【ラジオ文芸館】「ゴシップ雑誌を読む女」

2021年02月09日 | ラジオ

今日の午後のウォーキングのときに、「らじるらじる」の聴き逃しで【ラジオ文芸館】を聴きた。
(私は歩くとき、ワイヤレスイヤフォンを使ってスマホのアプリでラジオを聴いてます)
「ゴシップ雑誌を読む女」作:吉田修一 朗読:山口寛明アナウンサー

> やっと小さな会社に就職した新米の「ぼく」は、契約社員の先輩を心の中で「泉ちゃん」と呼んでいた。
> 泉ちゃんは冗談が通じず、仕事以外のことではほとんど口を開かなかった。そうかと思えば、フロアの
> 隅々に響き渡る声でぼくを怒鳴りつけ、宴会の席では机に頭を打ち付けたまま動かなくなったりした。
> そして、昼休みには海外のゴシップ雑誌を眺めていた。
> 叱られながらも次第に泉ちゃんと心を通わせていったぼくは、「遠距離恋愛中」の噂がある泉ちゃんの
> 彼氏について知ることになる。
「ラジオ文芸館」のホームページの紹介文


やっと就職した会社の先輩に、年上の女性としてはそれほど魅力的ではない女性がいた。
正義感が強くてやたらうるさい。
その女性と、仕事はいっしょにしなければならない。
そういう女性が、何度か転職してきた私の職場にも何人かいましたね。
泉ちゃんは、海外に恋人がいて遠距離恋愛をしているようだった。
契約社員の「ぼく」は、上司が正社員になるように言ってくれたのに断り退社することになった。
退職する日の1週間前に泉ちゃんが、「ぼく」の送別会をすることを社内に知らせる。
しかし、当日の送別会には、泉ちゃん以外誰も来なかった。

あぁ、小説はこんなふうでいいんだ、と思った。
この男がこれからどう生きていくのだろう?
という余韻は私の心に残った。
                                  
吉田修一「ゴシップ雑誌を読む女」(角川文庫「女たちは二度遊ぶ」所収)
                 ↑ クリックすると朗読が聴けます。(2021年2月15日(月) 午前5:00配信終了)

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