イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

いまもここから

2009-01-25 00:04:45 | お笑い

『爆笑オンエアバトル』22日(2440~)放送は、いやぁまたもアームストロングに笑かされました。計量発表時はいくらなんでもと思った517kbでの1位もネタ見て納得。何なんだろ、粗っぽくてヤンチャなんだけど、雑ではないんだな。ネタも演じ方も、目立たないところでとても緻密。「やめとけやめとけコイツマジで怖いぞ」のリフレインや、そのマジ怖いはずの栗山が「がんばれよ」と流されかけるところなど、ちゃんとオチへの布石として機能している。目立たず緻密だからこそ、接客「こうやってやんだよ(←ユニゾン)」、椅子「2個使え」などのぶん投げたようなボケが活きる。終盤の「レジの上のお歳暮持ってけ」は近来のオンバトでいちばん笑ったかもしれない。コンビニのアレ、買ってく(先様に贈る)人いるのかなーと前々から思ってたもんで。リアルに最近は百貨店なんかより売れるらしいですね。

「惚れてまうやろ~!」がひとり歩きしかかっているWエンジン4433kb、こちらも「えとうさんどうもありがとうございます」「えとうさん、○○、お願いします」最敬礼、のリフレインで押したけど、リフるごとに目論み通り上昇していかなかった。テンポ、密度は悪くないんだけれども、2人のキャラのせいか、ほどよくまったーりした味のネタで、それが微笑ましい、愉快なまったーりと、イラつかすまったーりとの境界線上にある感じ。今日はギリギリ、イラ側に落ちずに演り切れたけれど、これだけのテンポと練習量、熟成度を感じさせる組にしては、意外なほど「もうひとネタ見たい」という気持ちを起こさせません。

要するに“芸風がしつこい”んだと思う。キャリアを積むことでもう少し軽妙さが出てくればと思いますが、積めば積むほど軽妙さが減っていくタイプの芸人さんもいますからね。

無傷の20連勝記録を501kbで飾った流れ星が本日の2位。新記録達成、しかも(ギリとはいえ)over500、でも2位、しかもアームストロング風情の(失礼)後塵を拝して、というところにこの人たちの『オンバト』でのポジションが表れているような気がします。タカアンドトシの18連勝に比べると、良くも悪しくも薄いしユルい。20のうち前半の10くらいは、相撲で言う“拾った”“(相手が)うかうか与えてしまった”白星がかなり含まれていて「気がつけば無傷」。本当の意味で力で取った、あるいは評価されて取ったオンエアは後半限定でしょう。

ただ、連戦連勝の組に必要不可欠の“勝ちパターンに嵌めたときの安定感”はここのところめきめきつけてきていると思う。一番の要因は瀧上のツッコミスペック向上で、ちゅうえいは基本的に変わっていない。彼らの連勝の歴史は、瀧上の向上の歴史と言っても過言ではありません。

どこが?と問われると具体的に説明するのが難しいのですが、「20年後。」とちゅうえいが振ると自動的にシャドウボクシングがピーク過ぎる、人のよさみたいなところもそのひとつ。ボケに対する所謂“ノリツッコミ”ならどの組もやるけど、ツッコむためオンリーでなしにボケの片棒担ぐ、それも“ヘンだな”“こんなのアリ?”という表情まる出しで担ぐという、これはもう瀧上の持ち芸と言ってもいいくらいになった。冒頭の会場入りで吹いていた「チャンピオン“大会”じゃなく、チャンピオンも見えてくる」までもうひと皮。今回のネタは、とりあえず終盤の“人間じゃなくなった”ちゅうえいのひとり芝居が(制限時間への尺稼ぎ?)長すぎた。その分2位。

457kb取って3位になったダムダムおじさんは、演順的に100kb台が続いた(マナティ197ピーマンズスタンダード189)後の3番めだけに、辛抱たまらず玉が“洩れた”感。これはリアルで審査員経験ある人じゃないとわかりにくいかもしれませんが、100台のノリが2組続くと、かなり会場にストレスがたまるものなんです。しかも初っ端からの2連チャンだし。

「ボールとって下さーい」と声だけで石井がなかなか姿を現さないくだり、「もう一度やり直すからボール投げて」と池の精が姿を消して石井がどうしようか悩んでから結局逃げ出すまでなど、間がタル過ぎる。古典的な“正直者と金の斧銀の斧”ネタを、改変するに事欠いてわかりにくい野球サイズのボールに変えてしまったこと、オチ「時代は変わった」(←オチてないし。普通の世相コメントだし)など、いまいちどころか“いま百二十五”ぐらい。

基本的に、正義と正直を司るはずの池の神様が(心優しさ太っ腹さを帳消しにしてお釣りが来るくらい)ものすごく形式にこだわるおっさんで、ボール落とした人間が(正直で無欲なのをこれまた帳消しにしてお釣りが来るくらい)ものすごくマイペースKY、という状況から生まれるはずの可笑しさが7割がた不発だった。細かい間の取り方、時間の使い方などより、“どこを可笑しがってもらうべくネタを組むのか”というベースラインを再考する必要あり。

ギャロップが思いのほか伸び悩み389kbでギリ5位オンエア。今回挑戦者中関西勢が彼らだけというわけではなかったはず(少なくともWエンジンは)ですが、出の「生え過ぎちゃう?」を筆頭に、「サメだ」ボケの最初のほうが惨いくらい空振り。「追いかけてるほうが気になるわ!」でドッとどころか、“トッと”も来なかったのはさすがに本人たち演っててショックだったのではないかな。確かにサメ一本で単調と言えば単調だったけれど、何か“負のオーラ”でも出ていたのでしょうか。1位アームストロングの後、4Wエンジンの前の7番目と、演順も申し分なく恵まれていただけに、会場で何かアクシデントでもあったのか不思議です。あれだけ客席の反響が寒いと終盤もっとチグハグになって崩壊してもおかしくなかったのに、地肩の強さでよく持ちこたえた。

面白かったのは本編終了後の、オンバトヒーローズのますだおかだ。久しぶりに文句なしヒーローズと呼ばれるにふさわしいOB9911月に番組開始以来初の満点(545kb)を叩き出したとき、ますだは545が満点と知っていたけど、おかだは知らず「何を中途半端な点数でウォー沸いてるんだ?」と固まっていたそう。当時の常連挑戦者仲間では世代的に後輩も多く、かなり背水の陣な気持ちで臨んでいたようです。

回顧話の間のおかだのぶっちゃけ方(「はっきり言うてオンバト(で)は(自分は)テンション上がらんかった」)と、ますだの客観視ぶりに微妙な距離感が発生しているようにも見えましたが、最近、バラエティではおかだをピンで見ることも多いし、何週か前は『だんだん』の劇中番組MC本人役でますだのピンも見かけました。不仲化ってことはないだろうけど、もうガチ漫才はやらないのかな。

彼らの満点計量の場面で、後ろに並ぶ結果待ちの組にいつもここからラーメンズの顔も見えました。まだ“ネタつまみ食いショーケース”的な番組が乱立せず、従って若手芸人の成長から磨耗までのサイクルもいまの数倍ゆったりしていて、伸びそうな組、その中でも個人的に好みの組、力があるのはわかるけれどもどうにもしっくり来ない組、たぶん先は無いだろうけどなんか愛着ある組など、じっくり物色することもできた。やはりどんなジャンルでも“ブーム”になる前が花なのかなという気も、改めてしました。

コメント
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