何年前以来か思い出せないくらい久しぶりに、口唇ヘルペスが上クチビル左側“七合目”辺りに出現。
早起き明けの午前中の待ち時間、こっそり大あくび連発したら鼻水が出てきて、鼻をかもうとしてティッシュが触れたときピリピリ感に気づき、数分間でみるみる針の先ほどの水疱がむらむらと群生。なんだか久しぶりなので懐かしいくらいの感覚です。
帯状疱疹同様、神経細胞に居住権獲得済みウイルスが免疫力低下のたびに表に出てきて暴れ出すのが原因という、命にかかわる病気ではないけれど、一生ちょこちょこ付き合っていかなければならないと思うとかなりメンドくさブルー入る口唇ヘルペス。思い当たるほどの風邪や発熱の自覚症状はないものの、ここのところ就寝アフター26:00、起床ビフォー6:30、間で飲酒、という日の頻度が高まっていた自覚はあるのです。うーむ。
高齢家族が何十年来の口唇ヘルペス持ちで、確かかかりつけの内科受診時にお薬をもらったことがあります。内科の先生が、治りかけのヘルペスのかさぶたが裂けて微出血しているのを見かねて「今度出たら、そこまでひどくなる前に塗ると良いですよ」と、専門外なのに皮膚科で出す口唇ヘルペス用のアラセナA軟膏を処方してくれたんですね。
あの時のアレ、もし残ってたらと思い本人に訊いてみると、高齢者の必殺「忘れた」。
ぜんぶ使い切っちゃった?あの時はすでに治りかけだったし、その後そんなに頻々とヘルペス発症していたはずはないし、調剤薬局のお薬手帳によれば5gの処方で、ホテル備えつけのハミガキぐらいのチューブだったはず、半分くらいでも残ってない?と追及しても、無敵の「忘れた」。
……まぁ、残ってたとしても、処方されてから1年半近く経ってるし、「忘れた」状態では保存状態も期待できないので、こっちもさっくり忘れてあきらめることにしました。そもそも、家族といえども、外用薬といえども、或る人に処方された薬を本人以外が用いるのは、よいこのみなさんはまねをしてはいけません。
そんなところへ、非高齢家族が「こんなんあるけどどう?」と持ってきたのが、口内炎用軟膏アフタゾロン。ヤッコさんは昔から歯周病持ちで、現在の月河より若い(たぶん)年齢で部分入れ歯ユーザーになったため、口腔内が無駄にデリケートで、高齢家族の口唇ヘルペスを上回る頻度で口内炎を発症するからと、知り合いの歯医者さんからかなり多めにアフタゾロンをもらっているのです。
しかし、アフタゾロンといえば合成副腎皮質ホルモン(コーチゾン)剤で、口内炎を筆頭に腫れ物、おできなど化膿性の炎症には適しているけれど、ヘルペスはウイルス性の病気ですから、抗菌抗ウイルス成分の薬じゃないと効かないのでは?と半信半疑で塗ってみたら、これがどっこい意外に効いたのだから世の中わからない。ひと晩で群生水疱のブチブチが乾いて、褐色に固まってきました。
それでも今後のこともあるので、翌日いつも酒類の安売りに行くドラッグストアで「口唇ヘルペスの塗り薬」と指名してグラクソ・スミスクライン社製の“アクチビア軟膏”を購入、こちらも試してみましたが、塗った瞬間にヒリヒリ灼熱感があって、それでも我慢して2~3度塗ったものの、せっかくやっと乾きかけていた群生水疱の“土台”が持ち上がって台地状になり、群雄割拠をまとめた天下統一的なウズラ豆大の水疱になりかかって慌てました。口唇ヘルペス再発治療薬と銘打って売っている薬だけれど、月河の、この段階の口唇ヘルペスには歴然と合わない模様。
もう少し初期、アフタゾロンでブチブチが乾く前の、「鼻かんだティッシュが触れてピリピリ」の前駆段階で塗っていれば著効だったのかもしれません、アクチビア。
結局アフタゾロンに戻し、この薬の場合塗ってから数時間で乾いてポロポロ剥離してくるので、塗った上から化粧用コットンを1センチ四方に切ったものを貼り乾燥に備えて就寝。これでまた順調に治癒街道に。
出てしまってからの薬より何より、もう決して有り余るほど身体中に満ち満ちているとは言えない中年の免疫力を、自分で低下させるような生活習慣はやめましょう、という結論でした。