そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

国際通貨のワナ

2009-06-16 22:00:06 | Economics

ちょっと日が経ってしまいましたが、13日(土)日経新聞朝刊コラム「大機小機」より。
文責は「富民」氏。

そして国際通貨のワナである。基軸通貨国は自国通貨を印刷し繁栄を享受する特権があるが、貨幣が増えすぎると通貨の下落に見舞われる。ブレトンウッズ体制の発足以来、米国の1人当たり国内総生産(GDP)は29倍になったが、ドルの下落で金換算では65年前の45オンス、国民が1年間働いて買える原油も1人当たり約700バレルに戻った。

我が国は貿易取引の大半がドル決済のため、輸出で稼いだドルを円に換金して持ち帰れば円高になって輸出競争力を失う。 ドルのまま海外に預けておけば、輸出代金が国内に還流せず、いくら輸出しても豊かになれない。変動相場制への移行して以来、35年間で日本の1人当たりGDPは4倍になったが、金換算では約40オンス、原油も同約600バレルとほぼ元の水準に戻った。

素人ながら、ちょっと疑問なのは、金や原油をどれだけ買えるかという尺度だけで「豊かさ」を測れるのかどうか。
金や原油のような有限の資源価格が貨幣供給量?に比例して上がっていくというのは、直感的にそういうものかなという気がするんでするが、金や原油以外のモノやサービスを買える量が増えていれば、それはそれで「豊かになった」と言ってしまえるのではないかな、と。

コラムの結論は、基軸通貨国アメリカの特権乱用により「国際通貨のワナ」に陥っている状況を打開するために、円の国際化を進め、円による国際決済比率を上げるべき、との主張。
だけど、円の国際化って簡単に言うけど、どうやったら実現できるんですかね?
日本からの輸出の決済を円で行なうようにするってこと?
そんなこと輸入国側で簡単に受け入れてもらえるんでしょうか。

それに、上記の引用部分にあるように、基軸通貨国も非基軸通貨国もいずれも豊かになれないというのが正しいとしたら、円の国際化が果たして解決策たりうるのか、そのへんがいまいち理解できませんでした。

コメント
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