プロ野球 OB投手資料ブログ

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無徒史朗

2017-05-04 11:46:59 | 日記
1967年

もし、ヘルメットをかぶっていなかったら、無徒は頭がコブだらけになっていたろう。本塁ベースから三塁側ダグアウトまでの10㍍足らずの距離を、ナインから頭をこずかれどおしだったのだから・・・。「ナイス・ホームラン」「いいぞ、イモ(無徒のニックネーム)」興奮のあまり、佐藤進などはバットでゴツンとやらかすありさまだった。ムリもない。四回裏中日の追いあげにあってサンケイはタジタジになっていた。先発の佐藤が打たれ、4-2とリードを許したばかりだ。そこへ、無徒の一発が飛び出した。五回表、無死一、三塁。逆転の代打3ランホーマーだ。ベンチはからっぽ、だれがどうなっているのかわけがわからない。「外野飛球を打てばいいと思っていた。ホームランしたのは真ん中の直球。いいタマだった・・」興奮がさめたとき、無徒はつぶやいた「やっとおれの念願がかなった」今シーズンの無徒は代打専門だ。守備についたのは二度しかない。「代打屋のおれが1本くらいホームランを打っておかないと話にならんもの」この日も試合前の練習では、ねらってホームランが打てるかどうか、テストをしてみた。細田のタマを2本、右翼席へぶち込んでいる。調子は悪くなかった。11安打で10点ー。もちろん今季最高得点だ。オープン戦も含めてアトムズ打線の猛打爆発はすべてJR砲中心だった。ジャクソン、ロバーツにヒットがなければ勝てない。それがこの試合ではまるで逆になった。なるほどロバーツはニガ手小川から一回表に2ランホーマーして猛打の口火を切っている。だが、いちど相手の手に渡した試合主導権をパワーで返したのは無徒だった。同じ五回、代わった河村から左翼席へ2号ホーマーした武上、六回に右中間へプロ入り初ホーマーを打ち込んだ新人奥柿らの力だ。「JR砲以外の新しい力が成長していることがうれしい。この試合は、どうしても勝ちたかったし・・・」試合が終わってから飯田監督はやっと本音をはいた。「大洋に2勝1引き分けしたあとの中日戦。もしここで負けるようなら大洋に勝ったという実績がなんにもならなくなる。しかも勝利の原動力が若い力なのだから・・・」同じころ中日・西沢監督は試合後の談話取材を、断った。木下広報部長を通じて「あれだけホームランを打たれては、手のうちようがない」といわせただけだった。

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