レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

ゴジラ

2024年04月11日 18時25分37秒 | 怪獣/モンスター

「ゴジラ」
1954年 日本 97分
■監督:
 本多猪四郎
■出演:
 志村喬
 河内桃子
 宝田明
 平田昭彦

●あらすじ
言わずと知れた「ゴジラ」シリーズ第1作にして、日本特撮映画の原点である大傑作。
巨大生物・ゴジラが突如現れ、東京中を破壊し始めた。
政府はゴジラを倒すため、核兵器以上の威力を持つ破壊兵器を開発した芹沢博士を頼る。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
ちょっと時間が経ってしまったが、「ゴジラ-1.0」がアカデミー賞を受賞したニュースが流れていた時に
思い出したのは本作であった。
昭和のゴジラシリーズも随分昔に観たけど、細かい内容とかは当然忘れている。
同じような感じでさらに内容忘れている、平成のVSシリーズもまた観始めているが、
昭和ゴジラシリーズもいつか観直そうかなと思っていたので、改めて観る事とした。
まずドラマ部分はシンプルながらも面白い。
政府側の対応が中心に描かれているシーンなどは、のちの「シン・ゴジラ」に先んじていると言えよう。
中盤からは山根博士、芹沢博士と、山根博士の娘と、その娘に恋するサルベージ会社の男の四人が中心になる。
面白いのがこの四人のキャラがカッチリ固まっていて、キャラがブレる事なくぶつかりあうこと。
ゴジラが東京を襲撃し大変な状態になっている時に、みんなでゴジラをいかに倒すかを話し合っている最中に
山根博士はゴジラは貴重生物だ、殺すべきではないの一点張りなうえに、自分の意見を否定されるとキレたりする始末。
もう一人の博士である芹沢博士は、ゴジラを倒せる兵器を開発するものの、その後の悪用を恐れて封印しようとする。
基本的にこの両博士は、現実に起こっている事態よりも、研究者である自分の考えを優先する根っからの博士として描かれている。
良くも悪くもそんな自分のポリシーに従っている強い個性の二人に比べて、若い二人はちょっと辛い。
山根博士の娘は、幼い頃から兄のような関係である芹沢博士と結婚するように父親から言われているが
サルベージ会社の男とこっそり付き合っており、その事をいつ山根博士と芹沢博士に言おうか悩んでいる。
しかし世間はゴジラ対策をどうするかになってしまっているのに、若い二人は自分たちの恋愛話で悩んでおり
今はそんな場合じゃないだろうと、ツッコミを入れたくなってしまう。
さらにそれに拍車をかけるのが、振られる側になる芹沢博士の方は、山根博士の娘に対してそういった感情は一切なく
彼の頭の中はオキシジェン・デストロイヤーの研究で頭が一杯になっているように見えるのだ。
この描写だと芹沢博士は娘から「結婚は破棄して、他の男と結婚する」と告げられても
「あっそう」の一言で終わってしまいそうな雰囲気なので、余計に今そうじゃないだろ感を強く感じる。
ただ一つ言えるのは、山根博士の娘役である河内桃子さん。彼女は破格の美しさである。
あと驚いたのは音楽で、ゴジラのテーマはともかく、あの「怪獣大戦争マーチ」もすでに使われていたのには驚いた。
他にはゴジラの造形だが、顔の作りが凄く愛嬌があるね。
平成VSシリーズの頃の精悍な顔つきも好きだけど、初代のちょっと崩れた顔も個性的で良いね。
総評として昭和29年制作の映画だが、今観ても抜群に面白いと言える。流石元祖にしてオリジナル。
だがこの映画を製作開始した頃だが、戦後数年しか経っておらず、日本が復興に向けて頑張っている時に
再度日本を破壊するような映画を作ろうと言うところは、現代の感覚では理解するのは難しいかも。
この辺の製作経緯については、もう少し深堀りしてみようかな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする