昨夜は『BSマンガ夜話』を開始20分過ぎて飛び込み視聴。17日から第34シリーズが始まっていたのを見落としてました。うーむ不覚。00年、01年には当地公開収録にも参加したのに。05年から07年にかけて、まる2年半ぐらい放送されなかった時期があって、代わりに『アニメ夜話』『マンガのゲンバ』などが頻繁になったので、もう打ち切りになったのかなと思っていたのです。
『いつまでもデブと思うなよ』レコーディングダイエットで最近再ブレイク中?の岡田斗司夫さんに触発されたのか、司会の大月隆寛さんも気がつけばだいぶすっきり小奇麗になってますよ。トレードマークのおヒゲも少し整えた?…“ビフォー”が“分析イノブタ”系だった岡田さんに対し大月さんは“まとめクマさん”系だったのですが、なんかちょっと2人とも“お手入れ行き届いたしつけのいい大型犬”みたいになっちゃって、スタジオショットにヴィジュアル的なカオス感、サブカル的粗野さが不足して来た気も。
レギュラー陣でいちばん体調の安定しないことにかけては自他ともに認める夏目房之介さんは、微量ふっくらされたかな。いい傾向か。いしかわじゅんさんは…相変わらずオシャレに、定角ブレることなくヒネクレたまま(←褒めてます)年を重ねておられる。
アシスタントMC女性がまた代わったのかなと思ったら、声を聞いたら05年のまま笹峰あいさんでした。とてもきれいになっていて、岡田さんの細化よりむしろこちらにびっくり。01年の当地収録で客席から見たときすでに思ったのですが、女優さんを見て、TV映りよりナマのほうが美しいなと思う場合、まず例外なく皆さん肌が白い。白いというか、濁り・くすみが少ない。顔もさることながら、喉クビや、ちょっと露出めの季節なら、鎖骨近辺とか二の腕とか、ここらが白いと本当にキレイ感倍増する。うーん。美白美白。もう手遅れか月河。
笹峰さんはそれプラス、トークの中で視聴者が見ていて、ウケてほしいときにきちんと笑ってくれて、それ以外では声出して笑わないし、わかってほしいときに即わかったという表情をして頷いてくれる。プライベートでとてもはまっていると自認し公言する作品がお題の回も、「読んだことがなかった」と言う作品のときも、MCにのぞむ体温差の表現がほどほど(全然差がないのも事務的で淋しいものです)。存在のしかたに無駄がなくて気持ちいい。見た目以上にアタマがいい、カンがいいんでしょうね。この番組のアシスタント歴最長なのも頷けます。みずから演出も手がけられるなど、女優としても熟れごろ。昼ドラに来てくれないかな。
…どうもキャリアほどほどの女優さんに好感持つと、つい「昼ドラに…」と思ってしまう月河の思考回路、どげんかせんといかんか。
昨日のお題は『男組』。70年代ですねぇ。週刊誌でキャンディーズのスーちゃん(=田中好子さん)が「流全次郎カッコいい!スーは男組ファンよ!!」と言っていたのを読んだウロ覚えがあるので、キャンディーズの全盛時代を考え合わせると、76~77年頃には人気が確立していた作品なのでしょう。…“なのでしょう”ってのも他人行儀な話ですが、『マンガ夜話』はお題作品にこの程度の知識情報しか持ってなくても、結構、トークが時代批評・文明批評として読み解けるところがおもしろいのです。
作品紹介、年代紹介を含む番組前半20分少々を見逃したのが悔やまれますが、“夏目の目”のコーナーに間に合ってよかった。「70年代当時の“少年サンデー”はカオスで、児童向けからのちに青年誌に独立統合されてくる路線まであらゆる傾向のマンガが詰まっていた」「キャラの絵柄に、ゴルゴ13もブルース・リーもいる」「梶原一騎の梶原イズムも随所にみられ、(“キミのためなら死ねる”でおなじみ)岩清水くんもいるし、流と神竜は(『愛と誠』の)誠が2つの人格に分かれたもの」と相変わらず表層から始めて、深層を経てきっちり表層に戻るご指摘が。
いしかわじゅんさんからは現役プロマンガ家らしく「当時の池上遼一の絵柄をリスペクトする漫画家や予備軍はものっすごく多かったけど、いちばん影響顕著だったのが香港のマンガ。一時期の香港コミックはページをめくれどもめくれどもぜんぶ絵柄がコレ(=池上風)」「原作の雁屋哲も、面識無いからよくわからないんだけど、東大→電通というコースを来たのに、辞めてフリーになった珍しい人で、代表作がコレ(=『男組』)と、もうひとつ挙げると『美味しんぼ』ってのもすごい」…これには岡田斗司夫さんから「“主義”じゃなく“趣味”で押し切ってますよね」との補論もありました。
かつて岡田さんはこの番組で、番長もの・不良もの、あるいはバトルもの漫画に“バカ系”と“お利口系”がある、と至言を述べておられましたが、昨夜は「主人公が立ち向かう“敵側”が、頭脳や技術や武器で主人公を苦戦させるのではなく、立場や階層・地位が上位であることに加え、肉体、身体能力の優秀さで戦うマンガはコレが初めてだったんじゃないか」「手塚治虫さん時代や、手塚さんの流れをくむヒーローマンガは、敵には肉体や身体がなく、あっても老人だったり、ヘタすりゃ脳だけだったりで、悪くて強力なのは科学技術だった」との発言が。
ゲストの大槻ケンヂさんが終盤に触れて、岡田さんも流→神竜へのセリフを引いて「カミングアウトですよ」と例示してくれたように、いまなら所謂“腐女子”の皆さんが泣いて喜ぶような色合いのマンガだった様子。
もうひとりのゲスト角田信朗さんは、ドンピシャ中学生時代にこの作品を読んで格闘技を志したそう。憧れていた池上遼一さんに会う機会ものちにあったそうで、「(作中の)南条五郎みたいな人かと想像していたら、全然違って(小柄で細くて)驚いた」とのこと。マッチョな絵柄、バイオレンスなストーリーが身上の作家さんにはこういうケースが多い。角田さんも、いしかわさんも推察しておられた通り、自分の身体性へのコンプレックスが出発点にあり、それをプラス方向に転じんとするベクトルがああいう作品に結実するのでしょう。
写真を撮るとき求められるまま角田さんがファイティングポーズをして見せてあげたので、「作中どこかに僕がモデルの絵が絶対あるはずですよ」と嬉しそうに言っておられました。
今夜(24:00~)は第3夜ですが、羽海野チカ『ハチミツとクローバー』。TVアニメにも実写ドラマにもなったことは知っていますが未読未見。スピッツ『魔法のコトバ』は好きな曲でした。お風呂で歌唱して気持ちいい系。アレは劇場版のほうかな。とりあえず録画スタンバイ。『爆笑オンエアバトル』は前半パスしかないですね。
この番組、レギュラー陣が野郎ばっかり(←褒めてます!)なので、少女漫画やレディコミ系に手薄な感は否めないのですが、いつか津雲むつみさんの『花衣夢衣』か『風の輪舞』を採り上げてくれないかな。わはは。わかりやすい昼ドラフィルター。でも昼ドラ見ない人の間でも、コミック単体で人気作じゃないですか。
ゲストに小沢真珠さんか、萩尾みどりさんはどうかな。ドラマや教育テレビでNHK経験あるし。要望メール送ってみるか。