イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

太陽がいっぱいだ

2009-08-08 18:02:37 | ニュース

人間、自覚なく無意味な行動してしまうことってのはあるもんです。

 昨日の記事で、亡くなった大原麗子さんの二度の結婚離婚歴について「若干頭髪に不安はあるが依然TVでご活躍の二枚目俳優さんと、お騒がせありつつも人気実力揺るがぬ大物演歌歌手さん」と書いたのは、別にこのお二方が差し障りのある人物だからというわけではなく、大原さんに関してだけ集中するように書きたかったから他の固有名詞は極力節約しようと思って伏せただけだったのですが、大原さんのたぶんTVドラマでは最後のご出演になったと思われる作品のタイトルでしっかり「渡瀬恒彦さんとの“元・夫婦”共演」って書いちゃってるのな。伏せた意味がどこにあったんだ。

そもそも『十津川警部シリーズ』ってだけでもう8割がた見当つくんだから、伏せっぱなしでよかったのに。ちなみに演歌歌手のほうはもちろん森進一さんです。こちらは大原さんと離婚後、森昌子さんと再婚、のちやはり離婚されていますね。

ああ固有名詞出しは気持ちいい。

さて、今日(8日)放送分ではついに多部未華子さんが極短パンで羽根背負ってサンバ踊るまでにオーバードライブしちゃったNHK『つばさ』、いろいろある残念ポイントの中で最大と思われるのは、たぶん西城秀樹さんの“動けなさ”でしょうね。

今週(3日~8日)は特に斎藤ヒロリンの“川越以前”の過去話が多かったため、西城さんが毎夏後楽園球場でライブを披露していた頃のように腰振って脚上げてアクションしてくれないまでも、せめて巻き舌仕様の台詞がもたつかない程度にクチやカラダが切れていたら、いまの数倍、客を引けるドラマになっていたでしょうに。

脳梗塞からの奇跡的リカバリーから56年は経つでしょうか。このへんがいっぱいいっぱいかなという程度の出番数、アップ場面数におさえて西城さんの登場分が構成されているのは痛いほどわかるのですが、彼のピーク時を知っている側からすると、「もっと使える、輝ける人だったのに」と別な意味でイタいのです。

NHKの当該公式サイトには、“つばさファミリー紹介”という人物紹介ページがあり、ざっと見ただけでも、一般的な朝ドラ適齢世代の女性が「あ、あの人が出てるなら見てみよう」と視聴動機にしそうな一番手は西城さんだったはず。

朝ドラのならいで、ドラマ界準新人が充てられるヒロイン役や相手役は別格として、中村梅雀さんの器用な演技力を堪能したいとか、働く元ママドル松本明子さんに元気をもらいたいとか、普通なら木戸銭払わなきゃ鑑賞できないイッセー尾形さんの至宝ひとり芝居がタダで拝めるかもとか思って観始めた人も皆無ではないでしょうが、西城さんが潜在的に“持つ”客数の比ではないはずです。

 『だんだん』でつくづく思ったのですが、“ひと時代前の婦女子に一世を風靡したフェロモン系スター”を朝ドラの脇に起用するなら、誰が見ても「うわぁ、変わってないねえ」「相変わらずカッコいいわぁ」と思ってもらえる時期に間、髪を入れずに起用しないと、TVの向こう側もこちら側も居心地悪くなるだけですね。『だんだん』では吉田栄作さんが映って何か台詞を言うたびに、大袈裟に言えば全国のお茶の間女性視聴者がガツンと前のめりになる“音が聞こえる”ようだった。西城さんもせめて90年代前半の起用だったらなぁ…ってそうなるとちびまる子ちゃんのEDの頃になっちゃうか。

……いや、西城さんのヒロリン、決してカッコ悪いわけじゃないんだけど、54歳高畑淳子さんと熱い(同志の)ハグしたり、アイドル番組では全然後輩だった太川陽介さんをアマゾンの奥地(と見せかけて青森)に逃がしたりでは、ピーク時を知る者としてはポカーンを通り越して、ほとんど心が折れるじゃないかと。『だんだん』で吉田さんの“若気のあやまち、でも本気のマジ大恋愛”の相手が石田ひかりさんだったぐらいのナイスマッチングはないのかなと。

70年代後半~80年代初期に活躍し、『レッツゴーヤング』で共演したことあるぐらいの女性アイドルで“原型のとどめ具合”が西城さんと釣り合う人を誰か相手役に連れて来られなかったものでしょうか。女優さんでもいいや。早乙女愛さんを出してくれたら、月河ほとんど号泣ですよ。

なおかつ、アイドルとして輝きピークの頃の西城さんは、歌唱力やリズム感が本格的で“あればあるほど”B級っぽくなる、稀有な持ち味の人でもありました。植民地的と言うか、米軍キャンプ仕込みっぽいと言うか、プレスリーのバッタもん的なひらひらキラキラした衣装でガリガリの胸はだけるのが似合う、良い意味でキッチュなんですな。

『つばさ』は西城さんのそういう個性に、“気づいているんだけれど活かせていない”。母のような娘と娘のような母とか、子持ち世代が軒並みオトナになりきれていないなど、呑み込むのにノドにつかえるモチーフが多いドラマで、唯一“カッ飛んで突き抜け切れそう”な要素が西城さん参入だったのに、惜しいことです。

コメント
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