが最終回、藤本に2点本塁打を浴びて1点差に迫られた。たまりかねた杉下監督はマウンドに歩みよって伊奈の継投かと思われたがそのまま続投させることになった。まだ一度も完投したことのない広島に完投させてやろうという親心からであろう。広島はこのときのもようをどうだ、まだ投げてみるかといわれたのであと一人だから投げさせてくださいといったのですと語っていたが、横山を二飛に退け期待にこたえた。鎌田に右へ二塁打をうけて一死満塁になったとき伊奈がウォーミング・アップをはじめたが、伊奈の救援を仰ぐことなく逃げ切った。杉下監督はあまりよい調子とはいえなかったが、コントロールがよかった。大体コントロールのよい投手だし、他の投手がへばり気味なのではじめから完投させるつもりだったと広島の右腕を信頼していたようだが、広島は藤本さんに打たれたのはシュートのかけそこないです。四月二十九日の対阪神三回戦にはじめて先発した時、緊張したため三日ほど肩が痛かったが、この日は楽に投げられた。いままでシュートがこわくて投げられなかったが、シュートを覚えたのがよかったと思うとさすがにうれしさを隠しきれなかった。広島はこの完投勝利で自信をつけたことだろう。


広島は内角のシュートよりも外角低目へ決めたスライダーがよかった。ことにスピードを落としたスライダーは阪神打者を泳がせ効果的であった。前田は7打球のうち1つエラーをしたがグラウンダーに対するスタート、呼吸の合わせ方、グラブさばきなど、たしかにゲームごとにうまくなっている。ただ五回の大津のイレギュラー安打はほとんで手の出ないものではあったが、たえず自分の守備位置付近の荒れを足でならすという心がけがほしいものだ。名手といわれる三宅はこれを実行している。

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