雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

全体最適値を求めた『仕組み創り』   雑感

2020-07-26 07:31:56 | カワサキ単車の昔話

★『岩手県』いま、コロナウイルス感染者ゼロで、話題である。

 そんな『岩手県』など東北6県を私は担当していた。
 旧い旧い時代だが、『実用車のカワサキの時代

    こんな車だった。



 



 
 当時、東北6県が最大の市場だったし、
 岩手カワサキはダントツの『全国1位』の販売台数を誇っていたのである。

 1972~76までの4年間、私も未だ、30代前半、初めての営業経験だった。

 実用車も売れたが、こんなC2SSもめちゃくちゃ売れたのである。
 なぜ?
 それは当時東北6県は全国で最もモトクロスが盛んで、
 このC2SSの仕様に関しては、
 当時の東北の意見が大いに取り入れられていたのである。


 


 当時のカワサキのモトクロスのファクトリーライダーたち、
 山本・歳森・梅津・岡部・星野などは毎月のように東北にやってきていたのである。




★そんな東北6県の中でも『岩手カワサキ』は群を抜いた実績だった。

 その岩手カワサキの社長が久保克夫さんで、
 私は久保さんから学んだことは多い。
 
 なぜ岩手県などの田舎県が日本一を続けたのか?
 まさに、その販売システムというか、『久保克夫さんの力』だったと言っていい。

 それはなんだったのか?
 ひとつは   『久保克夫さんと販売店の信頼関係
 もう一つは  『岩手カワサキ独特の仕組み』  だったと思う。

 

 若い時に、私は久保克夫さんに会えて本当によかったと思っている。
 1976年以降はカワサキも『スポーツのカワサキ』に脱皮して
 私は大阪市場を担当することになるのだが、
 そこで創った『カワサキ共栄会』や、日本で初めての『特約店制度』など
 すべて『久保克夫さんから学んだもの』なのである。
 

★仙台時代、私は岩手カワサキの久保さんと一緒に行動することが多かった。
 久保さんは運転がダメで、私が運転手で岩手県内の販売店廻りを一緒にして、
 久保さんが、販売店に対してどのように対応されるのかを見せて頂いた。

 久保さんは販売店を訪問しても雑談ばかりで、
 『売ってください』などとは全く仰らないのである。
 『売りたい』のは販売店の方だと言うのだが、これは間違いない。
 人間関係は『貸し>借り』の関係でないと、その逆ではうまくいかないのである。
 
 一般に『お願い』などするものだから、『借り>貸し』になってしまうのである。
 販売店にはお願いなどせずに、
 相手が『望むこと』を支援するのが、『いい信頼関係』を創る鉄則なのである。
 
 そんな久保さんの販売店との対応場面を数多く見て、
 こんな対応はその後の私の『人間関係の基盤』になっいて、
 『頼まれたこと』はどんなことでもまず『断ること』はないように心がけている。


 
   


 ところが、岩手県は南北200キロ、東西100キロもある大県なのである。
 販売店を訪問するといっても、そんなに簡単ではないのである。
 そんな販売店に社長が突然訪問するものだから、
 販売店の方が恐縮してしまうのは、ヨコで見ていてよく解かった。
 間違いなく『貸し>借りの関係』が成立するのである。
 

★ もう一つの『仕組み』の話だが、
 ちょっと専門的で、お解り難いかも知れぬが・・・

 ●当時は全て『委託販売』の時代である。
 ●今のような回収システムではなくて、なかなか現金にはならない時代
 ●委託-販売ー売掛金ー手形ー現金化 と結構時間が掛かる
 ●数を売ろうとすれば、普通では大量の資金が寝る
 ●そのための『資金繰り』が大変で、
 ●ちょっと油断すると営業外で赤字になってしまうのである

 そんな時代岩手カワサキは独特で、
 ●実際は『委託』なのだが、
 ●委託すると同時にその月から『売り上げに計上』し
 ●毎月『請求書』を発送する
 ●販売店としては即支払う訳ではないが、ずっと『貸して貰っている』ことになる
 ●従って売れると即『手形支払い』となるケースがほとんどで
 ●大量に売るのに結構『実質回転』はよかったのである

 岩手カワサキ側の経理処理としては
 ●売上が経つので『利益が計上』されるのだが
 ●それは『引当金』を計上して相殺する
 ●売り上げが経っているので在庫からは消えているのだが
 ●在庫が『極小』になっても一切気にしない

 そんな『仕組み』になっていた。
 そんな『岩手カワサキ独特の仕組みの創造』を非常に興味深く思っていて、
 私の二輪経営は常に『独特の仕組み』の上に成り立っていたのである。


★ 『いい仕組み』さえ創れたら、殆どいろんなことは解決できるのだが、
 一番大事なのはTOPの立場での『全体最適値』を求めることである。
 
 現在の国の『コロナ対策の仕組み』など見ていると、
 部分最適値が優先されていて、上手く機能していないように思う。

 日本の縦割り組織を見ていると、
 各省の立場からの『部分最適値』ばかりが優先されて、
 『全体最適値』になっていないことが殆どなのである。

 国と地方との関係も明確ではないし、
 日本の組織機能は、なかなかムツカシイ。
 
 今こそ『全体最適値』を求めた『仕組み創』が求められているのだが・・・・


 
 
コメント
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