10日(月)夜、どうも出会いがしらに『お試しかっ!』を視聴すると、2回に1回はAniコレをやっている気がするのですが気のせいかな。気のせいだな。
とっぱじめに登場の、付けボクロのぶりっ子ちゃんは誰だ?と思ったらオリエンタルラジオ藤森。ピン参加はずるいね。中田敦っちゃんのほうを見たかったんだけど。
全員Aniコレ初参加でかためた今回の白眉は、「似合うはず、ぜひ見たい」の声が内外から高かったらしいAAA(トリプルエー)西島隆弘さんで、予想通り、殿堂入りの杉浦太陽さんを1点上回る98点で堂々の優勝でしたが、「やってみると意外となんてことないな」という印象。西島さん、リップやグロスなしの素顔でもクチもと、笑ったときのホウレイ線など“女の子仕様”だし、顔の輪郭も体格も小作りめですからね。きれいはきれいだけど、意外性がないんだな。
MCタカトシを始めコメンテーターのたかの友梨さん、シェイラさんともに、ベルトでマークして強調したウエストの細さを絶賛していましたが、腕の付け根、腋・肩周りのラインもほとんど川島なお美さん級。もともと女の子顔の西島さんのメイクポイントは、そのまま普通の女の子も使えますね。アイプチかぁ。いまのは性能いいのね。『美味(デリシャス)學院』の録画久しぶりにまた見たくなりました。
月河はむしろ、ラストにさらっと登場した載寧龍二さんの退廃的なアイラインにドキッとしましたね。細くて撫で肩めなこと意外女装映えする要素はないんだけど、なんかとにかく妖艶なのよ。『富豪刑事』でワンシーン、メイド服になってくれましたっけ(しかもメイク無しで)。
ただいかにも長身(プロフィール181センチ)なので、エプロンステージでウォーキングしてるときはきれいなんだけど、結果待ちでMC席後ろに並ぶと、シャクレの女子バレー選手が気合い入れて着飾ったみたいでした。でも、化粧してああいう目つきが披露できるのはやはり役者さんでしょうね。収録後、楽屋で「テツが出ればもっと上にいけたのに」と吉田友一さんにメールしたりしてないかな。『デカレンジャー』愛好者としては、しててほしいな。
あと、今回は芸人勢が結構頑張ったじゃないですか。U字工事とか。益子の“ぶん殴ったスザンヌ”だか“栃木のビヨンセ”だか、いつもの丸刈りアタマに髪がふんわりあって、眉があるだけでもこんなに女っぽくなるもんなんだなと、月河は西島さんのパーフェクトモデルより感動しましたね。福田は地がタレ目なので、太アイライン描くと、性格のいい歯科受付おねえさんみたい。
美しさを競うという観点だとだいぶずっこけるけど、女性だって、美しい人、可愛い子ばっかりでは当然ないわけですよ。流行りのファッションアイテム、アイドルメイク、女優ヘアで決めてはいるけど細々残念な「こういうおネエちゃん、おばちゃん、おミズさん、普通にいるよね」と思える傑作秀作、今回多かったですよ。勇気ある全員参加をとげた我が家なんか、大方の予想通り“いちばんマシ”な坪倉の微妙な似合い方を含めて、全員「いるいる」。杉山はいいヤツだね。
コメンテーター諸姉も言っていたようにいままでのAniコレでいちばんハイレベルでした。次回は芸人勢でアームストロング、マシンガンズをひとつよろしく。
『夏の秘密』は12日に第53話を放送。杏子(松田沙紀さん)の狂言で紀保(山田麻衣子さん)の不信を買ってしまった龍一(←ガードがスーパースイート。内浦純一さん)、尋常でない荒れ方になんと伊織(瀬川亮さん)がひと晩マンションに泊まり込んで、朝食(もちろん納豆つき)まで作ってくれましたよ。
伊織が龍一の精神安定剤常用に気づくために設けられたエピソードかもしれませんが、紀保を挟んでドラマ上は恋敵になるはずの男ふたりの、“お互い、イイやつだよね?そうだよね?と念押し合っている”不思議な空気感のシーンでした。昼帯の場合、すべての場面、あらゆる台詞が“状況をドロドロさせる”ためにしか発せられない、人物が“ドロドロさせるための言動”しかしない(設定上の生業たる仕事や、学業もろくにしない)という展開にたまさかなりがちなのですが、このドラマはいい意味で“これ何のため?”と思わせる場面が差し挟まれていて、結果的に風通しのいい世界になっていると思う。
今話の白眉はフキ(小橋めぐみさん)のアトリエでのウェディングドレス仮縫いに同行し、紀保のプロデザイナーらしいあざやかな手並みに感嘆する素振りをしながら、秘密メモを渡す伊織…のシークエンスでしょうね。依頼主のフキの要望で背部に大きな飾り帯を付けたものの「バランスが?」と納得していなかった紀保が、裁ち鋏を持ってフキに近づき、フキ「何をする気?」と一瞬、その場の全員に緊張がはしります。
その瞬間の表情でわかるのですが、フキって本当に“ここまでずっと勝ち組人生になったことがない”女の子なんですね。ドラマ見ていて、どうしてもフキの心情に深入り深読みしたくなってしまう要因はここかも。仮想恋敵であれ金貸しであれ、“ワタシのほうが一枚ウワテよ”という表情になったことがない。いつも“ウワテからの攻勢を警戒し怯えている”守勢一方なんです。
ドラマは紀保をヒロインに、紀保視点で語り伝えられていますが、フキ主体の話法でもおもしろいドラマになったかも。
斜陽の工場を支える、勝ち気で男勝り、でも情のこわい跡取り娘、どんな出自とも知れない流れ者腕利き工員に好意を持つが、彼には親密な看護師が…ところが彼女が謎の死を遂げ、これで私が彼を支える出番!と思いきや別の高慢な女が「真相を究明する」と割って入って…という具合に。
人に羨まれる財力と地位ある生まれ育ち、美貌と才能に恵まれた紀保とは対極に、この世のすべてが“ゼロから仰ぎ、憧れ見る地平”であるフキの視点から出発すると、また違う物語になった気がします。