イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

カン・ピョウ

2010-09-23 18:58:09 | 朝ドラマ

この春の地域限定発売時から期待していたSAPPOROクリーミーホワイト21日に、中心街のビジホの一郭にあるセブンイレブンで、公式リリースより一日早く見つけて、すわと入手。

自宅から遠い店で、泡モノを買って持ち帰るのは勇気と用心が要りますね。特にこのラベルは、“クリーミーな泡”を第一キャッチにうたっていますし。なるべく揺らさないように、バッグの中で倒したりしないように、おしとやかに帰宅。

冷やし直して、泡の具合がよく見える透明グラスでいってみたところ…

泡に関してはさすがです。研究の成果が窺える。きめが細かいし、ラベル名通り乳白色の色もきれい。同ジャンルのSUNTORY金麦、リニューアル前のKIRINコクの時間辺りと比べて、注いだ後の泡のもちの良さも出色です。グラスにクチをつけたときの触感がいいんですよね。炭酸ぽくプチプチしなくて、スフレの様にふっくらしている。

…ただ、お味のほうは如何ともし難いイマイチ感が。新ジャンルにありがちな酸味はさほど出しゃばらず、ほの甘みもホロ苦さもあるのですけれど、そのバランスがどうも“人工的”なんですよね。

7月に発売されたKIRIN本格〈辛口麦〉の、月河としてはいけてないなと思った要素少なめヴァージョン、といった趣きです。妙に残る後くちはないし、甘・酸・苦・辛(←ドライ、という意味の辛)の中で突出して目障り舌障りな味もないのだけれど、どうもスッキリさっぱりもしないな、みたいなね。

本格〈辛口麦〉のときも、Asahi 4VGのときも思ったのですが、ここ2シーズンほどのビール系新ジャンル市場、他社製品との差別化や、市場にカツを入れることを狙い過ぎて、味をこねくり回し過ぎではないでしょうか。「いつ飲んでも旨い、飽きがこない」という大事なヒット要素が軽視されている様に思えてならない。各社こぞって新ラベルが続々投入されて、投入直後は大手チェーンなどでお披露目価格のメリットもあるから消費者が次から次へと浮気しがち、という市場環境の新ジャンルではありますが、「何が何でも、既存のヤツと違う味に!」ってところにだけ、そんなにシャカリキになることもないのになと思います。

逆に、本格〈辛口麦〉を飲んでみて、好みだなと思った人なら、このクリーミーホワイトもきっとクチに合うはずです。よりソフト&マイルドで“秋向き”にした感じと思えば。

『ゲゲゲの女房』もいよいよ残すところ、今日(23日)を入れて3話となりました。終盤のヤマ場・水木プロ創立20周年パーティー発案のきっかけが、菅ちゃん(柄本佑さん)のまさかの漫画賞入選→独立?→「ここで働き続けていたい」一件から、「お世話になった人たち、誰ひとり欠けても、ここまで来られんかった」という流れで生まれようとは。

“月刊漫画タンク”編集長となって久々村井家を訪れた北村さん(加治将樹さん。少年ランド時代からの10数年経過と出世のカンロクを、普通ならヒゲや白髪であらわすところ、モミアゲであらわすという爆笑サプライズ)から「ボクは大賞でもいいと思った」とお褒めにあずかった審査員特別賞受賞作『夕顔畑に風が吹く』、どんな絵柄なのか一ページと言わずひとコマふたコマでも劇中、見てみたかった気もしますが、アシ入門初期はしげるさん(向井理さん)から「どーしようもなくヘタだからなあ」と身もフタもなく断言されていた菅ちゃんの成長は、「あれ(=受賞作)は渾身の一作です、描きたいことはぜんぶ叩き込んだ」「あれ以上のものはもう二度と描けません、自分がいちばんよくわかってます」と言い切ったところに端然とあらわれました。

漫画家、小説家、劇作家、詩人、作曲家などなど。クリエイター、作品作り手を目指し、足掻き、会心の作を漸く成して、めでたく日の目を見た人の大半がそうなのに、これを言えないのです。クリエイター様、作家先生と持ち上げられ、自分もその気で10年、20年世をわたっている人でも、中身は“自分の処女作のモノマネ”“処女作を作っていた頃の、自分の感性や志向のモノマネ”を、それこそぐーるぐる、ぐーるぐる続けているだけの例が圧倒的に多い。

自分と、自分の作品との距離感。作品と、作品を取り巻く世界との距離感。これを隠し看板なく冷厳に捉えられる視点を、水木プロの点々打ちスペシャリスト生活20年で菅ちゃんはつかんだのです。「水木先生の作品ばかり読んでいるうちに、先生とペンタッチが似てきてしまった」と、似ても似つかぬどヘタ原稿を持ち込んできた菅井青年の内面の成長は、受賞や独立に代え難い実を結んだ。もう今後、どんなにテクニックのある、あるいは野心旺盛なアシ志願者が入門して来ても、漫画描きとしての根性、スピリット、ウツワの大きさにおいて、菅ちゃんは上に立ち、仕事場のリーダーたり続けられるでしょう。

いっそ、藍子ちゃん(青谷優衣さん)か喜子ちゃん(荒井萌さん)と結婚して水木先生んちにムコ入りしてしまえば…と思ったら、第23週だったでしょうか、同窓会で再会した子連れの同級生と「(アシをリストラされないなら)結婚話を進められる」と喜んでいましたし、翌週には結婚指輪してましたっけ。幼い頃は藍子ちゃんも喜子ちゃんも菅ちゃんに遊んでもらって大きくなりましたが、考えてみればアシ志願の時点で「24歳」と名乗っていたスガちゃん、藍子とでも親子ぐらい年の差はあるのだなあ。もう四十路半ばにしては、スガちゃん、若いんだもの。髪なんか来たときより増えてる、ていうか膨らんでるし。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二兎とも取れ

2010-09-23 00:17:54 | 特撮・ヒーロー

昨年二度ほどここで触れたことがあって、おめでたい話題だから芸能ゴシップでも書いてて気分悪いことはないしいいかなと思っていたのですが、今般はどうしちゃったんでしょう。どういうことなんでしょう、水嶋ヒロさん。

 おめでたい話題だと思っていた昨年の「入籍してました」報告も、所属する大手事務所としてはほとんど寝耳に水だったようで、その頃からあまりいい関係ではなくなっていたのでしょうか。好評公開中の映画『BECK』も撮影は昨年終了していて、結婚発表後に新たに契約された俳優の仕事は事実上無いのだそうです。

 「表に顔を出す仕事より、小説などの執筆活動をしたい」とのご本人希望も伝えられてはいますが、いくら顔は出さない出さないと言い張ってみたところで、“元・人気イケメン俳優の作家”という暗黙の肩書きがついて回るのだろうし、どうも執筆ウンヌンは、“芸能活動は打ち切り、したがって他の事務所に移ったりなんか絶対しません”との、現事務所へのエクスキューズ、「一札取らされた」ようにも思える。水嶋さんにしてみれば「もめたり争ったりしてまで、何が何でも万難排して俳優続けたいわけじゃないし」「俳優以外にやりたいこと、できることいくらでもあるし」ぐらいの気持ちなのかもしれません。

 月河は『仮面ライダーカブト』の天道総司以外、役名とセリフがあって動く水嶋さんを見たことがなく、『カブト』天道は水嶋さんがあってこそのキャラであり作品だったと認めるには吝かでないけれど、是が非でも俳優続けてもらわないと全芸能界的に損失だというほど、俳優に特化した逸材かというと、別にそこまでは。「好きに生きれば」とも思います。

 ただ、最近聞こえてきた宇多田ヒカルさんの音楽活動停止宣言、沢尻エリカさんの豪華イベントドタキャン事件なども併せ振り返ってじんわり思うのは「若い人たち、執着がないんだなあ」。…

 ゴールデンタイムのドラマで主役を張れる俳優、女優、アイドル、ミリオンヒット連発のアーティスト。誰もが羨み憧れる職業の、誰もがなれるわけではない花形ポジションを、皆さんあっさり退いたり、放棄したり、あるいは退かざるを得なくなる行為や発言などを簡単になさる。

 一方では、現役時代の姿の記憶が一般にまだあるかどうかギリギリの元俳優、元女優、元アイドル、元芸人、元演歌歌手、元局アナ(以下略)…が、新曲を出すでもドラマで演技するでも、ギャグのひとつもかますでもなく、結婚、離婚、再婚、ダイエット、闘病、介護、出産、育児、流産、整形(以下略)…など、興味持つ人がどれだけいるのかわからない私生活雑記の切り売りでしぶとくヒナ段や週刊誌の掃き溜めコラム、記事風広告ページに名前、顔を列ねている。

花形でなくていい、十把ひとからげでもいいから、とにかく一般の目の触れるところに顔と名前を出し続けていたいとしがみつく人たちもいれば、最初からどれだけこの世界でやる気があったのかと疑いたくなるほど、まったく執着しない人たちもいる。

ちなみに水嶋さん26歳、沢尻さん24歳、宇多田さん27歳。豊かな時代に育って余裕で世に出てきた人と、がつがつした時代にがつがつ這い上がってきた人との違い、と片付けていいものかどうか。

憧れの職業の花形ポジションですら、需要のある人、あまた買い手のつく人にこんなにあっさり辞められてしまうのだから、当節、新卒くんたちに「少しぐらい合わない仕事でも選り好みをするな」「就いたら辛くても歯を食いしばって3年は頑張れ」なんて強要できませんね。頑張ることにみんな倦んできている、と言うより、執着すべきことと、しなくていいこととの距離感、遠近法というか座標軸というか、人それぞれになり、誰もに当てはまる正解がなくなり、ばらんばらんにバラけてきているんだろうなという気がします。

ところで、水嶋ヒロさん、めでたく文筆業に転身したらペンネームはどうするのでしょう。俳優は辞めると宣言しながら、俳優時代の芸名まんまというのも首尾一貫しないような。公表はされていないけれど、ネット上などではすでに知られている本名で活動するのか。引っくり返して“ヒロ水嶋”では当地の平日夕方情報番組のMCみたいだし。

月河としては“天道総司”を名乗ってほしいけれど、キャラの名前だから、知的所有権の問題が当然生じてきますね。

表記を少ーし変えて、“てんどー・そーじ”にするとか。間に星入れて、つのだ☆ひろ風、ダイアモンド☆ユカイ風にしたり。DAIGOさんも、デビュー当時はDAIGOSTARDUSTでした。

パクリっぽいか。じゃ☆はやめましょう。♂はつんく♂さんが使っているから、※はどうかな。てんどー※そーじ。

…………なんか、「そっちも辞めちゃえ」と言ってるに等しいな。まあ宣言する以上、彼なりに勝算はあるのでしょう。『カブト』での輝きが“なかったこと”になるわけではないし、そこそこの体温で見守りましょう(フォローフォロー)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

つながれた右手が

2010-09-21 22:09:03 | コスメ・ファッション

ここのところやっと出かける前にファンデのタイプに迷うことなく、いつものクリームタイプをノビノビ塗って、パウダーをふぁこふぁこ叩けるようになりました。先週の後半ぐらいから、どうやら当地も、本州の猛暑、狂暑につられることなく、健全でまじめな“普通の北国の初秋”へと“更生”しつつあります。

いつも思うんですけど、顔に塗るファンデって“顔専用の、見えない肌着”みたいなものだから、暑いからといって、いつものヤツじゃないのを塗ると、肌着と肌とのフィット感がいまいちで、塗ってる間じゅう顔がガサゴソする感じなんですよね。やっぱりいつものが心地よい。

来年もこんな感じに調子こいた夏になるなら、“いつもの”の球種をうんとこさ拡げておかないと、うっかり外に出られないし、人にも会えません。アウトドア派に愛用者が多い、下地パウダー不要のスーパーウォータープルーフタイプのやつを今度いってみとくかな。

『ゲゲゲの女房』最終週は、先週末時点での予告からして、お世話になった人オールスターズ帰還再会、グランド大団円ウィークの予感ばりばりでしたが、週アタマはまず安来の源兵衛お父さん=大杉漣さんの脳梗塞演技の、ほどの良さに浴びせ倒しくらって幕開け。

もう、ほどの良いのなんの。「ほどが良すぎるぞこの野郎」と怒り泣きしたくなるほど(怒泣)。

脳梗塞の、と言うより脳梗塞後の身内や知人を介護したり、見舞ったりした経験が多少でもある人なら、「そうそう、こんなんなるんだよなー」とリアルに思い出す要素を演技のベースに敷き詰めつつ、「でもこんな程度じゃ、本当は済まないんだけど、TVでそこまで見たくないし」と、映ったら目を覆いたくなる級の部分はさわやかに割愛。

20日(月)放送の、急遽帰省した布美枝さん(松下奈緒さん)に、母・ミヤコさん(古手川祐子さん)兄嫁・邦子さん(桂亜沙美さん)から語られる形での、発作時の回想再現シーン「(食後の湯呑みを取り落として)…おかしいな」→「(バッタリ倒れて)…大丈夫だ」から段階を踏んでの、腹にチカラの入らない発声がまずは鳥肌級にすごい。

古き良きカミナリ親父の源兵衛さん、地声が大きい人だっただけに、声帯や肺活量は発作前通り保たれているのだけど、脳の損傷のため、腹筋の制御による発声が困難になっている感じが痛切にわかる。脳の言語野(や)が直接傷まず、いわゆる言語障害に陥らずにすんだ脳梗塞の人でも、いち単語、ワンフレーズの中での抑揚コントロールが効かなくなるため、声量だけふりしぼって妙に“言いっぱ”“叫びっぱ”な語尾になってしまう。健康な頃の知性や人間性がどんなに豊かでも、どうしようもなく「いかにも脳をわずらっている人…」という印象の、もの悲しい会話になる。

ご本人も、“言いたいことが、言いたいように言い表せない、伝わっていない”という不満や苛立ちがつねにあるから、源兵衛さんのように頑固だった人がさらに頑固に、ちょっとしたことで激昂するようになったり、逆に“もういつもの自分のようには戻れない”無力感から、信じられないほど気弱に、依存的になったりもする。

意気軒昂な姿がつい先週の放送だっただけに、一層痛々しい「だぁらぁず」や「…はい」、布美枝が帰京した後の仏間で「守ってやってごしぇ」と麻痺した右手が伸びない合掌など、お見事のひと言。

しかし、最高のファインプレーは、「お父さんが(寝室に)おらん」「まだひとりでは歩けんですよ」とあわてるミヤコさん邦子さんをよそに、本当に歩けない身体を半身引きずりながら仏前に這って行く姿を絵にしなかったことです。

老い衰えても、衰えたからこそますます切々たる親心を、観る者に愛おしい、尊いと思わせ感涙させるためには「そこまで見せなくても」に踏み込む境界線を、厳しく潔癖に守る必要がある。

このドラマは、“見せるべきこと”と、“見せなくてもいいこと”、“見せ過ぎたら台なしになること”の仕分けが、演出・演者ともに、本当に鮮やかでためらいがない。

TV番組、TVドラマについて書くことが最近特にめっきり多い月河のこのブログですが、人間が人間に見せるための作品、商品として作っているものである以上、“ドラマとしておもしろい”“演技者の演技がうまい”こと単体では褒め記事を書かないように心がけてはいるのです。プロのP、脚本家、監督が、おカネを取れるモノを目指して作っている以上「おもしろい」のは当たり前だし、俳優さんたちもプロがこの作品のために選ばれて演技しているのだから、シロウトが見て「うまい」のも、これまた当たり前。

「おもしろい」「うまい」の彼方に、あるいは、その底流にある、「これこれこんな工夫、仕掛け、心がけが見て取れ、感じられるからおもしろいのだ」「おもしろいから、うまいから、これこれこんなことまで読み取れたり、想像させられたり、考えさせられたりしてしまうのだ」ということをなるべく書きたいと思って、毎度ここを開いている月河です。

その意味で、『ゲゲゲ』は隅々まで噛み応えあり、書きたいことが毎話、湯水のように湧き出てくるドラマでした。

「(もう一度源兵衛さんと碁が打てる)“この次”はないかもしれない」との覚悟を布美枝さんもしげるさん(向井理さん)も秘めて噛みしめた秋から、冬が過ぎ、今日(21日)の放送では再び桜の季節になりましたが、秋口「今度は桜の季節に深大寺へもう一度」のお祖父ちゃんとの約束、藍子(青谷優衣さん)&喜子(荒井萌さん)姉妹も覚えているはず。布美枝さんは車の免許こそ持っているけれど必要以外はあまり外出をしない人ですが、小学校教師藍子さんは2年めを迎えた勤め先の学校のそばに桜があります。今日の放送で、布美枝さんが玄関先で満開に気づく前、蕾がほころんできた頃“お祖父ちゃんに桜…”と胸をよぎらないはずはない。

でも、親の心を気にかけるタイプの長女藍子さん、すでに一年間の教師経験で、不祝儀のために忌引をとる生徒や、家庭訪問すれば仏間のある家もあっただろうし、“言い出して無理だったら、そうでなくても心を痛めているお母ちゃんが気の毒”と先回りして自重したのでしょう。

かえって天真爛漫な喜子ちゃんは「もうすぐ深大寺の桜が咲くね~、安来のお祖父ちゃん、具合いいんなら見に来たらいいのに」と空気を読まずに元気発言、藍子「脳梗塞のリハビリって大変なんだよ、乗り物に乗ったり降りたり」布美枝「お祖母ちゃんもリウマチがあるしね、付き添いに邦子さんか絵里子ちゃんもとなると、(酒屋の)店も大変だし」しげる「……(新聞読むふりでじっと聞いていて)…見ごろになったら、あれだ、寺の近くで皆で写真を撮って、安来に送ってあげたらええ、今年の桜、来年の桜、同じ桜でも一期一会ということもあるけんな」布美枝「そげですね、日曜日なら藍子も行けるでしょ」喜子「いいね、お祖父ちゃん、見たら元気になるよ」…

……のような会話があったかもしれません。

源兵衛さんと言えば、嫁の邦子さんに麻痺したほうの腕をマッサージしてもらう回想場面で「“娘”にこげに世話してもらって」と、“血縁ない他人同士が家族となり、年月をかけて絆を築く”幸せなご縁の糸を、主人公のしげる布美枝夫妻とは違う角度から映し出してもくれました。

飯田家お向かいの魚屋のご主人留蔵さん(春海四方さん)も、頭髪の白化とともにずいぶん声が老け込んでいました。一方、同時期に実家に寄っていたかつての同級生チヨちゃん(平岩紙さん)は、花柄ブラウススーツでちょっこし若づくりしていましたが、「実家の母親が、ほんの鼻風邪なのに、何かと理由つけて会いに来いとせっつく(=老いて気弱になった)」「ウチの子も結婚して2年だし、そろそろ子供ができて、私もお祖母ちゃんになるかもしれん」と、間接的に時の流れ、じんわり自分の人生の後半、そして人生のいちばん身近な先輩である親の老いと看取りに近づいていく皮膚感覚を表現。

本当に打つ手に無駄がない、何かしら手を打てば必ず何かしらに効いている、「無駄がないぞこの野郎」と怒り笑い泣きしたいようなドラマです(怒笑泣)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みんなテレビが好きだから

2010-09-19 18:16:35 | テレビ番組

18日放送で『ゲゲゲの鬼太郎』が昭和60年、三度めのTVアニメ化放送スタート、10月に向かって驀進だ!ということで(@『ゲゲゲの女房』)、貸本時代と比べるとぐっと現代っ子風な脚長プロポーションで夜の大都会を歩く第三期鬼太郎くんのOP映像も挿入されましたが、初回当日=1012日付けの夕刊ラテ欄も一瞬映りました。

フィクションのドラマですから、当然、当時の本物の新聞ではなく“毎事新聞 夕刊”、載っている局名も、『鬼太郎』以外の番組タイトルも、出演者名も架空そのものですが、その架空具合が実にどうも。先週放送分をHDD再生して静止画にしたら、じわじわと爆笑してしまいました。

まずは我らが『鬼太郎』は、8チャンネル“未来放送”630から。未来放送は、この後の700台も新番組が続きます。700『日本のただごとではない!』「史上最悪の勘違い特集」、730『ハイスクール奇人組』「ヘンな顔の人集合!!おれたちゃ奇人組!」

……じゅうぶんただごとではありません。

続く800台は『オレはひょうきん者』。「タカやん大マジックショー 水中アダモステージ▽エバガールの逆襲▽石井会長爆笑一発芸集!」

……「楽しくなけりゃテレビじゃない」と息巻く重役さんがいたのでしょうね。未来放送。

気になる『鬼太郎』の裏番組はと言えば、10チャンネル“ワールドテレビ”が堂々『オバケのK太郎』をぶつけて来てます。こちらは625とフライングスタートでケンカ売ってきてますね。このチャンネルは土曜夕方から子供にターゲットを合わせているようで、『K太郎』の前の600『電気戦隊エレクトニックマン』、その前の530『機動戦士Vガンダモ』

……大丈夫か。強いのか。『ガンダモ』。おでんの具みたいなんだけど。とりあえず低学年男子は「テレビ消して早くご飯食べなさい!」ってお母さんに叱られたんでしょうな、この時間。『鬼太郎』はもう少し上の学年がお客さんだったか。

700台はさらに上がターゲットらしく『マンガ人間砲弾!』「最終回傑作選/山田国子 柳伸次」730『探検日本!駅弁篇』「駅弁日本一はどこの県!列島駆け抜けろ」

…やや苦戦が窺えるタイトルです。翌週の700はどんな番組にすげ替わったのだろうか。

しかしワールドテレビ10チャンネル、800は強力そうですぞ。

『暴れん坊だよ?』「ついに現る!伝説の○(判読不能)一族/松元健 北島一郎」。

『~だよ?という、意味ありげでもなさげでもある付加疑問形。ハテナマーク付き。底知れない余裕を感じます。悪者を追い詰めても「この野郎!観念しねぇかコラァ!」なんてビックリマークは付けないわけだ。前の7:00台枠の、苦しまぎれみたいなビックリマーク連打と対照的な、フトコロの深さが感じられるではありませんか。これはかなりの底力コンテンツと見ました。

「オレのこと、誰だと思う?暴れん坊だよ?」とやんわり、ハテナマークの見得切っただけで、悪党ども「ははーっ」とひれ伏すんだね。

一方、6チャンネル“毎東テレビ”は、『鬼太郎』真裏630には『ニュースハンター』と大人の対応。

その代わり700『マンガ日本のはなし』「うそつきと餅つき」「金持ち狸の恋物語」、730『クイズマラソン』「古谷三行 小川友子 加藤ひろし 三宅雄三」、800は新番組『お笑い祭りだ!全員集合!ベスト100「収容所コント!脱獄物語▽ダンス大会&ゆかいな原始人▽食堂で大パニック!?」と娯楽一直線。

800台のこれは、“ベスト100”と銘打っているところからして、かなりの長寿番組の遺産番組と見えます。“食堂で大パニック”を放送していた頃は、「食べ物を飛ばしたり投げたり粗末にしてけしからん」とPTAからクレームがついたりしたのではあるまいか。

この毎東テレビは900に期待の新番組が。期待度合いがタイトルにあらわれています。

聞いて驚くな『ポニーテールでこんにちは』

もう一度言います『ポニーテールでこんにちは』

夜の900台、それも、大人も子供も心沸き立つ週末土曜(ドラマ中でも村井家カレンダーに花マルついてた、1012日は土曜日です)の夜に『~こんにちは』

初回のサブタイトル「ポニーテールの少女」。どこまでもポニーテール押し。「大原清治脚本 伊藤みきえ 鶴亀慎吾 松村優斗 坂上しのみ 岡田奈々子ほか」……各人、だいたい、どんなヴィジュアルでどんなキャラか見当がつきます。クレジットトップでヒロイン役らしい“伊藤みきえ”さんは、きっとポニーテールの似合う小顔の、キリッと目ヂカラある美少女でしょう。“松村優斗”さんは字並びからしてくっきり端整な二枚目、“鶴亀慎吾”くんはお目出度い感じなのでいい人キャラか。“坂上しのみ”さんは、男か女かちょっとわからない。ややなよっとした中性的な人物かしら。“岡田奈々子”さんは、クレ順からいってヒロインの恋敵役や親友役という感じでもないので、年上キャラ、若い継母か美人女教師か。

とにかく、アイドル誌グラビアの見出しっぽい軽めのタイトルからは想像もつかない、破天荒ドロッドロの世界が繰り広げられる予感。一時代を築く金字塔作になるかもしれません。『ポニーテールでこんにちは』、ご期待下さい(架空か)。

4チャンネル“ジャパンテレビ”も、『鬼太郎』真裏630には『夕方の部屋』「認知症について」と夕食どきにいきなり硬派。夜間徘徊とか身体拘束、おむつ交換等の映像は出たのだろうか。

しかし、そのひとつ前の枠では530から一時間『プロレス』に割き「長州他力 ライトハンド・タカ×ユン・ビョウ 黄飛鴻」と、スポーツ重視な局風を窺わせます。強いのか、長州他力。負けが込むと“長州自力”に改名するらしい(違うか)。ライトハンド・タカは通常、レフトハンド・トシとタッグチームを組んで、オフ時は居酒屋の上位人気メニューを食いつくしているらしい(違うな)。

ジャパンテレビ、700からは二時間枠で『第8回日本民謡№1決定戦決戦 輝く栄冠は誰の手に!?故郷に名誉と栄誉を!』。視聴者年齢層が全体に高めなチャンネルなのかもしれません。出場者に「金沢慶子 佐々木孝治」ゲストに「水前松武子」の名前が。着物が全体的に派手そう。

この毎事新聞夕刊画面、もうちょっと左にスライドしてくれると、チャンネル13も映ったのですけどね。昭和60年で、チャンネル1の土曜600台というと、さしずめ『大草原の家族たち』「マイク・ダントン エレン・グロスター」ぐらいのところか。

ドラマ劇中で画面に挿入される架空の新聞紙面って、「ココを見てくれればいいんだよ」という架空の事件報道、裁判報道、人物の顔写真だけは鮮明なんだけど、その周りの記事は適当で、同じ文章を何回も複写繰り返して紙面埋めてるだけだったりすることも多いのですが、今回は『ゲゲゲ』美術スタッフさんが頑張りましたね。映ったのはほんの一瞬だけど、地上デジタル放送で録って静止画にすると、ものすごく鮮明に読めて、上記↑↑↑ぐらいの情報はじわじわ読みとれる。

水木しげるさんと奥さんの夫婦物語のドラマ化というにとどまらず、どうにかして“それぞれの時代の気分、空気感”まで再現しようという熱気、風圧、集中力が感じられました。

造化の神は細部に宿る。昭和6010月と提示されて、あぁその頃なら、こんなことがあった、こんなことにはまっていた、こんな事件や出来事があって、こんな気分で学校へ、会社へ行っていたっけ…と呼び覚まされる記憶が、そのまま劇中のしげる(向井理さん)布美枝(松下奈緒さん)夫婦の境遇、心理への共感へと延長線引かれてつながって行く。

しげるさんが、漫画のアイディア探しも兼ねて食卓で新聞を読むシーンも多いのですが、きっと白紙ではなく何かしら架空紙面、作ってあるのだろうな。一度読んでみたいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月に向けてバク進だ

2010-09-18 19:20:54 | 朝ドラマ

しかし、17日(金)放送で、しげる弟光男さん、布美枝さん(松下奈緒さん)に「クシャミでギックリ腰」コールよこしていたけど、電話口までどうやって行ったのだろうか(@『ゲゲゲの女房』

グキッ!て来たら、もう方向転換はおろか、顔上げる手を伸ばす、いっさいがっさいできなくなるもんですよね。安静にしてろって言われても、横になるなんてどうやったらできるんだ、そもそも布団が敷けないし、敷けるスペースのある部屋まで、這ってもずっても行けないしみたいな、病理的金縛り状態。

何かを掴むとか、声を発するとか、こんな細かい動作までが腰に力をこめないとできなかったんだ、と激痛のうちに実感する、それがギックリ腰。

ここは布美枝さん電話をとって「はい、村井です…あら、栄子さん(植木夏十さん)?…(先週のイトツ父さんの臨終シーン、葬儀後喪服兄弟集合シーンから、源兵衛さんウインク式の○スポット抜きで)…光男さんに何か?……あら、あらららッ…いえ、いえいえ、代わらなくても、ウチの人に伝えておきますから、ハイ、どうぞお大事に」ぐらいの演出にしておいたほうがリアルだったかもしれませんね。イトツさん臨終の枕辺で泣いてた以外セリフもなかった栄子さんですが、扮した植木夏十(なっと)さんはしげる兄雄一さん役大倉孝二さんの劇団の、結構ランク上の女優さんです。電話越しの声ぐらいフィーチャーしてあげようよ。

 …そんなこんなで喜子ちゃん(荒井萌さん)に猫の手活躍チャーンス与えた光男さん(永岡佑さん)も、18日(土)の『鬼太郎』3度めTVアニメ化やったねシーンではちゃんと直立参加してました。よかったよかった。

 小三生徒に心ならずも“エコひいき”呼ばわりされて、「子供の気持ちがわかるつもりでいたのに思い上がりだった、先生に向いてないのかも」「先生辞めようかな、そのほうがお父ちゃんも喜ぶし」とネガティヴに傾きかけた藍子(青谷優衣さん)には、“意志の力で成功しない時には好機の到来を待つほかない。”“人は努力している間は迷うに極(き)まったものである。”のゲーテ謂いがお父ちゃん(向井理さん)から。兵役の雑嚢にも入れて愛読し「嫁なら読め」と布美枝さんにもすすめたゲーテの名言が、遠くここで再び活きてくるとは。

 藍子さんは真逆に、幼い時から「娘は教師にする」と親戚ご近所に公言され「教師になれ」「そんなことでは教師になれないぞ」と言われつけて育ち「うちの娘がついに教師になった、鼻高々」なご両親のもとだったらどんなにプレッシャーだったか考えてみるといい。“親は別に望んでない、強制してない”“こんな道に進むとはびっくり”というスタンスだからこそ自由に進退を選べるということもある。

お姉ちゃんのいつにないガチ猛勉ぶりをカーテン越しにいちばん近しく見ていた妹・喜子ちゃん(荒井萌さん)からのリクエストで、「教員を辞めさせウチに入れる機会♪」と都合よく考えていたお父ちゃんが「おーい、エヘン…」と緊張して自筆ゲーテ名言色紙持ってきてくれたんだから、藍子さんももっと愁眉を開かなきゃね。暗ーい顔して棒立ちの女先生じゃ、小三坊主たちリスペクトしてくれんぞ。

喜子ちゃんのお姉ちゃん愛と、藍子さんのちょっこし余裕不足な長女気質がフィーチャーされたラス前週。藍子は学校で生徒たちに信頼回復モテモテ、喜子はお茶くみ電話番秘書業バリバリ…ということさらな救済篇がなくてかえってよかった。二人とも、しっかり両親のDNAを受け継いでいますからね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする