現場の前後関係は忘れましたが、新聞だかTVだかからたまたま「今日は成人の日だね」という話になり(←家族にはもちろん、親類にも、いまや職場にもこの日に縁のある友人知人が皆無。どこまで高齢化社会を地で行く家族か、この一事をとってもわかりますな)、そこから突然高齢家族その1が「だったら年賀はがきの当選番号発表があるはずだ」と言い出して、ちょうど正午のNHKニュース寸前の頃合いだったこともあり、一時、家じゅうが騒然となりました。
月河の覚えている範囲内では、今日は12日、確か例年、もうチョット1月も後半だったような気がするな…とその時点で思ったのですが、高齢その1がとにかく「昔は成人の日と言えば、第何月曜日なんて腰の砕けたテイタラクではなく、1月15日にきっちり固定で、年賀はがきの当選発表もその日と決まっていたのだ」「祝日は夕刊がないから、TVの発表を全員で見て、全員がメモして、終わったら“答え合わせ”をして、タタミの上に年賀はがきをぜんぶ並べて、手分けして調べたものなのだ」と言い張ってきかないし、非高齢家族も反論しないので、一応付き合って正午のニュース、正座して見ましたよ(もちろん裏では、『サギ師リリ子』録画中)。
……当選発表なんかあるわけがない(確爆)。
すでに、昨年も一昨年も“成人の日=発表日”でなかったのは月河の記憶では明らかなものの、敵が(敵かよ)高齢ですから、1年前の今頃のことを思い出させようとしても、富士山を平地にする以上に無理です。
一難去ってまた一難、「いま発表がなければ、夜7時のニュースであろう、そうに違いない」と今度は高齢その2まで言い出したので、苦しまぎれに、確か賞品交換期間は印刷されてたはずだ…と、積んである年賀はがきをじっくり見たら、くじ番号の上に、「絶対、高齢者に読めるようにする気ないだろ」と思う小っさーい字で「抽せん日1月25日」としっかり印刷されてました。
なるほど。最初からココ見るか、拡大コピー取って彼奴らに見せるかしとけばよかった。しかし、高齢家族の脳内で、“1月15日”と“成人の日”と“年賀はがき当選発表”とがあんなに頑迷固陋に結びついてどうにも切り離せなくなってるとは思いませんでした。
月河も、成人の日が、10年ほど前のハッピーマンデー導入まで1月15日固定だったことは覚えているのですが、年賀はがきの抽せんもこの日だった、と直結する記憶はまったく無いんですよねぇ。
そもそも、年賀はがきのいわゆる“お年玉”で何かもらったり、当たってるかどうか調べるのが楽しみだったりという記憶もない。幼稚園か小学校低学年の或る年頃まで、実家の近くに特定郵便局があり、実家母が「年賀はがきで当たったから切手をもらった」と、干支の絵か何かが印刷された切手4枚綴りのシートを見せてくれた記憶は、ちょっとあるかな。「去年のヒツジさんは可愛かったけど、今年のサルはなんか憎たらしい顔してんな」と思った記憶もあるので、毎年のように切手シートはなにがしか当たっていたのでしょう。
官製年賀はがきは、長年“売ってるから買うし、書くし、出すし、来たら受け取るし”という感じで、お年玉なるものの当選を期待したり、“自分が出せば、出した人に当たるかも”なんて遠回しな楽しみのために買ってたわけじゃないですしね。
「抽せん日1月25日」の動かぬ“物証”が出てきてすっかり物静かになった高齢その1その2に「ところで、お年玉って、何が、何人に当たるんですか、ご存じ?」って訊いたら、たぶん耳が遠いふりされるだろうなぁ。
『サギ師リリ子』は2週めにきてちょっとトーンダウン。リリ子(雛形あきこさん)の保育園ママ友で「勉強しないと、パパみたいになるのよ!」折檻上等の教育ママ・こず枝に『花衣夢衣』の大人真帆吉田真希子さん。長女の三者面談で「中学受験は無理、ずっと公立にすれば」と言われて、娘にキレついでに教師にも暴力って、笑うところなんだろうけど、真希子さんの“地顔”が悲観顔、隠し事あり顔なので、笑えないんだなあ。今日の放送回限定では明らかにキャストミス。
『非婚同盟』は反対に、小ネタ中ネタ盛り沢山過ぎて、どこを面白がっていいのか迷ってしまうところがあります。自邸の離れに愛人(三原じゅん子さん)一家引っ越させて、「黄色い薔薇ならトパーズだろう」と指輪のプレゼントに「♪ジャジャジャジャーン」とクチBGM入れる猪士郎(風間トオルさん)、いたよねー、何かっつったら決まって「♪ジャジャジャジャーン」言うおじさん、オバさん。
でもって、BGM入れるほどのことだったためしがない。
会社の役員、部下に愛人の母親、娘息子も集めて「さぁ、いつもの歌を歌おう、さんハイ!」と『イエローローズオブテキサス』の大合唱。『偽りの花園』の早瀬川家「♪オハラハー桜島」を思い出しますな。別に曲目は何でもいいんだ。快く思う人も思わない人も、歌って手拍子して融けて流れてみな同じ、って空気感がいいんだ。脚本中島丈博さんの趣味全開。
本宅お離れ引っ越しで猪士郎に「良くしてもらった」「本妻(いとうまい子さん)に負けちゃいられない」と意気上がる母・圭子と祖母・福江(1952年生まれ福井裕子さん、老けづくりナイス)をよそに、ひとりいたたまれない素振りの、猪士郎と血縁のない小百合(近藤エマさん)がいまのところ、いちばん同情の余地ありかな。伊庭家本宅の絹子にしろ、由起子(林愛夏さん)、俊彦(本間春男さん)兄妹にしろ、身勝手唯我独尊とはいえ猪士郎の財力の翼下に居たればこそ、ぬくぬく暮らして来られたんだし。
小百合にも、圭子がこっそり「いまのパパも良くしてくれるけど、あんたの本当の父親(=米兵)だっていい男だった、母さんはいまでも大好きだよ」と言ってあげれば、小百合ずいぶん救われるのにね。